世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

<   2010年 08月 ( 4 )   > この月の画像一覧

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         ルーマニア・ブカレスト空港に送られた人々(8月19日)



仏「大衆」に見るナチス的「社会浄化」の思想

                             山上 真

 フランス大統領サルコジの「暴政」については、本ブログでこれまでに度々取り上げてきたが、仏国内の「ロマ」(ジプシー)を追放して、ルーマニアやブルガリアに強制送還させるという今度の暴挙には、只々呆れ果てるばかりだ。
 しかも、フランス人の6割以上が、この措置を支持していると聞いて、この国民の「自由」の精神が一体どこに行ってしまったのかと、暗然たる思いを禁じ得ない。


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 歴史的には、インドから東欧を経て、西欧全域に移り住むようになったロマ(通称ジプシー)は、文化的に音楽などを通じて、少なくない影響をヨーロッパに及ぼして来たが、一方では、「物乞い」、「盗み」、更には、移動生活に伴う「不衛生」的生活様式故に、社会的に差別され、例えばナチス・ドイツ治下では、ユダヤ民族と共に「集団的抹殺」の対象になった。


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 サルコジ大統領が内相Brice Hortefeux 氏に命じて、「ロマ追放」という愚挙に乗り出したのは、今年7月18日に仏南東部グルノーブルで、若者グループが警官隊と衝突して一人が射殺され、50台以上の車が焼かれるなどの騒乱が続いていたことがきっかけとされているが、取締りの対象が事件と直接関係のない「ロマ」に向けられたのは、極めて異常かつ不当なものだ。仏国内の約300の「ロマ・キャンプ」を、有無を言わせず取り壊して、人々を国外に連行するという乱暴なやり方は、ヒトラー・ドイツのファッシズムを思い起こさせる。


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 仏政権の、ルーマニア・ブルガリアへの「ロマ」送還は、今年1月から秘密裏に始められ、これまでに8030人に上るという。これらの人々は、300ユーロの現金を与えられ、自発的又は強制的に航空機に乗せられて、出身地に送られている。しかし、送還先でも、差別され、厳しい生活を余儀なくされて、またフランスに舞い戻る者も少なくないようだ。


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 「域内での個人の移動自由」を唱うEUの専門委員会は、サルコジ政権に対して規定を遵守するように求めているが、「合法的手段」と主張する仏政権は、勧告を受け入れようとはしない。
 このような暴挙に出たサルコジ氏の意図は、大統領選挙での再選を目指して、30%程度に低迷する支持率を、国民の「排外的空気」を利用して一気に盛り返そうとする所にあると見られる。

 しかし、同氏の思惑は見事に外れたようだ。今度の措置については、従来から批判的な左翼ばかりでなく、保守有力者達から、厳しい非難の声が挙がっている。
 


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         「サルコジ政治」を糾弾するド・ヴィルパン前首相



先ず、保守UMPに距離を置く新党を立ち上げて、サルコジ政治に以前から仮借ない批難を浴びせているドミニク・ド・ヴィルパン前首相は、
 'Il y a aujourd’hui sur notre drapeau une tache de honte' 
 「今日、我が国の国旗は恥辱に塗れている」
と論難し、サルコジ政権が
'faute morale collective contre la République et contre la France' 
 「共和国とフランスに背く、道徳の集団的退廃の罪」を犯していると断言している。
 
 一方、サルコジ政権の前法相を務めたRachida Dati女史は、
 「社会的安全保障の議論は、もはや、この国に深い愛情を抱く全ての人々に不安を抱かせるものに過ぎなくなってしまった」と述べて、嘗て敬意を捧げていた大統領に対して、公然とした批判を投げかけている。

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 この他、ラファラン元首相、与党UMP副議長Etienne Pinte 氏らも、「過度に治安偏重化」している政治に、多数派が「沈黙せずに立ち向かう」よう訴えている。


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   パリを訪れたローマ法王ベネディクト16世とサルコジ大統領 (2008.09.13)

 与党の一翼を担って来た「キリスト教民主党」のChristine Boutin 女史も、与党との連立解消を示唆している。ローマ法王が、フランス人観光客向けに行った先日のミサで、「全ての人々にキリストの分け隔てない愛を」と説教して、暗にサルコジ大統領の「ロマ追放」手法を批判したからである。

 フランス言論界も、保守系『フィガロ』紙などを含めて、全般的に「サルコジ」批判を表明している。明らかに、国際的に承認され難い事態であるからだ。
 『ニューヨーク・タイムズ』紙(8月19日付)は、警官隊が「ロマ・キャンプ」に ’Swoop’ (襲いかかる)する、詳細な記述を掲載している。

 偏狭な「ナショナリズム」について、フランス国民が今後、どのような政治的態度と動向を示して行くのか、どの国にも通じる問題であるだけに、注意深く見守って行きたい。                                          (2010.08.26)


<追記 1>  今日26日付『リベラシオン』紙掲載の最新「世論調査」CSAに依ると、フランス国民の48% が、「ロマ・キャンプ」の解体・ルーマニア送還を支持しており、42% がそれに反対し、10%が無回答ということだ。他の調査でも、過半数の国民は、政府方針に「同意」を与えているようだ。
                                          
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             仏社会党オーブリ女史とロワイヤル女史
              
<追記 2> ラ・ロッシェルで開催中の仏社会党「夏季大学」に出席している前社会党代表Ségolène Royal女史及び,現代表Martine Aubry女史は27日『リベラシオン』紙との記者会見で、「堕落したサルコジ・システム」による「ロマ追放」を、「フランスにとっての恥辱の夏」と述べて,強く非難した。


<追記 3> 8月28日深夜の'BBC Radio 5' は、フランスでの「ロマ追放」問題を取り上げ、英国人権団体代表の、「個人次元を超えた,集団的追放ということが、重大な人種差別になる」という見解や、英国在住・ロマ団体代表の、「ロマのアイデンティは 歴史的に見れば分るように、単一ではなく、ルーマニアと現在在住の国、という形で複数的なものだ」という主張を紹介していたが、 番組司会者が、「ロマが嫌われる原因は何だ」という不躾な問いを繰り返していたのが非常に気になった。つまり、この司会者は、いかにもBBCに有りがちなことだが、明らかな「問題の責任」を、相対化して、核心を逸らす態度を取っているのだ。 (2010.08.28)



 <写真> Le Monde, Le Figaro, Libération, L’Humanité


 
by shin-yamakami16 | 2010-08-26 15:39 | Comments(0)
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居残る正規兵・私兵6万人と、未だ語られぬ「戦争責任」

                             山上 真


 この8月19日未明、イラク駐留アメリカ軍の最後の戦闘部隊がクウェートに入り、「撤退が完了」したということだ。米軍が2003年4月にイラクに侵攻してから、実に7年4か月の歳月が経過している。しかも、未だに「イラク再建を支援する」為の、5万6千人の軍隊及び数千人の私兵を残している。


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          米国正規軍に替わる Private Army ( 私兵)

 イラクでは現在もバグダッド、南部バスラなどで大規模な自爆テロが起きている。8月17日には、首都中心部の基地で新兵募集に集まっていたイラク人・兵士が自爆テロに巻き込まれて、60人以上が死亡、約100人が負傷した。この事件については、既にアル・カイーダが犯行声明を出している。
 その1か月前7月18日には、給与支給を待つ兵士が爆弾テロに遭い、39人が死んでいる。
 バスラでは、8月7日、市中心部の市場で連続的な3発の爆弾が燃料タンクを爆破して、近くに居合わせた人々43人が死亡し、185人が負傷したということだ。


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 英国『インディペンデント』紙のロバート・フィスク記者は、イラク開戦以来、度々「イラク現地ルポ」を同紙に掲載して来たが、今回の米軍撤退に当たって、大要次のような記事を書いている。

 2003年、バグダッド中心部に最初に足を踏み入れた米軍David Breeze 兵長は、フィスク記者から借りた携帯電話で、ミシガンの母にこう話しかけた。
 
 「僕は今バグダッドに着いた。数日中に戦争は終わる。間もなく母さんに会えるよ」

 しかし彼は、この「楽観的見解」を、イラク人と相談していなかった。すでに、バグダッッドに通じるハイウェーで、米軍への最初の自爆攻撃2件が、自動車に乗った警官と、2人の女性によって引き起こされていた。
 

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 このような自爆攻撃が、以後、数百件起きたし,将来も起きることだろう。
 今後共、数万の米軍は、2020年に至るまで自国を守り切れないイラク軍の新兵を訓練し、欧米の権益を守る外交官や実業家を保護する為に、駐留し続けるに違いない。
 
 ‘So say it out loud: we are not leaving.’ 「だから大声で言おう、我々は去るのではない」と。

 イラクに侵攻して作戦に参加した米国将兵は、イラクに幾つもの「疫病」を齎したのだ。
  
 *彼らはアフガニスタンから、「アル・カイーダ汚染」を移した。
 *「内戦」という病気を引き起こした。
 *イラクに大規模な「汚職」を植え付けた。
 *「アブ・グレイブの拷問」を刻印した。
 *彼らは、サダム治下で共存していた「スンニ派とシーア派を分裂」させてしまった。

 そして、いずれシーア派がこの「民主主義国」の政権を握ることになるから、米軍は、1980年から88年に掛けての、サダムとの苛烈な戦争でも、手に入れられなかった勝利を、シーア派が支配するイランに与えることになるだろう。更に皮肉なのは、嘗てクウェートの米国大使館などを襲った連中が、イラクの新政権で一役を担っていることだ。

 イラク戦争がヨルダン、レバノンなど中近東でのアル・カイーダ活動を強め、アフガンでの自爆テロを「伝染」させたことには、疑問の余地がない。

 最後に、イラク戦争で約100万のイラク人が死亡したこと、サダム時代には24時間の電力供給があったのに、やや状況が改善した今でも、バグダッドでは15.5時間しか電力を得られていない事実を指摘しておこう。

 米国が「勝利」として締めくくりたい戦争を、フィスク記者は以上のように総括している。
 英国では、多くの証言者を呼んでの「イラク参戦・経緯調査」が進行しているのに対して、米国では,何の兆候もないのはどうしてだろうか。

 オバマ大統領は、ブッシュ前大統領のイラク「戦争政策」反対を訴えて大統領選挙戦に臨んだ筈であり、又、今度の一応の「撤兵」を実行している訳であるから、イラク戦争全体の「総括」と、「戦後」についての明確な方針表明が求められる所だ。
                            (2010.08.21)


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              モスルの爆弾テロ現場(8月25日)


<追記> 8月25日付『ニューヨーク・タイムズ』紙が伝える所によれば、25日イラク南部バスラから北部モスルに至るイラク全土の、13以上の市町村で爆弾テロが起こり、数十人が死亡、警察署・軍施設などを大混乱に陥れたということだ。これは、アル・カイーダなど反政府勢力が、イラクのどこでも、大規模な攻勢に出られる力があることを示すものだという。                                                  (2010.08.26)




<写真> The Guardian, The Independent, Libération, The New York Times

 
by shin-yamakami16 | 2010-08-21 22:41 | Comments(0)



真の民主主義の為に ー「御用ジャーナリスト」の一掃を

                                   山上 真

 日本のマス・メディアが、その「素性」を根本から問われる事態が発生している。言わずと知れた「官房機密費」との、メディアの関わりの問題である。危機的と思われるのは、この重大極まる問題を紙面・スタジオから出来る限り遠ざける動きを見せているということだ。

 腐敗した政治権力ほど、真実を国民に知られないようにするべく、報道を規制したり、報道機関・当事者を懐柔したがるのは当然だが、現今「民主主義」下では、露骨な干渉をすることより、何気ない形で、メディアの筆先を鈍らせる方法を採用しようとする。この場合でも、報道する側に、客観報道を旨とするジャーナリストとしての基本的モラル・姿勢が身に付いていれば、権力を握る側から金品を受け取ることなど論外のこととされて、起こり得ないのである。
 しかし、この日本では、長年に渉って現実に起こって来たのである。
 
 調べてみると、「官房機密費」問題はすでに、2001年に国会で取り上げられていた。(注1)しかし、この段階では、メディアへの権力側のアプローチは明確になっていなかった。

 しかし最近になって、元自民党政権官房長官野中広務氏、及び、現民主党議員鈴木宗男氏、更にはジャーナリスト上杉隆氏などによって、「メディア汚職」の存在が明るみに出た。その概要は、「機密費」が、外交・情報把握などの本来の目的以外に、野党を含む政治家、評論家、記者などに、様々な名目で渡されたということだ。

 筆者がこの辺の実情の「深刻さ」を知ったのは、偶々車を運転中に聴いていた民放ラジオ(ニッポン放送・TBSラジオ)に拠ってである。そこでは、大手新聞社系ではないフリー・ジャーナリストが、「首相記者会見」の席などで、いかに既存メディア関係者が、「ことを荒立てない」ように振舞っているかを暴露していた。その上、メディア上に「記者会見」での内容を出さないような操作をしているというのだ。(注2、3)

 上杉氏らが既に手に入れているリストに依ると、「官房機密費」来歴の金品などの供与を受けている記者・評論家は数十名に上り、現在も新聞・TVなどの表舞台で活躍している人々ということだ。彼らの「良心」は一体どこにあるのだろうか。

 先日、NHK「日曜討論」などの司会者・解説副委員長の影山日出夫氏が自殺したということだが、一部報道には、「機密費」を受けたとされる三宅久之氏などと共に名が上がっている。NHKは「個人的問題」に因る自殺としているが,残された遺書も公表していない。公人である以上、概要は示すべきではないか。

 時の政権が、便宜供与によって、野党指導者を抱き込もうとしたり、客観評論・批判を原則とする立場のジャーナリストの筆先に影響力を及ぼそうとすることは、それ自体、国会の場で追及されるべきなのは当然として、言論界内部でも、ジャーナリズムの根幹が揺るがされる事態として、徹底的に究明するべきなのだが、現状は、むしろ問題の「隠蔽」の方向に行っているようだ。
 しかし、このことが世界的な報道になれば、もはや日本のジャーナリストは誰一人として信用されなくなるだろう。世界の「笑い者」である。そして日本国は、「バナナ・リパブリック」(注4)の一員という位置づけになることだろう。
                        (2010.08.14)

 
(注1)日本共産党機関紙より


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2001年2月18日(日)「しんぶん赤旗」
志位委員長質問が明らかにした
これが内閣官房機密費ヤミの工作資金の実体だ



 元外務省要人外国訪問支援室長の機密費(報償費)横領事件をきっかけに内閣官房機密費のありようが大問題になっています。外遊する国会議員へのせんべつ、悪法を通すための国会対策・野党対策……巨額の国民の税金が時の首相や内閣の党略的私的な工作にヤミからヤミへとつかわれているのではないか――。内閣官房文書という決定的な証拠を示しての、日本共産党志位委員長の衆院予算委員会での追及が大きな反響を呼び起こしています。内閣官房機密費の実態にせまりました。
だれが渡し、だれがもらったのか
歴代内閣と官房機密費
内閣発足時
の与党時期官房長官官房副長官
(政務)官房機密費
(内閣計上分)
歳出予算額
竹下自民87.11~88.12小渕恵三小沢一郎14億7000万円(87年度)
15億9000万円(88年度)
16億1000万円(89年度)
竹下改造88.12~89.6
宇野89.6~89.8塩川正十郎牧野隆守
海部1次89.8~89.8山下徳夫志賀節
89.9~90.2森山眞弓藤本孝雄
海部2次90.2~91.11坂本三十次大島理森15億8000万円(90年度)
15億7000万円(91年度)
宮沢91.11~92.12加藤紘一近藤元次15億5000万円(92年度)
宮沢改造92.12~93.8河野洋平14億9000万円(93年度)
細川日新・社会・公明・民社・さきがけ・社連・改革93.8~94.4竹村正義鳩山由起夫15億円(94年度)
羽田新生・公明・民社・自由・社連など94.4~94.6熊谷弘北村直人
村山自民・社会・さきがけ94.6~95.8五十嵐広三園田博之15億1000万円(95年度)
村山改造95.8~96.1野坂宏賢
橋本第1次96.1~96.11梶山静六渡辺嘉蔵15億1000万円(96年度)
橋本第2次自民・社民・さきがけ96.11~97.9与謝野馨15億1000万円(97年度)
橋本改造97.9~98.7村岡兼三額賀福志郎15億1000万円(98年度)
小渕自民98.7~99.1野中広務鈴木宗男
上杉光弘
小渕第1次改造自民・自由99.1~99.1015億1000万円(99年度)
小渕第2次改造自民・公明・自由99.10~00.4青木幹雄額賀福志郎
松谷蒼一郎
森第1次自民・公明・保守00.4~00.7青木幹雄額賀福志郎
松谷蒼一郎16億2000万円(2000年度)
注)2000年度は当初予算
森第2次00.7~00.10中川秀直安部晋三
上野公成
00.10~00.12福田康夫
森第2次改造00.12~01.1
森 省庁再編01.1~



欧米にない、だらしなさ
元明治大学学長 岡野加穂留さん
 いまから十一年ほど前に『政治改革』(東洋経済新報社)という本を出版したが、この中で今問題になっている「内閣官房報償費」をとりあげたことがある。「政治とカネ」をめぐる欧米と日本の実態を調査、比較したものだが、そこでぶつかったのが「報償費」といわれる「機密費」だった。
 内閣官房にその概念を直接ただしたところ、「国の政策立案のために弾力的に使うもの」との回答だった。しかも領収書もいらないし、だれに使ったかもわからない、会計検査院のチェックもいらないし、官房長官の判断だけで使えるという。時の内閣がどのように使っていたのか、リストの提出を求めたが、それも断られた。
 つまり「報償費」というのは概念規定もなく、長期政権与党である自民党が勝手きままに、恣意(しい)的に使ってきたカネだ。欧米の国を調べたが、当たり前だが勝手に使えるカネというものはない。一円であっても、国民の税金は税金だ。「報償費」の存在そのものが、日本の政治のだらしなさ、倫理観の欠如を示している。
 問題なのは「報償費」というわけのわからないカネが日本の政治を動かしているということだ。国会対策費として使われたことも指摘されている。共産党以外の政党は「報償費」の恩恵に浴していたことも明らかになっている。国会に自己改革能力がないことの証(あかし)ではないか。
 この仕組みを断ち切るためには、与野党入れ替えの政権交代が必要だ。なぜならそれは前内閣のやり方を引き継ぐ必要がなく、過去の政権のしがらみに包囲されることがないからだ。だが、日本には野党らしい野党は少ない。現住所は野党であっても、本籍が自民党という野党が多い。宗教団体が本籍の政党もある。
 「官房報償費」がある限り、日本の政治の近代化は遅れる。しかも、カネによって権力が動かされる――KSD事件も森首相のゴルフ会員権問題もそうだが――ことは、民主政治にとって見逃すことができない問題だ。



機密費とは
領収書不要。使途も支出先も明かされず
 機密費というのは、「報償費」の名称で計上されています。戦前、法律で会計検査の対象からはずされ、使途がほとんど不明となっている「機密費」の系統をひくものです。
 政府は、「報償費」について、「国が国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するため、当面の任務と状況に応じ、その都度の判断で最も適当と認められる方法により機動的に使用する経費」(政府答弁書、昨年十月十七日)と説明しています。
 使途も、支出先の証明や使用目的の公開も不要の予算です。領収書もいらず、何に使われたのか、国民にはいっさい明らかにされないヤミのお金です。政府は、国会で問題にされるたびに「報償費」の説明をくりかえし、「(行政遂行に)支障を生ずることとなるため、具体的な使途等は公にしないこととしている」(政府答弁書)と使いみちの公表を一貫して拒否しています。
 計上額は、二〇〇〇年度予算で、内閣官房報償費は十六億二千四百万円(内閣情報調査室分含む)。外交機密費は、外務本省分が十九億千六百万円、在外公館分三十六億五千万円(政府開発援助報償費含む)で、総額五十五億六千五百万円以上にのぼります。
 他の省庁でも、防衛庁二億千三十九万円、皇室一億九千七百万円、警察庁一億三千七百五十万円、法務省二千三百五十六万円など、それぞれ計上されています。金額面では、官房機密費、外交機密費は際立っています。官房機密費の計上額は、実は表むきで、その倍額以上を外務省分にもぐりこませ、「上納」させている疑惑がもたれています。
会計検査も形だけで事実上ノーチェック
 日本国憲法は、第九〇条で「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し…」としており、各省庁は、計算書や領収書など証拠書類を会計検査院に提出します。しかし、機密費は一応は会計検査院の検査対象になっていますが、証拠書類を会計検査院に提出する必要もなく、取扱責任者が手元で保管。会計検査院の調査官による実地検査の際に、使用目的などを説明するだけとされています。実地検査では記録もとりません。
 このため、今度の事件で横領の原資となった官房機密費についても、首相外遊の際に、随行員の宿泊費差額にあてられていたことも、会計検査院は「承知していなかった」(石野秀世第一局長、十五日の衆院予算委)。事実上ノーチェックであることが明白になっています。

官房長官経験者は語る
「共産党は呼んでも取りに来ない」
 官房機密費は何に使われているのか、渡す側、もらう側でいったい何があったのか――。官房長官経験者が注目すべき証言をおこなっています。「野党対策に使った」「せんべつを受け取る人は与野党問わない。だが、共産党は呼んでも取りに来ない」など…。これらの証言から浮かんでくるのは、巨額の、国民の貴重な税金が領収書のいらないヤミ金、政治工作資金として党利党略でばらまかれているという恐るべき実態です。
宇野内閣の官房長官 塩川正十郎氏(自民党衆院議員)
 「(官邸の金庫に常時入っているのは)私が官房長官のときは四、五千万円ですかね。…足りなかったら…入れてくれている。だいたい、百万円単位で袋に入れてあります」「(機密費を)野党対策に使っているのは事実です。現ナマでやるのと、それから、まあ、要するに一席設けて、一席の代(金)をこちらが負担するとか」(一月二十八日放映テレビ朝日系サンデープロジェクトで)
細川内閣時に8カ月間官房長官をつとめた 武村正義氏
 「(官房長官に就任したとき金庫は)空っぽでした。現金も領収書もその他の書類もいっさいありませんでした」「…私の責任で執行したのはおそらく八億円前後の金額ではなかったかと思います」(一日付で配布された文書)
宮沢内閣の官房長官 河野洋平外相
 (官房長官の時期に国会対策、あるいはせんべつに内閣機密費を使ったことがあるか、との日本共産党の志位和夫委員長の追及にたいし)「報償費の使い方を申し上げるということは適当ではない」と指摘を否定せず(九日、衆院予算委員会)
村山内閣の官房長官 野坂浩賢氏
 「最も多い使い道はせんべつだ。国会議員が海外視察に出かける時に渡した」「せんべつを受け取る人は与野党問わない。だが、共産党は呼んでも取りに来ない」「(長官だった一九九五年八月からの約五カ月間に)三回ほど与野党の国会対策委員会幹部に渡したことがあった。法案通過だったか難しい政局を乗り切ろうとしてだ。一回当たり計五百万円ぐらい。金で解決するのかと矛盾を感じたが、実際には効果があったのとなかったのとが半々だった」(「朝日」一月二十六日付)
その他にもこんな証言が…
 田中真紀子元科学技術庁長官(自民党衆院議員) 「あのとき(村山内閣)も100万円持ってきた。私は(科技庁長官として)国の仕事でオーストラリアに行って(国際原子力機関の総会で)演説をやらせてもらったり、ハワイに行ったりしたんですが、そのとき必ず100万円持ってくるんです。それをお返しすると、今度、官房長官自身が、『田中さん、受けとってもらわないと困る』と言いに来た」(『週刊現代』二月二十四日号)
 「ある自民党関係者」の話 「(外遊する国会議員へのせんべつについては)面識も薄い野党の議員は来づらい。こちらから事務所に茶封筒でお届けすることもあったが、あやまって共産党議員の部屋に届けてしまい、突っ返されたという笑うに笑えない話もあった」(『週刊朝日』九八年四月十日号)



消費税の“生みの親”──88年に5億円、89年に5億円
 日本共産党の志位和夫委員長が九日の衆院予算委員会で突きつけた官房機密費についての内閣官房文書は、森内閣に大きな衝撃を与えました。「報償費について」と題されたこの文書には、いったい何が書かれているのでしょうか。
外務省から内閣へ「上納」
実際には2倍以上に
内閣官房が作成
 文書はA4判で、「内閣」名の入った用箋(ようせん)を使った手書きの文書が三枚、ワープロ打ちの文書が二枚(別紙A、B)の計五枚。別紙には、「平成元・5」と記されています。平成元年(一九八九年)五月に内閣官房が作成した文書というわけです。
 八九年五月といえば、竹下登内閣から宇野宗佑内閣への政権移行の時期で、官房機密費の引き継ぎのために作成されたことをうかがわせます。

引き継ぎは機密費だけ
竹下登氏(佐藤内閣時)
 「昔の機密費、いまで言えば報償費。報償費というのは…やはり官房長官の専権事項だね」「極端にいいますと、内閣官房長官の引き継ぎ事項は、これだけなんです。新長官には(報償費が)これだけあります、と引き継ぐ」(『政治とは何か―竹下登回顧録』)
 内閣官房機密費には外務省予算計上分もふくまれている――文書には、こんな衝撃的な事実が記されています。
 「官房長官が取り扱う報償費は、予算上、内閣官房と外務省に計上されており、形式的には外務省計上分を内閣官房に交付する形をとっている」
 重大な疑惑とされている外務省からのいわゆる「上納」を明確に裏付けています。
 その結果、「官房長官の取り扱う報償費の額」は、本来の官房機密費の倍以上にふくらんでいます。
 文書には八三年から七年間の「報償費の推移」が書かれており、八九年度でいえば内閣分十三億円、外務省分二十億円の計三十三億円です。
 外務省機密費の「上納」については、「内閣の機密費が多すぎるという批判をかわすために別建てで予算要求、実質的には機密費の増額をはかってきた」(毎日」九三年八月八日付)という指摘もあります。
 国会で議決した予算を、行政が勝手に流用していたとすれば、行政が国会を欺いていたことになり、財政法にも反する重大問題です。
「税制改正」へ特別の扱い
「円滑実施」でも異例措置
 内閣文書には、官房機密費が党略的につかわれた重大な事実を示す記述があります。
 「昭和63年度分については5億円(内閣分1億、外務省分4億)が増額されているが、これは税制改正のための特別の扱いである。更に平成元年度についても、引き続き同様の額を計上しているが、これも新税制の円滑実施等の事情によるものであり、異例の扱いである」
 昭和六十三年(八八年)といえば、竹下内閣が「内閣の命運をかける」として、国会の反対を押しきって消費税の導入を強行した年、翌平成元年(八九年)は消費税が実施された年です。「税制改正」(消費税導入)と、その「円滑実施」のため、二年間で十億円も特別に増額したというのです。いったい何に使ったのか――。
 八八年当時、自民党は消費税導入に加え、折からのリクルート疑惑の発覚で、国民の厳しい批判をあびていました。そこで、力をいれたのが、消費税強行と疑惑隠しのための「野党対策」でした。同年前半の通常国会では「日本共産党をのぞく」自民、社会、公明、民社各党の国対委員長会談が二十三回もおこなわれました。
 「消費税国会」(第百十三臨時国会、七月)召集も、消費税導入のための特別委員会設置も自社公民幹事長・書記長会談での「合意」でした。
 社会党は最終段階でこそ、日本共産党とともに牛歩戦術を展開するなど抵抗姿勢を示しましたが、公明、民社両党は二度にわたる会期延長や採決に協力、消費税導入に加担しました。当時のマスコミは、「成立にこぎつけた決め手は何だったのか」「公民両党の協力、これに尽きる」(「毎日」八八年十二月二十五日付)などと報じました。
 増額された官房機密費が消費税強行のための「国会対策」に流用されていたことは、当時の状況に照らしても明らかでしょう。
89年4月18日に1億円
そして消費税予算は通った
 別紙Bの欄外には、手書きでこう書かれています。
 「※元・4・18 100百万円」。
 この日、八九年度増額分五億円のうち、一億円が「官房長官予備費」から使われたのです。
 平成元年(八九年)は、リクルート疑惑がいっそう広がりをみせ、消費税強行への批判も重なって、内閣支持率は四月に入ると、一ケタ台に落ち込みました。
 このなか、自民党は消費税実施を盛り込んだ予算の成立を急ぎ、四月十二日には衆院予算委員会を単独で強行開会。これに野党が反発し、国会は空転(審議がとまること)しました。
 自民党は同月十七日に政府・与党首脳八者協議を開き、対応を協議。野党が要求していた中曽根元首相の証人喚問要求の拒否と連休前の予算案の衆院通過を確認しました。その翌日の四月十八日、内閣官房長官の機密費一億円がドーンと支出されたのです。
 一週間後の二十五日には竹下首相が予算成立を条件に退陣表明し、それを契機に自社公民各党が国対委員長会談で審議再開を合意。消費税実施予算成立へレールが敷かれました。
 この間、自社公民各党は国会内外で密室協議を繰り返しました。自民党の「国対費」ともいうべき「組織活動費」からも、大金が引き出されました。
 この時期、機密費が国会対策、野党対策に使われていたとしたら、まさに「消費税の“生みの親”は機密費」(志位委員長)ということになります。



マスコミの報道から
「公明議員を接待 請求書は官邸に」
 消費税法案が強行された当時について雑誌『VIEWS』(九四年二月二十三日号)は「自民党国対族議員」の証言として次のように報じています。
 「消費税成立のために官房機密費から支出されたお金は数億円にのぼったでしょう。“公民”の合意をとりつけるための野党対策費としてです。私は公明党担当として、公明党の議員を接待したんです。官邸からは、『飲み食い(の請求書)は全部官邸に回すように』『車代は“一本”(百万円)を4つの封筒にわけて用意してあります』という連絡をうけていました。消費税成立の間際のこのときが、もっとも(官房機密費が)激しく乱舞したんじゃないかな」
 また同誌は内閣官房職員の証言として次のように書いています。
 「88年12月某日早朝…官邸事務所長は、本来なら小渕恵三官房長官が執務する机に二つの大きな風呂敷包みを無造作に置いた。…首席参事官のおざなりな確認作業を待って、事務所長は金庫を開く。庫内にはすでに数百万円しか金は残っていなかった。下段の桐の箱には内閣文書のほか国会審議中の重要書類がある。事務所長は上段の引き板を引き出し、慣れた手つきで(八千万円の)金を整然と積み上げていった。わずか数分の作業ののち引き板は金庫内奥へと押しやられた。官房機密費は竹下政権が命運をかけた税制改革法案成立に重要な役割を果たすためにこうして充填されたのである」



官房機密費1億円が支出された89年4月に何があったのか  
3・30 自民「国対費」官房長官に1000万円
4・1 消費税施行
  4 小此木建設相が国対委員長時代、社会党にパーティー券200万円渡したと暴露
  6 自民「国対費」幹事長に2000万円
  12 自民、衆院予算委員会を単独開会、国会空転
  13 自民「国対費」国対委員長に1000万円
  14 自民「国対費」幹事長に2000万円、経理局長に500万円
  17 政府与党首脳8者会議、国会運営方針を協議
  18 官房機密費1億円支出
  21 自社公民国対委員長、幹事長・書記長など密室協議
  25 竹下首相が予算成立後の退陣表明。これを受け、自社公民国対委員長会談で中曽根元首相の証人喚問を棚上げし、予算委の審議再開で合意
  27 自民、衆院予算委員会で予算案を単独採決
  28 自民、衆院本会議で予算案の採決強行

(注2)ブログより

TBSラジオ《官房機密費問題》上杉隆氏「該当者でない人を探すのが困難」、久米宏氏「貰っている人が多過ぎるのが第一の問題」
http://www.asyura2.com/09/hihyo10/msg/765.html
投稿者 shimbi 日時 2010 年 7 月 31 日 16:17:38: ibnpLFktmKXy6

2010年7月31日放送のTBSラジオ「久米宏ラジオなんですけど」における上杉隆氏と久米宏氏の話を一部書き起こしました。同番組での上杉氏出演箇所の音声全編をHEAT2009さんがアップしてくれており、下記URLから入り聞くことができます。当該個所は5:35あたりからです。
http://twitter.com/HEAT2009/status/19971269712
(書き起こしここから)
上杉:官房機密費の問題は、そういうふうに、受け取った人の認識が、マスコミの人が、ないことがやっぱり問題なんですよ。
というのも取材をしていて本当にびっくりしたのは、当たり前のように貰う人が多過ぎるんですよね。多過ぎるために、取材していたら、この官房機密費、国民の税金ですけど、とにかく出るわ出るわ、最初リストを取ったときに20人ぐらいだったのが、やってみると、該当者じゃない人を探すのが難しくなってしまって、それでいま大混乱になっているという。この大混乱をどうやって説明したら。
久米:その、あまり表沙汰になんないというか、あまり取り上げるところが多くないというのは、あまりにも貰っている人が多過ぎるっていうことが第一の問題なんですけど。
(書き起こしここまで)


(注3)ブログ「日々坦々」2010/08/11(水) ご参照下さい


(注4)「バナナ・リパブリック」(バナナ共和国)
 元来、バナナを単一栽培している中南米の小国を指す言葉であるが、欧米では、民主主義未確立の「独裁国家」を意味する蔑称として用いられていることが多い。
by shin-yamakami16 | 2010-08-14 12:56 | Comments(0)
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     26万9446人に及ぶ原爆死者を悼む広島・元安川「とうろう流し」(8月6日)




待たれるアンチ「拝米・保守(自民・民主)」の新「革新連合」構築

                              山上 真

 今日、広島への原爆投下から65年目の「平和記念式典」が行われた。今年は、国連事務総長、米国大使が列席するという新たな動きもあった。しかし、日本を取り巻く環境は相変わらずで,実質的には殆ど進歩が見られない中での「原爆記念日」となった。


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 素晴らしかったのは、秋葉広島市長の断固たるメッセージ、即ち日本政府が「核の傘」を離脱して、核兵器全廃の先頭に立って闘うことを求めたことである。これに対して、菅首相が式後の記者会見で、「核抑止力」維持を表明していたが、「核全廃」に向かって努力するという自己の主張と矛盾することに気付かないのだろうか。



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      初めて「平和記念式典」に出席した「米国代表」ルース大使


 米国オバマ大統領は、去年4月にプラハで「核なき世界」を訴えたが、その後の米国の動きは、「北」朝鮮、イランとの緊張関係を強め、むしろ核戦争の脅威を高める方向へと進んでしまった観がある。世界の核問題を解決する為には、膨大な数の核兵器を現有する米国が先ず徹底した削減・廃棄に踏み出さねばならないのに、それをせず、小国の「核問題」に拘泥してばかりいるのは滑稽極まることだ。核大国の「エゴ」が、世界中の核拡散を助長している現実を直視するべきだ。


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 極東では、「韓国艦爆沈」が「北」の犯行だと断定する米国・韓国の主張に日本政府も無批判に乗っかって、どうにも身動きが取れない状況に陥っているが、この間にも、「米国の核攻撃」の脅威を理由とする「北」の核開発が何らの支障もなく進んでいることは重大だ。拉致問題にせよ、核問題にせよ、「北」との直接交渉か、六か国協議の場しか解決に導く方法がないのに、日・米・韓三国は、中国の「協議」再開提案を受け入れようとはしない。どうしてかは、やはり、次の理由によることが最も説明し易い。

 韓国艦事件について、病状回復したキューバのカストロ元議長が、「近代艦が容易く『北』魚雷で沈められる筈はなく、米・韓演習中に誤認攻撃で起こった事故に因るものだ」と公の場で語ったが、それに対する米国側の「反論」が聴こえて来ないのはどうしてか。独自に調査をしたというロシアは、唯一の物証とされる魚雷エンジンの「古さ」などを指摘して、米韓の主張に疑問を呈している。中国も、当初から同様の態度だ。
 一方、事件への一切の関与を否定する「北」は、事件直後から、代表団派遣を申し出て、「再調査」を提起しているが、米韓側は、それに応じようとしなかった。

 国連安保理が、「北」を名指し非難できなかったのは、この辺の「分からなさ」があったからだろう。米韓両国が、中・ロ、出来れば「北」を含めた「再調査」を何故受け入れなかったのか、大いに疑問が残るところだ。

 結局のところ、「北」の「危険性・脅威」を示す実例として、この事件を最大限に援用しているのが、沖縄の軍事基地維持を固執する米国政府と、「北」への強硬姿勢を合理化する韓国「李明博政権」、それに、「辺野古」案復元に立ち戻った菅政権である。米国の「核の傘」に頼る姿勢、言い換えれば,米国の「核抑止力」を是認する姿勢の為の恰好の材料が、「韓国艦爆沈」事件だったことになる。


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   広島原爆で親族を失ったTsuyuko Nakaoさん(92歳)とKinuyo Ikegamiさん(77歳)
   

 「民主・国民連立政権」が米国の核抑止力に依存し、その軍事基地固定化を基本政策とすることが明白になった以上、 日本の永久なる平和を願う人々・勢力は、積極的にアンチ自民・民主の強力な連合を組まなければならない。既に沖縄では、知事選挙に向けて、社民・共産・社会大衆党の共闘が成立している。この原型を,全国各地に拡げるならば、拝米「保守連合」を克服できる一大勢力を築き、日本の進路を大きく変えることが可能である。特に、社民・共産両党の責任は重大である。「日米安保」の廃棄又は抜本的改変で一致できる以上、大同団結して真の平和を願う国民一般の期待を担うべきである。
                        (2010.08.06)



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                2度被曝の山口彊さん


<追記 1> 8月7日夜のNHK Hi-Vision及び8日朝7時のNHKニュースで、広島・長崎「二度被曝」の山口彊さん(今年1月逝去)の生前の「反核・平和」活動を特集していたが、聊か遅きに失していた観はあるものの、原爆投下問題を正面から捉えた,立派な番組であった。山口さんが亡くなる直前に会った米国キャメロン監督が約束した映画製作の結果が期待される。また、父の遺志を受け継いだ長女・年子さん(62歳)が積極的に活動を始められたことに感動を覚える。      
                                   (2010.08.08)


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              「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」 

<追記 2> 8月9日の長崎原爆「平和祈念式典」で、田上市長は、秋葉広島市長と同様に、日本政府に対して、「核廃絶」の為の具体的努力と、「核の傘」からの離脱を強く求めた。更には、最近始まった「日印原子力協定」交渉について、NPT(核不拡散防止条約)未加盟の核武装国インドに協力することは「到底容認できない」と強く批判した。また、今年5月のNPT再検討会議で、核大国(米露英仏中)が、核軍縮の期限設定に反対した姿勢を糾弾した。    (2010.08.09)




<写真> The Guardian, The Independent, Libération, The New York Times,
     The Washington Post
 
 

 
by shin-yamakami16 | 2010-08-06 22:42 | Comments(0)