世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

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             事故処理中の福島第二原子力発電所

先ずは「浜岡原発」の廃棄を

                             山上 真

 
 福島の原子力発電所の事故は深刻さを増すばかりだ。昨日は放射性「ヨウ素」131基準量の数千倍、今日は恐るべき「プルトニウム」検出といった具合だ。

 各国メディアは、日本技術者の「決死的な」努力にも拘らず、又、日本政府の「やや楽観的な見通し」にも拘らず、破滅的な結末へと確実に近づいていることを指摘している。


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 日本史上未曾有の「原子炉」災害は、広範な人々の生活全体を破壊し、地域農業、漁業に深刻な打撃を及ぼしており、更には、世界的と言っても過言でない海洋・大気汚染を引き起こすに至っている。このところ連日、アイルランド・西欧・米国西海岸などから、人工的「放射性元素」の検出の知らせが届いている。

 あれ程信頼され、珍重されさえしていた日本食品が、中国・ヨーロッパなどの海外市場で閉め出されている始末だ。電器製品など工業製品さえ、「放射能残留」を理由に、受け取りを拒否されるようだ。
 その損害は、文字通り量り知れない。
 

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 1970年代から『プルトニウムの恐怖』(岩波新書)などで「原発」の危険性を説き、その廃止の為に生涯を捧げた高木仁三郎氏のような存在は、財界・マス・メディアなどの「原発安全神話」という圧倒的宣伝の中で、一般社会では殆ど無視されて来た。青森県六ヶ所村・核燃料再処理事業に対する反対運動はかなりの盛り上がりを見せたが、2007年の「敗訴」で一区切りとなった。現在は、山口県「上関原発」建設・反対運動が地元民を中心にして闘われている。 しかし、近年「化石燃料」による「地球温暖化」問題が急速にクローズ・アップされた所為もあり、「核燃料の方が合理的」というデマゴギーが世界的に罷り通るようになるにつれて、「原発」反対運動は、被爆国日本でさえ、その正当な地位を与えられなかった。商業TVでは、「原子力の日」などというイカサマ宣伝が臆面もなく繰り返されて来た。公共放送機関NHKでも、「原発」の存在に「異を唱える」番組には、先ずはお目にかからなかった。数日前のBS1番組では、財界トップが主宰している「21世紀政策研究所」の澤某を登場させて、長々と「原発」肯定論を述べさせている始末だ。


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     3月20日渋谷での「反原発デモ」(筆者はBBC Radio 5で初めて知った)



 事故の危険性に加えて、「原発」の手に負えない側面は、「使用済み核燃料」をどう始末するかという問題である。この「放射性廃棄物」は大量のウラン・プルトニウムを含んでおり、数年間は「貯蔵プール」で冷却するしかない。大津波で冷却装置が破壊された「福島原発」でも、ここで問題が起こっている。この危険な「放射性廃棄物」問題が解決されないまま、各国で建設が進んでいるのが現状だ。

 日本の場合と較べて、早くから強力な「原発反対」運動の盛んなドイツ・英国・フランスなどでは、日本での「事実としての」大事故を見て、ますます運動は高揚しており、各国政府は軒並み、「原発推進」見直しを表明している。今のところ、「チェルノブイリ」に懲りないロシアだけが、何の変更もなく「原発推進」を宣言し、これまた「懲りない面々」の多い日本の財界を喜ばせている。

 この「福島原発」大事故・未処理の最中、定期点検中だった静岡「浜岡原発」3号機が操業再開を決めたという。ここは、想定されている「東海地震」の中心という地理的条件から見て、おそらく日本で最も危険な「原発」と言っても過言ではないだろう。その「原発」に操業を許す政府を許してはならない。
 管政権が「原発・見直し」と言うのであれば、先ず最も危険なものを排除してゆくのが当然ではないか。
 
 余談になるが、今日3月31日、急遽来日したフランス・サルコジ大統領が菅首相と会談したという。サルコジ氏が「空爆」で支えているリビア反政府勢力が、カダフィ政府軍の反撃に遭って「潰走」している最中という「只ならぬ」状況の中での同氏の「遠い国」への来訪は、恐らく「只ならぬ」動機からだろう。日本・管政権が、途方もない「原発事故」に狼狽して「原発見直し」の方向を示しているのを見かねて、全エネルギーの70%以上を原発に依存するフランスの指導者としては、「原発・放棄方針」は有り得ぬことを日本指導者に告げ、更には、「原発・維持」を説得したのではないだろうか。もし、日本が「原発離れ」の方向に行けば、フランスでも近い将来、確実に「原発廃棄」の世論が克つことになるからだ。こうなると、仏・産業政策は根本から変わらなければならなくなる。

 来年度予算の中で「原発・立地対策費」500億円を組んでいた菅政権が、今度の「原発」事故を契機にして、一転して「自然エネルギー」重視の方向を示唆したことは評価されるべきだが、エネルギー政策転換の為には、産業構造・商業活動・生活様式の根本的変革が欠かせないだろう。例えば、TPPに加入して自動車「輸出量No.1」を競ったりせず、商業TVなどの無駄に近い広告・「浮薄」番組などを止める一方、TV放映「休止・時間帯」を設けたり、無数の「電気食い」自動販売機をほぼ無くすといったドラスチックな「革命」が必要と思われる。 (2011.03.031)




<写真> The Times, The Guardian, Libération, Chinanews.com
by shin-yamakami16 | 2011-03-31 22:52 | Comments(0)
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           2011.03.19 仏軍機によるリビア地上爆撃



またも英・仏・米の「正しい戦争」論

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 3月21日、エジプト・カイロを訪れていたバンキムン国連事務総長は、例の「革命広場」として有名になったタリール・スクエアに面した「アラブ連盟本部」前で、リビア・カダフィ大佐の写真を掲げて支持する数百人に2度に渉って取り囲まれ、警察・軍の介入によって漸く現場を脱した。


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   カイロ・Tahrir Squareで「カダフィ支持」の群衆に囲まれるバンキムン事務総長


 事務総長は、国連安保理で漸く採択した「リビア・飛行禁止空域」設定、及びリビアで19日開始された欧米・軍事行動を支持する立場を、この日、かねてから「市民一般を巻き込んでいる危険性」を危惧して軍事介入に反対するムーサ事務局長などに説明したばかりであった。

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                英国「トルネード」爆撃機


 3月19日午後に始まった仏・英・米空軍機、トマホーク・ミサイルなどによるリビア爆撃は、ご多分に漏れず多くの民間人犠牲者を出している。リビア当局が発表する所によれば、死者60人以上、負傷者数百人という。いくら精密な兵器といえども、「イラク」を見れば分かるように、誤爆は避けようがない。それを知っていながら、このような無謀な戦争に踏み切るのが、サルコジ・キャメロン・オバマという、比較的若く、戦争の実体を知らない「愚か者」たちなのだ。


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              米国「トマホーク」巡航ミサイル発射


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 今度の「リビア戦争」は、「カダフィ独裁」に反対する「反乱側」を先に主権「承認」したサルコジ仏政権と、それに引っ張られるようにして同調した英・米が主導する軍事介入であり、いかに「市民擁護」の恰好を取ろうとも、合理化は無理なものだ。だからこそ、中国・ロシアばかりでなく、NATOのドイツ・スペインなど、多くの国が「不同意」に回っているのだ。アフリカ53か国・地域で構成される「アフリカ連合」は、リビアへの軍事介入に明確に反対している。
 すでに英国内で、強力な市民「反戦運動」が始まっている。これからは、カイロでの「事件」に示されるように、欧米諸国の「干渉」に反対する運動が、アフリカ・アラブ世界全体に広がる可能性がある。


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               何を「妄想する?」サルコジ

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            2011.03.20 フランス「県議会選挙」結果


 フランスでは、この戦争が、次期大統領選挙を控えて、不人気に悩むサルコジが「支持挽回」を意図して「仕組んだ戦争」という見方が有力になっている。しかし、この「浅智恵」が巧く運ぶ様子はない。昨日20日行われた「県議会選挙」で、サルコジ与党UMPは完敗した。    (2011.03.21)


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                 米空軍最新鋭機 F-15E Eagle


<追記 1> リビアに対する「欧米連合軍」攻撃3日目の21日夜、米空軍機F-15E Eagleが作戦中、ベンガジ近郊で「墜落」し、脱出装置で機外に出たパイロット2人は無事米軍救助隊に「回収」されたという。米軍当局は同機が撃ち落とされたものでなく、「機械的原因」で墜落したと発表しているが、英国メディアが早速大々的に報道している所を見ると、「連合軍」にとって衝撃的な事実に違いない。仮りに、英国元首相ブレア氏が、「リビアの石油」と引き換えに供与した「対空ミサイル」で撃墜されたとなると、事は決して小さくない。                (2011.03.22)          

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        リビア東部「反政府軍・拠点」ベンガジ近郊・米軍機の残骸

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<追記 2> リビアへの軍事介入を許した「国連決議1973」をめぐって、ロシアが拒否権を発動せず、「棄権」に回って採択されたことを、プーチン首相が激怒していると伝えられている。同氏と、メドヴェージェフ大統領のNATO戦略に対する「協調的」態度との違いが表面化したということだ。これは、プーチン氏の大統領選への再立候補を促すことになり、更には、欧米へのロシア外交路線の根本的変更に繋がる可能性がある。このように、この度の「リビア戦争」は、「イラク」とは違った意味で、世界的インパクトを生み出しかねない「重大性」を持つと考えられる。 (2011.03.22)


<追記 3> 3月22日付の『ロサンジェルス・タイムズ』紙は、ベンガジ近郊での米機墜落事件について初めて 'downed' という英語を使って、F-15E 機が「撃墜された」ことを示唆した。これまでは、英米などのどの新聞・メディアも 、米軍当局発表通りに 'crash' (墜落)という用語を使ってきた。
 なお、この米軍機乗員2人を救出の際、米海軍機などが、パラシュートで降下した乗員に迫ってきた軍用車を「敵味方」判別つかぬまま爆撃し、また、付近の村から近づいて来た人々を機銃掃射して、6人以上が死亡・負傷したという。米軍はこの情報を否定している。    (2011.03.23)

<参考資料> The TRIPOLI Post 紙 (2011.03.23)

US Military Denies Shooting on Civilians
23/03/2011 10:52:00

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Civilians inspect the wreckage of the US fighter plane

Despite reports to the contrary, the American military has denied that US forces shot and wounded civilians during a rescue operation near Benghazi to pick up two crew members after their warplane crashed.

Britain's Channel 4 News reported that at least six villagers were injured when US Marines came in with "all guns blazing" to extract the pilots. Earlier, The Telegraph website also reported that six locals "were believed to have been shot by a US helicopter during his rescue".

The United States Africa Command would only confirm that a US F-15E Strike Eagle fighter jet crashed in Libya and that the two crew members were rescued. But a US spokesman categorically denied any civilians were injured by US weapons fire in the rescue operation.

A reporter by the name of Lindsey Hilsum who was at the scene of the crash, said the US helicopter came in and opened fire on Monday night, local time, as villagers were handing over one of the downed pilots to local rebel forces.

The reporter also quoted a man by the name of Omar Sayd, described as a military policeman, telling him: "We are disturbed about the shooting because if they had given us a chance we would have handed over both pilots."

In Benghazi, one of the injured villagers, who was in a hospital bed, said that local people had been giving a "party" for the crew when they were fired on.

Their F-15E Strike Eagle jet was on a mission on Monday night when it crashed outside Benghazi due to mechanical failure, not hostile fire, US spokesman Vince Crawley said.

Channel 4 news said that the pilot and a weapons officer were aboard the fighter jet. Both ejected safely, but suffered minor injuries.

The pilot was rescued by the US helicopter soon after crash landing and opposition rebels recovered the weapons officer, taking "took good care of him" before coalition forces picked him up some time later.

Details of the incident remained sketchy. The crash was the first known setback for the international coalition during three days of strikes authorised by the United Nations Security Council.

Early reports said the pilot was rescued by rebels opposed to Libyan leader Muammar Al Qathafi.


<追記 4> 3月26日付仏『ル・モンド』紙は、一週間前に開始された仏・英・米など連合軍の「リビア攻撃」について、フランス国内で厳しい批判が湧き起こっていることを伝えている。その大要は、「いい加減な口実と準備でサルコジが始めた戦争は、『民主主義』をリビアに導入するどころか、出口の無い混沌状態を現出させ、大量殺戮を一層助長させる恐れがある。西側諸国の 'Double Standard'(二枚舌)基準は、スーダン「ダルフール」問題には介入せず、石油のあるリビアに軍事介入するという形に表われている」ということである。 以下に原文を添えさせて頂きます。

L'intervention en Libye critiquée sur le fond et sur la forme

LEMONDE.FR | 25.03.11 | 19h56 • Mis à jour le 26.03.11 | 12h31

Fallait-il intervenir militairement en Libye dans le cadre d'un mandat international ? En France, l'intervention de la coalition fait l'objet d'une sorte d'"union sacrée". Mais, depuis quelques jours, les critiques de l'intervention commencent à faire entendre leur voix. Revue d'arguments.

L'opération n'a pas été assez préparée. Avant même que les avions français n'aient décollé, l'Allemagne expliquait qu'à ses yeux, une solution militaire "est risquée et dangereuse" et que "les conséquences peuvent être imprévisibles". C'est sensiblement le même argument qu'avaient fait valoir certains des cinq pays qui se sont abstenus lors du vote à l'ONU (Brésil, Russie, Chine, Allemagne et Inde).

Au sein même des Etats qui ont défendu cette intervention, le consensus devient plus fragile à mesure que l'opération militaire dure. En France, où le débat parlementaire a eu lieu trois jours après le premier tir de missile, une très grande majorité de la classe politique a défendu la décision du gouvernement. Tout en mettant en garde contre le "retournement des opinions arabes" et l'hypothèse d'"une forme d'enlisement du conflit", le patron des députés socialistes, Jean-Marc Ayrault, a préféré critiquer le ministre de l'intérieur, Claude Guéant, qui avait parlé de "croisade". Seul le Parti communiste a refusé "de mêler [ses] voix à l'unanimisme béat et aveugle qui rassemble autour du président Sarkozy et l'entrée en guerre de la France".

Aux Etats-Unis, Barack Obama doit se justifier devant l'opposition républicaine, qui dénonce une guerre dont les parlementaires n'ont pas pu débattre, mais aussi face à l'aile gauche du Parti démocrate, qui rejette une nouvelle intervention militaire contre un pays musulman après les invasions d'Afghanistan et d'Irak. Sont notamment remis en cause le coût de cette guerre, la nature du commandement militaire, géré dans un premier temps par Washington, et l'absence de toute stratégie de sortie, ainsi qu'un manque de clarté et de communication de la part de M. Obama.

L'intervention déborde du cadre de la résolution 1973. C'est le reproche qui est fait par de nombreux pays qui ont, dans un premier temps, accepté cette intervention. Le fait que la résolution adoptée au Conseil de sécurité de l'ONU soit floue quant à l'utilisation de la force par la communauté internationale a entretenu une certaine confusion, y compris au sein de la coalition. Ainsi la Ligue arabe, qui dans un premier temps a approuvé le recours à la force lors du sommet diplomatique à Paris, le 19 mars, a très vite critiqué les bombardements. "Ce qui s'est passé en Libye diffère du but qui est d'imposer une zone d'exclusion aérienne, et ce que nous voulons c'est la protection des civils et pas le bombardement d'autres civils", a expliqué son secrétaire général, Amr Moussa. Un éditorial du Monde se fait l'écho de ces préoccupations d'interprétation, estimant que face aux "doutes et critiques [qui] se font déjà entendre [...] le mandat international doit être respecté à la lettre, sans extravagances verbales ni appels guerriers au renversement de régime".

La coalition agit pour les mauvaises raisons. C'est l'argument employé par l'ex-président de Médecins sans frontières, Rony Brauman. Sur France Inter, il a dénoncé la volonté de vouloir "installer la démocratie et un Etat de droit avec des bombardiers. [...] A chaque fois qu'on a essayé de le faire, non seulement on a échoué, mais le remède que l'on prétendait apporter a été pire que le mal. Des interventions destinées à prévenir des massacres, j'en ai vu d'autres, elles ont gelé la situation, et les massacres qui se sont produits ultérieurement ont été pires."

Un argument qui est quelque peu relativisé par une chronique d'Alain Frachon dans Le Monde. "En 1991, les Etats-Unis ont protégé le Kurdistan d'Irak des divisions de Saddam Hussein. A l'abri de cette zone de protection aérienne, les deux grands partis kurdes d'Irak ont d'abord commencé par régler des comptes à la kalachnikov et au lance-roquettes. Puis ils ont scellé un accord politique, organisé des élections, et, année après année, cher Rony Brauman, ils ont fait de cette région la plus sûre, la plus démocratique et la plus prospère d'Irak. Cela a pris du temps."

Plus virulent, le directeur de la rédaction de Mediapart, Edwy Plenel, met directement en cause Nicolas Sarkozy, qui aurait fait de cette "manœuvre guerrière" un "calcul politicien". "On nous opposera, bien sûr, la fin justifiée qui en relativiserait les moyens : abattre un dictateur, venir au secours d'insurrections populaires, protéger des populations civiles... Or, ce n'est ici que l'habillage de circonstance d'une guerre inventée pour oublier et pour persister : faire oublier la compromission, persister dans la domination", écrit-il. Il en veut pour preuve que les convictions de M. Sarkozy vis-à-vis du régime de Mouammar Kadhafi ont radicalement changé en quelques années, comme son attitude envers les révoltes arabes s'est métamorphosée en quelques semaines. "Après un silence aussi dédaigneux qu'embarrassé, sa première réaction face aux soulèvements démocratiques qui firent tomber ses deux amis Ben Ali et Moubarak, piliers officiels de son Union pour la Méditerranée, fut de crainte et de peur", rappelle Edwy Plenel.

La Libye, mais pourquoi pas un autre pays ? Pourquoi intervenir militairement en Libye pour sauver un peuple menacé de mort, mais rester sans rien faire quand des situations similaires se déroulent dans d'autres pays ? Ainsi Jean-Christophe Ruffin, ancien ambassadeur à Dakar et ex-président d'Action contre la faim, s'interroge dans une tribune au Monde : "Nous menons une guerre humanitaire. Nous attaquons un régime en vertu de la conception que nous nous faisons de la dignité humaine. Bravo. Mais ce principe est-il applicable partout ? Doit-il fonder notre politique étrangère et guider toutes nos décisions ? Devons-nous nous préparer à agir demain en Syrie, au Yémen, en Algérie ?", pointe-t-il, avant de s'étonner que le "fameux 'droit d'ingérence' (...) triomphe paradoxalement à l'heure où son concepteur [Bernard Kouchner] a quitté le ministère des affaires étrangères...".

Le blog Fact Checker du Washington Post se demande, lui, pourquoi ce concept d'ingérence humanitaire ne s'applique pas au Darfour, région meurtrie du Soudan que Barack Obama avait pourtant priorisé au début de son mandat. "Prenez le cas de la province du Darfour, écrit le journaliste Glenn Kessler. Le Soudan est frontalier de la Libye, et son président, Omar Al-Bachir, est devenu le premier chef d'Etat en exercice à être poursuivi pour génocide (...). La tragédie au Darfour est un conflit au ralenti, contrairement à la très rapide guerre civile en Libye, et requiert potentiellement de différents outils. Mais le conflit du Darfour n'a pas disparu, malgré la rhétorique de campagne d'Obama lorsqu'il affirmait qu'il 'ne comptait pas abandonner des peuples ou ignorer des massacres'. Un jour, ces mots peuvent revenir le hanter."

Luc Vinogradoff


<写真> Le Figaro,Le Monde, The Daily News Egypt,The Daily Mail, The New York Times
by shin-yamakami16 | 2011-03-21 23:46 | Comments(0)
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「人災」核事故を「小さく見せる」管政権・メディア

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 日本の東北・東関東地方を、3月11日、とてつもない地震と大津波が襲った。

 この日午後2時過ぎ、筆者は偶々千葉県東部のホーム・センターに居た。木材などの資材売り場を歩いていた時、突然ガタガタと屋根が音を立て始めて、同時に自分の身が揺らぐのを感じた。辺りには幾人か人が居て、最初は何事か気づかない様子だったが、異常に長引く震動に驚いて、漸く騒然となった。

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 普通の地震ならば、1分位で収まるものだが、この場合は、全く異なっていた。最初の大きな揺れから数十秒毎に、激しい震動が繰り返された。

 揺れが少し収まって、店員・客が集まっている家電売り場のテレビを見ると、このマグニチュード8.8の地震の震源は仙台沖合であることを知った。その後地震規模は9.0という未曾有の数字に修正されたが、震源地から400キロも離れた所での斯くのごとき揺れを体験し、改めて「震源地・東北」の被害の大きさを想像して怖れた。

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 この後二階駐車場の車に戻って、暫く様子を見ようとしている間も、下から突き上げる激しい震動に、車がひっくり返るのではないかと怖れる様な状態が続いた。ラジオのニュースで、この辺り沿岸も数メートルの津波が襲う恐れがあることを知り、ともかく帰宅を急ぐことにした。

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 途中の交差点の信号は停電で機能していなかった。普段は無い渋滞が始まっていて、特に東京方面に向かう車の動きは滞っていた。道沿いの店舗はどれも照明を失っており、レストラン・コンビニなども閉店の様子に見えた。「大地震」後一時間も経ていないのに、正に異常な風景になっていた。


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 日を追って被害の全容が明らかになりつつあるが、死者行方不明は1万6千人以上、損壊家屋10万という空前の規模である。地震後一週間を経て、数十万の人々が追い打ちをかけたような降雪の寒気の中に生きて耐えねばならない。

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 地震・津波という不可避的な自然災害に加えて、原子力発電施設「機能不全」による放射能被害という人災が人々を苦しめ、その「原子炉・炉心溶融」事故の「普遍的重大性」が世界中の関心事になっている。「人智を超える」規模の大津波が、核施設の冷却装置という付属施設を押し流してしまったことが原因だという。


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 その建設に当たってきた人々は、地震対策は万全だったという言い訳をしているが、今度の事故で分かるように、原子炉冷却施設が不可欠であるからには、その保全を充分に考慮して、津波対策を完備しておくことは当然だった筈である。「何せ想像外の大津波だったから」では済まされない。

 「炉心溶融」という事故は、米国「スリーマイル島原発」(1979年)、ロシア「チェルノブイリ原発」(1986年)事故を思い出させ、原爆体験を持つ日本人には「核と放射能」という殊更悲劇性を帯びた事件として受け止められざるを得ない。

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 この核事故が起きてから、当事者の東京電力は言うまでもなく、日本政府及び監督官庁の経済産業省は、出来る限り事故を過小に見せるように努めていた。当該原発の放射能測定値が公表されているものより遥かに高いことを、災害救助に当たっていた米軍ヘリの乗員によって指摘される始末であった。危険を感じた米国艦は、「事故原発」から遠ざかるべく北上したという。

 米国オバマ政権は事故発生当初から、原子炉冷却機材などの提供を含む援助を日本政府に申し出ていたが、菅首相は、原発「廃棄」を怖れる東京電力側の意を酌んで、断ったということを『読売新聞』(3月18日付)が報じている。大型ヘリからの「海水注入」の策も米国側の再三に渉る要請を受けてのものだった。

 事故の「深刻さ」を国際的に評価する値も、例えばフランスの原子力専門家が今度の日本原発事故について早くから「レベル6」としているのに、日本原子力・保安院は今日18日、漸くこれまでの「レベル4」から「レベル5」に引き上げたという。これは、折しも来日中のIAEA事務局長天野氏が菅首相に会って、「情報公開をきちんとするように」求めた後のことだ。


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 こうした後ろ向きの日本政府・社会の状況に対して、災害そのものの過酷さに立ち向かう日本人の「強靭さ」を称えつつも、批判的な見方が強まっている。「福島原発」の周辺30キロ「危険域」を米国・英国など幾つかの国々は、80キロ圏に拡げており、フランスなどは、日本そのものからの仏人離日を勧めている。実際のところ、成田空港では、帰国する外国人が列を為しているという。
 こう見ると、日本は「魅力的な国」どころか、自然災害に加えて、人為災害に鈍感な、「危険な国」というイメージを抱かれ始めているのかも知れない。

 我が国の現状を「手前味噌を並べて」肯定的に伝えていることが多いマス・メディアの責任は大きい。発足前は慎重だった管政権が「原発推進」路線に転じ、更には企業・財界の意を受けて、インド・ヴェトナムなど海外に原子力施設・資材を輸出することにまで及んでいても、メディアは何ら批判めいたことを口にしなかった。今更、新聞がその社説で、原子力「安全神話の崩壊」などと書いても、もう遅過ぎるのだ。

 原子炉から放射能が漏れて、重大事態が生じている今でさえ、TV報道では「大したことはなく、安全だ」などという、意識的に「呑気な」言動をする「学者・評論家」を多く登場させている。「事故原発」から少しでも遠く離れて、幼子を守ろうとしている人々の「苦しい心」を嘲弄することは許されない。                             (2011.03.18)


<写真> Le Monde, Le Figaro, The Times, The Daily Mail, The New York Times
by shin-yamakami16 | 2011-03-18 22:39 | Comments(2)
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          3月9日リビア Ras Lanuf 爆破された石油施設


民衆蜂起に「武力弾圧」は、今日でも有効か?

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リビア情勢が日々変化している。戦闘はトリポリ南西部・ベンガジ西南部で激しく続き、政府軍側の空爆も頻繁になっている。当初、反政府勢力が圧倒するかに見えたものが、次第にカダフィ政権側の優勢が目立った形になっている。

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                 3月8日リビア Ras Lanuf

首都トリポリ西部の都市Zawiyah、東部のMisratah は事実上政府軍に陥ち、反政府軍の拠点ベンガジ西方の石油積み出し基地Ras Lanufは、政府軍の空爆を受けて機能停止に陥っている。この他、幾つかの石油積み出し港が機能を失っているようだ。

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 反政府勢力は政権側の空爆で、重火器などの武器庫を破壊されている上、小銃の取り扱いも侭ならない状態で、到底政府軍の正規部隊に太刀打ち出来る筈がない。食料・物資供給も滞っており、持久戦に耐えられるかどうか。

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 反政府勢力の「国民評議会」(ベンガジ)は、NATOに対して、’No Fly Zone’ をリビア上空に設けて、カダフィ空軍の作戦を妨害するように要請し、現在、英仏首脳が「国連安保理」に決議案を提出する準備を進めているが、中・露両国が反対する意向を示した上、米国も作戦の実行性に疑念を抱いており、国連での採択は難しいだろう。リビアとの関係が深いイタリアなども軍事作戦には慎重であり、NATO内部での結束も怪しい。カダフィが去年まで議長を務めた「アフリカ連合」加盟国の多くも、欧米諸国の「リビア介入」には反対のようだ。

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   リビアでの「調停」を申し出るチャベス・ベネズエラ大統領(写真は2006年5月)

 ここで、リビアに於ける「反政府勢力」の実体が何物かという問題が残っている。リビアは石油が豊富である一方、人口が少ない為に、アフリカで最も裕福な国の一つに数えられている。国民一人当りの GDP は、2010年の場合、12,062ドル(US$) であり、先に革命が起こったエジプトの一人当りGDP 2,771ドル(US$) を遥かに引き離している。どうも、「貧困」だけが民衆蜂起の原因ではなさそうだ。
 反政府運動がカダフィの*「緑の書」プレートを破壊する行動から始まったことでも分かるが、その反政府勢力には、「反カダフィ独裁」の人々のほか、イスラム保守主義・アルカイーダ・中央政府に不満を抱く地方部族分子などが合流しているものと考えられる。例えば、「カダフィ主義」が社会主義的平等を唱えて、「イスラム原理」に背く女性の権利尊重を掲げていることが、甚くイスラム保守・原理主義者を刺激していることは間違いない。カダフィ空軍に対する ’No Fly Zone’ を欧米諸国が設けることを、サウジアラビアなど「湾岸諸国」が支持している現象は興味深い。


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           「内戦リビア」から脱出した黒人労働者たち


 リビアでの「内戦」に由り、数十万に上る外国人労働者が国外に緊急に脱出する運命になった。その多くは近隣のエジプト・チュニジアなどの出稼ぎ労働者であるが、アフリカ中・北部の黒人、更には、3万人以上の中国人などが含まれている。国境周辺に逃れた彼らの多くが、「反政府勢力」のデモ隊による略奪などの被害に遭ったことを訴えているのは、彼らがリビア政府関係企業で働いていたからだろうか。英国紙によれば、「反政府勢力」デモ参加者には、露骨に「黒人差別」を口にする者が見受けられたということだ。

 リビアでの情勢を見ていると、「平和的デモ」が武力を行使する運動に転化した時(或は、転化させられた時)、中央政府の正規軍に直面して、如何に多くの血を流さなければならないかということである。その圧倒的武力に対抗する為には、結局外部勢力を引き込まねばならず、更に一層大きい規模の混乱を招くことになる。

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               3月8日サウジ軍動員開始

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 この3月11日(金曜日)には、サウジアラビアで大規模な「反サウド王政」デモが呼びかけられており、政府側は既に、「武力弾圧」を公言している。夙にマス・メディアでも大きく取り上げているように、ここでリビアのような動乱が起きた場合、世界一の原油産国での混乱が及ぼす影響は量り知れない。このイスラム保守王国での政権の行方は、現今進行している「中東革命」の総決算となることだろう。
 サウジ政府は「シーア派数万人」規模のデモが予想される首都リヤド・東部港湾都市Dammam などに約一万人の戦闘部隊を配置し始めているという。サウジには、米国中央軍第3軍を始めとする多くの軍事基地・施設が置かれており、バーレーンに続いてサウジの国家機能が麻痺することになれば、米国の「中東戦略」は根本的に崩れることが予想される。        (2011.03.09)



<注> *「緑の書」:中国・毛沢東の思想に影響を受けたリビア指導者・カダフィの著書(1975年初版)。「人民の権威」・「社会主義」・「世界第三理論」の三部から成る。資本主義を否定し、アラブ民族主義に基づく社会主義を唱え、全人民の出席による「直接民主主義」を提起している。
 


<追記 1> 3月9日の 仏'TV5 Monde' の「反政府デモ」映像 が示すところによると、デモ集会の数カ所で 'No Foreign Military Intervention!' (外国による軍事干渉反対!)というプラカードが掲げられていた。これは、「カダフィ打倒」を叫ぶ勢力の中に、カダフィ空軍機に対する、NATO軍による「飛行禁止空域・設置」要求という基本路線をめぐっても、大きな意見の対立があることを露呈している。        (2011.03.10)


<追記 2> 10日フランス政府はリビヤ・ベンガジを拠点とする「国民評議会」をリビアを代表する正統政府として、世界で初めて承認した。また、『ル・モンド』紙によると、仏政府はリビア空軍を無力化する為に、標的を絞った空爆をすることを検討中ということだ。    (2010.03.10)


<追記 3> サウジでの反政府デモは、政府側の圧倒的軍事力に完全に封じられたようだ。情報が殆ど得られない状態だ。


<追記 4> バーレーンでも情勢が大きく変わった。先ず3月15日、1,000人と約200台の装甲車などを擁するサウジアラビア軍がバーレーン・Riffa地区に進攻した。その翌日、数百人のバーレーン政府軍は、戦車・ヘリなどを使って、「真珠広場」の反政府勢力を暴力的に一掃した。これにより、2人以上の死者と多くの負傷者が出たようだ。更には16日から17日にかけて、反政府勢力代表者6人が警察当局によって逮捕された。                       (2011.03.18)


<追記 5> リビアでは、カダフィ軍が反政府勢力最後の拠点ベンガジを一両日中に制圧する構えに至っている。国連安保理は漸く'No Fly Zone'決議を採択することになったが、賛成10に対して、中ロ・ドイツ・ブラジルなど5か国が棄権に回る不安定な決議だ。カダフィ政府が事実上実効支配している国家への「軍事的干渉」がどこまで許されるか、フランスなど西側諸国は難しい選択を迫られている。                                 (2011.03.18)


<写真・資料> The Independent, Le Monde,The Daily Mail, The New York Times
by shin-yamakami16 | 2011-03-09 18:59 | Comments(0)