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海底油田爆発:米「史上最大規模」の海洋汚染か?

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問われるオバマ「沿岸石油採掘」新政策の妥当性

                             山上 真

 去る4月20日夜米国ルイジアナ州沖合で起きた海底油田「掘削施設爆発」事故に因る海洋汚染は、当初発表の「原油漏れなし」どころか、事故発生から1週間を経て、極めて深刻なものであることが判明した。


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 一方、この大事故を引き起こした大手石油メーカーBPは、英国経済紙『ファイナンシャル・タイムズ』が28日報じるところに拠ると、今年第一4半期だけで、前年同期より135%増しの56億ドル(約5210億円)という膨大な利潤を揚げているということだ。これは、最近の世界的な石油高騰によるものである。
 BPは、この米国メキシコ湾で、新たな油田開発の権利を獲得している。


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 油井爆発が起きる前の4月17日に、油井最下部と上部掘削装置(オイルリグ)を繋ぐ約1500メートルに及ぶパイプ下部の二か所からの油漏れが発見されており、二回目のガス爆発でリグは崩れて海底に沈んだということだ。


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 11人の現場労働者が亡くなったと見られ、115人が救命ボートで脱出した事故の爆発原因は未だ分っていない。油漏れを止める対策は敏速に行われているようだが、極めて困難な作業とされている。もし成功しない場合、今後数か月を要する恐れがあり、日量42,000ガロンの原油が262日放出され続けるとすれば、1989年の ‘Exxon Valdez’ 事故の際の「1100万ガロン流出」に匹敵する大惨事になる可能性が指摘されている。当然のことながら、生態系・漁業・環境への打撃は量り知れない。26日までに、この事故に因る油膜は、ルイジアナ沿岸50マイル沖合で5400平方マイルに広がっており、ほぼ「ホンコン」の面積に匹敵するという。


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 このブログ(4月5日付)で触れたように、オバマ政権は米国沿岸での新たな石油掘削計画「認可」を発表したばかりであり、米国政府は早速、事故原因を究明するチームを派遣している。
 フロリダ州選出の上院議員Bill Nelson氏は、「ルイジアナ沖合の悲劇は我々に、大規模海底油田掘削についての一層深刻な問題を投げかけている」と語っており、改めて米議会での今後の議論が期待されるところだ。
                        (2010.04.28)


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<追記 1> 4月29日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙、BBC Newsなどが一斉に伝えている所に依ると、米国メキシコ湾の油田爆発事故に因る原油漏れの規模は、当初見積もられた日量1,000バレルの5倍、5,000バレルに達していることが米政府当局によって確認され、重大な結果を招くことが避けられなくなったということだ。


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                    原油塗れの鳥類


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   以上 4枚の写真は4月29日、ルイジアナ沿海の状況



<追記 2> 4月29日付『ワシントン・ポスト』紙によると、 オバマ大統領は上記油田事故の深刻さに鑑みルイジアナに「非常事態」を布告し、軍隊総動員するなど、政府として最善を尽くして対策に当たることを明らかにした。事故に因る油膜は29日にもルイジアナ沿岸に到達するものと推定されており、生態系・漁業・観光への深刻な影響が懸念されている。                      (2010.04.30)




<写真・資料> Libération, The New York Times, The Times, The Independent, FT,
Daily Mail, The Washington Post
by shin-yamakami16 | 2010-04-28 14:46 | Comments(0)