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by shin-yamakami16

教育予算確保は、「防衛費」削減で



OECD調査と「自・公」前政権・財務省の重い責任

                              山上 真

 筆者既述(2008年9月12日)のことであるが、今年度のOECD(経済協力開発機構)調査でも、日本の教育予算が、加盟28か国中、最低レベルである一方、家庭の負担する教育費が世界2位であることが分かった。

また、クラス・サイズについては、小学校で28.2人(OECD諸国平均21.4人)、中学校で33.2人(OECD 23.9人)で、大差がついている。いかに、日本の教育条件が「先進国」に似合わない劣悪さであるかを示している。

  このニュースは、一般メディアが例年になく大きく報道しているが、論評は様々だ。
 「読売社説」が従来の主張と較べて比較的妥当な「教育予算を拡充していくことに、誰も異論はあるまい」としているのに対して、「産経主張」が、「ダメ教師が増えては困る」というタイトルで、相変わらずピント外れの「日教組」攻撃に的を絞った駄文を連ねているのには呆れた。

 この数年の我が国の国家予算約80兆円の内、将来の日本を担う人材を養成する教育費は、約6兆円に過ぎない。その一方、日本国憲法が「戦力はこれを保持せず」と定め、「人を殺すこと」以外に何も役立たない「防衛費」が約5兆円にも達している。これは世界で二,三番目の大きさだ。

 このような理不尽な政策は、巨大な軍事力を背景とする米国の誤った世界戦略への従属的協力と、中国・「北朝鮮」などの脅威を殊更強調する右翼・財界・旧支配層のプロパガンダが生み出した所産である。

今こそ、新たな外交をすべての国々との間で切り拓き、極東に平和的環境を整備することによって、無駄な軍備を廃し、民生重視の政治を確立するべきだ。

 次期政権を担う民主党は、教育予算を現在のGDP 比3.3%から、5%レベルまで引き上げようとしているが、一般に、その政策実行の際の「財源難」を指摘されている。ここで、鳩山由紀夫氏の言う「チェインジ」が発揮されるとすれば、当然のことながら、財政政策の根本的転換が図られてしかるべきだ。「防衛費」を大幅に減らすという選択肢は、合理性に富んでおり、決して避けるべきではない。                    (2009.09.10)
 

 
by shin-yamakami16 | 2009-09-10 14:31