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by shin-yamakami16

英国「イラク参戦」経緯調査・決まる

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           「イラク戦争責任」を問われるブレア前首相

労働党政権はどこまで真実に迫るか?
                           山上 真

 いよいよ、2003年3月末から始まった、英国のイラク戦争参戦の実態を調べる調査委員会が発足することになった。

 イラク戦争は、何の根拠もないイラク・サダム政権の「脅威」を誇張して、米国・ブッシュ政権と共にブレア政権が開始したものであるが、ここ数年ずっと、この戦争の当否が論じられてきて、ブラウン政権は、調査の必要性を認めながらも、先延ばししてきたのであった。

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       ブラウン首相は果たして調査の「透明性」を維持できるか?


 いざ調査が始まれば、これまで隠してきた英軍の戦争犯罪や作戦の失敗が暴かれたりした挙句、当事者たるブレア氏の「戦争責任」を問う事態に発展することを何よりも恐れたのであろう。
 
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           2004年バスラで戦死した GORDON GENTLE 氏


 案の定、今度の「調査委」決定の直後に、ブレア氏がブラウン政府閣僚に、公開聴聞会をせず、秘密会議とするように求めたという。ブラウン氏はこの要求を一旦認めて、「秘密会」にしようとしたが、メディアに追及されて、一転また公開する方針に変えた。


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          調査の公開を求めるGORDON氏の母親 ROSEさん

 既に、イラクで戦死した兵士179人の家族の多くが、この戦争の意味を問い、実態解明を求め続けている。彼らは、息子や夫たちが、全く無意味な戦争の犠牲者になったのではないかと思っているのだ。

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             イラク南部での戦闘

イラク戦争を引き起こしたブッシュ・ブレア両氏及び、彼らを支持した全ての政治勢力は、戦火に巻き込まれて犠牲になった数十万のイラク民衆及び双方の戦死者に対して、どのような説明をするべきか、そして、誤っていたのであれば、どのような償いをするべきかを真摯に自問しなければならない。(2009.06.17)



<写真> THE INDEPENDENT, THE GUARDIAN, DAILY MAIL
by shin-yamakami16 | 2009-06-27 16:24