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by shin-yamakami16

エジプト革命:ムバラク大統領、遂に辞任

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           2月11日、カイロ Tahrir Square で歓喜の民衆



軍事委員会「政権掌握」の今後は?

                                 山上 真

 今日早朝、エジプト大統領ムバラク氏は辞職を決意し、紅海の別荘地シャルム・エル・シェイクに向かったという。


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 幾波に渉る激しい「反政権デモ」の前に、29年間の「強固な独裁」政権も敢え無く崩壊に帰した。

 「副大統領」スレイマン氏は、暫定的に「軍事委員会」が、「民主主義」政権の発足まで政権を担うことになると、国営TVで発表した。



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 以上のニュースを知ったエジプト民衆は、カイロ、アレキサンドリア、スエズなどの大集会で、一斉に歓喜の喚声を上げている。大きな犠牲を払って、漸く目指していた目的を遂げたのである。

BBC World ニュース(日本時間12日3:00AM)によると、「反ムバラク」デモに参加してきた前IAEA事務総長エルバラダイ氏は、「エジプトにとって最も偉大な日である」と語っているという。 

 とにかく、民衆と軍隊との衝突が避けられたことは、この上なく喜ばしい。
                                 (2011.02.12)



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               「若き将校」ムバラク


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                  2009年



<追記 1> この「エジプト2月革命」は、300人を超える死者と、数千人に上る負傷者の犠牲の上に打ち立てられた「大事業」であった。この際、「ムバラク独裁」という「悪の圧政」を支えた米国・西欧・日本などの「責任」は、徹底的に暴かれることになるだろう。

  <参考資料 1> 外務省
大臣のムバラク・エジプト大統領表敬(概要)
平成21年5月4日


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 5月3日(日曜日)、中曽根外務大臣は、訪問先のカイロ(エジプト)で大統領府を訪れ、11時から約20分間ムバラク・エジプト大統領を表敬しました。

表敬では、日エジプト二国間関係の他、中東和平をめぐる地域情勢等について、意見交換が行われました。
中曽根大臣からは、エジプトが和平路線を堅持し、穏健かつ現実的な地域大国として中東やアフリカの平和と安定に多大な貢献を行ってきたことを評価した上で、二国間関係について、エジプト・日本科学技術大学(EーJUST)をはじめ、様々な分野で協力が進展しており、エジプトが安定的な成長を遂げるために引き続き協力したいと述べました。ムバラク大統領からは、これまでの日本の協力に対して謝意の表明がありました。また、中曽根大臣からムバラク大統領に対し改めて訪日を招請したのに対し、同大統領からは双方の都合のよい時期に訪日したいとの回答がありました。
中東和平については、中曽根大臣から、我が国として二国家解決に向けた国際努力を支援し、対パレスチナ支援を継続する、パレスチナ諸派間の仲介等、エジプトの仲介努力を支持するとの考えを伝えました。これに対し先方からは、エジプトは仲介努力を粘り強く行っており、楽観はできないものの、対話の継続自体重要である、また、中東和平全体について、まだイスラエル及び米新政権の政策は形成過程にあるが、今後予定されているイスラエルや米国等のハイレベルの接触を通じて前向きな動きが出てくることを期待する旨の発言がありました。
中東和平については、中曽根大臣から、パレスチナ諸派間の仲介をはじめ、エジプトが積み重ねている努力を評価した上で、和平の実現に向けて、わが国としてそうした努力を支持していくと述べました。これに対しムバラク大統領からは、現状について説明があり、その中で、和平実現のため、イスラエルは譲るべきところは譲ることが必要だとの説明がありました。
また、イランについては、中曽根大臣から、核問題の外交的な解決やイランが地域の平和と安定のために建設的な役割を果たしていくことが重要であると述べました。
中曽根大臣から、先般大臣が行った核軍縮に関する演説を紹介したところ、ムバラク大統領からは、核問題については、イランだけでなくイスラエルも含まれなければならず、中東地域の非核化が重要であると応じるところがありました。

  <参考資料 2> 外務省
エジプト基礎情報~日本との関係
エジプトがどのような国なのかを紹介するページです(2010年1月現在)。

1.交流史
 
わが国は、1922年4月7日エジプトの独立を承認し、36年1月にカイロに公使館を設置した。この公使館は、第二次大戦中閉鎖されたが、52年12月に再開され、54年4月に大使館に昇格した。

一方、エジプトは53年8月に在本邦公使館を設置し、54年に大使館に昇格した。

2.協定・取極
 
両国間には文化協定(1957年発効)、貿易支払取極(1958年発効)、航空協定(1963年発効)、二重課税防止条約(1969年発効)、投資保護協定(1978年発効)、技術協力協定(1984年発効)及び青年海外協力隊派遣取極(1995年発効)が締結されている。

なお、1995年3月のムバラク大統領の訪日の際に、日・エジプト共同コミュニケ「よりよい将来へ向けてのパートナーシップ」が発表された。

1999年4月のムバラク大統領訪日の際には、「日・エジプト共同声明」が発表され、「平和と繁栄」の21世紀に向けて両国の「対話」と「協力」の強化・多角化が図られることとなった。
2007年5月の安部総理大臣エジプト訪問の際には、「戦略的対話メカニズムの関するメモランダム」の署名が行われ、地域の平和と安定に向けた両国間の戦略的パートナーシップを強化する必要性について一致した。

3.二国間関係全般
 
二国間関係は伝統的に良好。特に2003年5月に小泉総理がエジプトを訪問して以来、更にこの友好関係が発展している。また、2007年5月には安部総理がエジプトを訪問した。

また、小泉総理訪問時に、日本とアラブ諸国との協力を強化する非公式な方途として、2003年より日本・アラブ対話フォーラムが設立された。このフォーラムには日本(座長:橋本元総理)の他、エジプト(座長セラゲッディーン・アレキサンドリア図書館長)、サウジ(ゴサイビ経済企画大臣)が参加し、第一回会合が2003年9月に東京で、第二回が2004年3月にエジプトのアレキサンドリアで、第三回が2005年1月にサウジのリヤドで、第四回が2006年5月に東京で、第五回が2007年11月にアレキサンドリアで、第六回が2008年11月にリヤドで開催された。なお、第五回会合より、中山太郎元外務大臣が故橋本元総理を引き継ぎ、新座長を務めている。
 
また、エジプトに中東及びアラブ世界における中核的研究・教育の拠点となる大学を設置するというエジプト日本科学技術大学(E-JUST)構想が進められており、2009年3月に「E-JUSTの設立のための二国間協定」が締結された。

また近年は、我が国の中東和平プロセスへの積極的参画に伴い、両国間の政策対話が強化された。エジプトは、我が国の和平貢献を高く評価している。中東和平問題の他、最近は安保理改革問題、軍縮問題、イラク問題、テロ情勢についても二国間で活発な意見交換を行っている。

 
4.議員交流・民間交流
 
91年4月、日・エジプト友好議員連盟が発足。94年4月にはエジプト側にも友好議員連盟が発足。98年は 、10月に参議院議員団が、11月には、日・エジプト友好議員連盟代表団(相沢会長を団長とする)がそれぞれエジプトを訪問した。近年も日本からの議員団訪問が続き、2001年は衆議院文部科学委員会調査議員団、2002年は参議院特定事項調査議員団、2004年3月には、大島理森衆議院議員、中馬弘毅衆議院議員が訪問している。また、2005年1月には、高村正彦衆議院議員(日・エジプト友好議員連盟会長)及び河野洋平衆議院議長が、2005年11月には尾身幸次元科学技術担当大臣を団長とする日AU議連北部アフリカ訪問団が、それぞれエジプトを訪問した。

  <参考資料 3> 外務省
 
人権外交
【日本の基本的立場】

1. 国連憲章第1条は、人権及び基本的自由の尊重を国連の目的の1つとして掲げ、また、1948年に世界人権宣言が採択されるなど、国連は設立以来、世界の人権問題への対処、国際的枠組における人権保護・促進に取り組んでいました。日本は、アジアでの橋渡しや社会的弱者保護といった視点を掲げつつ、国連の主要人権フォーラムや二国間対話を通じて、国際的な人権規範の発展・促進をはじめ、世界の人権状況の改善に貢献してきています。

2. 国際社会の人権問題に対処するにあたっては、我が国は以下の諸点が重要であると考えています。

(1)すべての人権及び基本的自由は普遍的価値である。また、各国の人権状況は国際社会の正当な関心事項であって、かかる関心は内政干渉と捉えるべきではないこと。

(2)人権保護の達成方法や速度に違いはあっても、文化や伝統、政治経済体制、社会経済的発展段階の如何に関わらず、人権は尊重されるべきものであり、その擁護は全ての国家の最も基本的な責務であること。

(3)市民的、政治的、経済的、社会的、文化的権利等すべての人権は不可分、相互依存的かつ相互補完的であり、あらゆる人権・権利をバランス良く擁護・促進する必要があること。

(4)我が国としては、「対話」と「協力」の姿勢に立って、国連等国際フォーラム及び二国間対話等において、我が国を含む国際社会が関心を有する人権問題等の改善を慫慂するとともに、技術協力等を通じて、必要かつ可能な協力を実施する。


<追記 2> ムバラク氏が「大統領に留まる」意思を10日夜表明して僅か数時間後に、辞任を余儀なくされた背景には、氏を支えてきた軍内部に、特に、民衆デモと接している兵士レベルと、最高軍幹部との間に亀裂が生じていたことが擧げられる。更には、軍司令部内部で内部対立が起こり、最終的に「ムバラク支持派」が敗北したのであろう。民衆に「銃口を向ける」ことは、結局排除された。
                                  (2011.02.12)

<追記 3> ムバラク「前大統領」の総額約5兆9400億円に上ると見られる海外資産について、スイスは11日、同氏の銀行口座を凍結することを発表した。以下は英国『デイリー・テレグラフ』紙が公表した原文内容である。

Hosni Mubarak resigns: Switzerland to freeze assets of ousted ruler

Switzerland has announced it was freezing assets in the country owned by newly resigned President Hosni Mubarak of Egypt.

Switzerland is freezing Hosni Mubarak's assets


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Photo: AP
By Richard Spencer, and Nick Meo in Cairo 10:22PM GMT 11 Feb 2011


The announcement, which gave no details as to what assets Mr Mubarak or his family might have in the country, will send shock waves through the presidential palaces of other Middle Eastern countries.
"The government wants to avoid any risk of misappropriation of state-owned Egyptian assets," a statement by the foreign ministry said.
Stories of Mr Mubarak's personal wealth, ranging up to wild estimates of $70 billion (£44 billion), long suppressed by state media, began to circulate among the crowds from the beginning of protests.
His family is said to own property around the world, including London, Paris, Dubai, and the United States. He is understood to have money in bank accounts in Britain, the US, and France as well as other western countries.
But the control of resources by the regime's leaders is mirrored across the region, whether through military dictatorship, as in neighbours such as Libya, or oil-funded feudal rule, as in the Gulf.



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                 シャルム・エル・シェイク

<追記 4> ムバラク氏と家族は、現在、紅海沿岸の保養地シャルム・エル・シェイクに滞在中と観測されているが、同氏が「エジプトの地で死ぬ」と大見得を切ったにも拘らず、「不正蓄財」及び、大統領として在任中の、「反体制派」拷問など「刑事事件」、更には今度の「抗議デモ」参加者の死亡事件などの「責任」を問われることは必至であり、米国・サウジアラビア政府などは、ムバラク氏を「刑事免責」の環境が備わった、ペルシャ湾岸・アラブ首長国の首都・ドバイへ「移送すること」を計画している旨、英国紙『ガーディアン』(2月11日付)が伝えている。 (2011.02.12)



<写真> The Independent, The Daily Mail, The Daily Telegraph, The Guardian
by shin-yamakami16 | 2011-02-12 03:17 | Comments(0)