世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

<   2011年 12月 ( 4 )   > この月の画像一覧

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              一機99億円 「F35 ステルス機」


憲法「九条」に立ち返ることが「最も確かな安全保障」
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 今日12月20日正午のNHKニュースは、野田内閣が自衛隊次期戦闘機・機種選定で、米国ロッキード・マーチン社製「F35・ステルス」機に決定したことを伝えた。発注機数は42機に上るという。その理由は、性能面と、艦船などとの機動能力で優れているからだという。

 このニュースの解説者は、購入費が膨大なものに上り、財政厳しい中、国民への説明が必要」と述べたが、整備費含め総額1兆6,000億円にも達すると見られる具体的な数字公表を「控えた」のは、例のNHKの「政権への思いやり」だろうか。

 今度の「F35」選定は米国政府の強い要請を受けたものである。日本の次期戦闘機については、先に英国キャメロン首相からも、電話に依る野田首相への、「ユーロファイター」選定を望む働きかけがあったのであるが、結局、米国との「同盟関係」を重視する立場が決定的であった。これで、野田政権は、膨大な税金を使って、米国と、三菱グループを中心とする軍需産業に利益を保証することになった。

 しかし、表向きは、台頭する中国、ロシア、更には「北」朝鮮の「脅威」を強調することによって、重武装を正当化する手に出ている事は、最近の自衛隊の動き、即ち、北海道駐留の重戦車部隊を九州に移送するという派手な作戦などを見れば一目瞭然である。これらは、沖縄の米軍事基地問題と表裏の関係にある。

 今年度末には890兆円に及ぼうとしている国家「財政赤字」の「危機」を訴える野田「民主」は、年金減額、消費税・所得税増税、生活保護費の支給対象厳格化など、国民生活のあらゆる面で「国民の犠牲」を求める一方、米軍への年額1858億円もの「思いやり予算」を計上、自衛隊の潜水艦など艦船の増強を謀り、今度は、途方もないF35発注ということである。

 率直な疑問として、斯くのごとき「自衛軍」の増強によって、何を目指しているのか、という事である。上記のいずれの兵器も、過去の日本軍隊が実戦で用いたものよりも強力な兵器であるが、これらを用いて、本当に戦争をするつもりなのか?その先に何を予期しているのか?
 おぞましい大平洋戦争の「戦禍」を議員諸候は忘れてしまったのか?

 日本がいかなる国とも交戦することがないことを約束した「日本国憲法」が現存する以上、武力に依らず,飽くまで「平和的交渉」によって、領土問題などを解決することが、最も賢明である事は、正気な人なら誰でも分かることだ。それが、最も「安上がりな」国家の安全保障であることも。

「民主」党よ、こうした国民無視の政策を決める度毎に、多くの選挙民の心が離れて行くことを忘れるな。  (2011.12.20)

                  <追記>
1. 昨日、野田首相が、「金正日氏死去の報に急遽、予定されていた演説を取り止めた」という19日の「民主党・新橋演説会」の様子がどんなものだったか知りたくて、You Tube のヴィデオ映像を見たが、とんでもないことが起こっていた。「反民主党のプラカを持っていると隔離」と題するヴィデオを見ていると、「民主党のスター」蓮舫女史が演説を始めている頃、「民主党は地上から無くなりますように」と「野田政権は早く終りますように」と書かれた、160cm x 40cm 程のプラカードを両手に持って掲げた二人の男性が、俄に現われた黒っぽい背広姿の男たち十数名に押されて、抵抗空しく、会場外の駅方向に連れ出された。二人が駅の建物壁面まで追い詰められた途端,今度は、20人程の制服警官が「背広組」に取って代わり、彼らを身動き出来ないように、押し込めたのである。その間、二人は何とか「プラカ」を掲げながら、「これが民主日本か?」などと叫びつつ,抗議し続けていた。その内に、普通の小さい「プラカ」に「嘘、あなたの言葉全てが風評だ」と書いたものを掲げた女性一人も、先程と同様に警官隊に囲まれ,「隔離」された。こちらも、「これ、日本なの!みんな,助けて!」などと激しい抗議をしていた。後で分かった事だが、最初の「背広組」は民主党議員警護の SP のようだ。つまり,彼らは、警視庁と協議の上で、演説会参加者の中の「目障り」な人物たちを「隔離」したことになる。「民主」党の正体が、こんなものとは!流石に、このヴィデオのコメント欄には、昨日の550程度から,今日の12,819に至るまでの「視聴者の声」が殺到しており、その多くが、例えば、「明らかにSP、警官隊の職権乱用。民事訴訟で勝てます」とか、「これが民主党が政権を握る民主国家・日本か?空恐ろしい」などというものだ。 (2011.12.21)

2. 上記の件であるが、当日は、右翼グループの「日の丸」や、民主党政権の公約違背を糾弾したり、「反原発」・「反TPP]・「反消費増税」などのプラカードが林立していたが、先述の「プラカ」が特に周囲に「危険なもの」という風には思われず、明らかに恣意的かつ重大な「表現の自由・弾圧」事件だ。「大正・昭和初期」時代の風景に近い。ところが、この現場に居て,目撃していた筈のマス・メディア関係者が、言論人として、どのような適切な態度を取ったのか定かでない。少なくとも、ざっと見渡した所、この「言論弾圧事件」についての記事・報道は一切見つけられなかった。如何に自社が「政府寄り」と言えども、「言論・表現」の仕事に携わる者としての矜持を持って、公明正大な報道をするべきだろう。それが無ければ、「言論の死」と言う外ない。 (2011.12.21)

3. 民主党の小沢一郎氏が、大阪新市長橋下某と会って、「古いものを壊して」と言い、地方政治などの面での協力を確認したという。しかし、橋下が「君が代」を教育現場に強制する「憲法違反」行為など、古風な「ファッシスト」的人事管理を行っているのを承知で、小沢氏が「持ち上げ」ているとしたら、これ程ご自身を損なう行為はない。小沢氏が、これまで、立派な政治観や外交観を吐露してきただけに、ここに至って、石原某と同じく、「選挙に勝った」だけの「非国際的非常識」ナショナリストと組んだことは、返す返すも残念である。そうした小沢氏に「反省」が無いとしたら、有為なる民主党「反執行部」諸公は、小沢氏の動向に関係なく、独自の「新党結成」に踏み切ることが期待される。それを、多くの国民が待ち望んでいるに違いない。 (2011.12.21)

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  「八つ場」ダム建設・継続に抗議して「離党」を表明した民主党・中島政希氏

4. 「民主」党の、自ら立案した「マニフェスト」踏み倒しは、愈々「佳境」に入った模様だ。この23日、野田「民主」は、「コンクリートから人へ」という一枚看板を下ろし、「八つ場ダム・中止」の従来の方針をひっくり返して、ダム建設「継続」を決めたという。呆れ返ったものだ。このダム建設の根本問題、即ち、建設地盤の「脆弱さ」・水質の「酸性強度」などの根本問題はどうしたのだ。膨大な費用の点でも、国土交通省の「シナリオ」は妥当かなど、充分な論議が尽くされていないままだ。しかし、強引な政権運営に対して,漸く見識派が 'No' を突きつけ始めたようだ。今日の『毎日』・『東京』新聞に依れば、長らく,地元前橋で「やんばダム」問題に取り組んできた衆議院議員・中島政希氏が、ダム建設再開・決定に抗議して、「民主」党・離党の意思を固めたという。中島氏は、「脱原発」などの立場で,幅広く活動されている人だ。今後,更に多くの民主・議員諸公が、「公約」を踏みにじった恥知らずな「野田」執行部に見切りを付けて、新党結成に踏み切ることが切に望まれる。(2011.12.24)

5. 漸く「民主」党の離党と新党結成の動きが本格化した様だ。党がマニフェストを「反古にした」ことに抗議して、昨日28日、衆議院議員内山・渡辺(浩)・豊田・斉藤・中後・石田・三輪・小林・渡辺(義)の選挙区・比例区に跨がる議員諸公9人及び、横峰参議院議員が、離党届けを提出したという。こうした、消費税「10%増税」の「ラッパ吹き」藤井らの企てを無効にしてしまう行動は、直接的に国民の利益に沿うものとして、高く評価されるだろう。更に多くの「民主」議員諸公が、好機を逃さず、新党結成に馳せ参じることが期待される。(2011.12.29)


<写真> Wikipedia
by shin-yamakami16 | 2011-12-20 17:59 | Comments(0)
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贖罪されるべき旧日本軍「戦争犯罪」

                                 山上 真

 この17日,日本を訪れる韓国李明博大統領は、過去数十年来、両国間に刺さったままの「棘」である「従軍慰安婦」問題を、野田首相に提起することになったという。これは、韓国国内世論の「雰囲気」を反映したものであろう。

 この「難題」は、つい数日前、突如としてソウル・日本大使館前に現われた「少女像」によって、改めて韓国のみならず、世界的なメディアが注目する所となった。旧「日本帝国主義」の素性を暴露する契機として、改めてクローズ・アップされたのである。

 椅子に何気なく座った少女のブロンズ像は,一見した所,その背景に余り多くを物語ることのない様に見えるのだが、実は、第二次世界大戦当時、朝鮮を支配下に置いていた日本軍が、兵士に慰安を与える目的で、当時の朝鮮人婦女を「強制的に」拉致又は騙して「性的奴隷」状態に陥らせたことに抗議して、この度、その被害者支援団体が設けたものである。

 日本の「盆暗」官房長官藤村某は14日、この「少女像」を、「遺憾だからどけてくれ」と韓国政府に要求したが、朴外交通商省次官は「碑は日本側の責任ある問題解決と名誉回復を求める被害者らの切なる思いを反映したもの。慰安婦問題の窮極的解決の為の日本側の誠意ある決断を求める」と述べて、当面、日本要求に応じない考えを示唆したということだ。

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 既に90歳に近い被害者たちと、彼女たちを支えている人々は、訴えを起こした1992年以来,毎週水曜日に、日本・韓国を始め世界各地で集会やデモを続けてきたのだが、この14日には、「1,000 回」目の集会が開かれ、霞ヶ関の外務省を1,300人の「人間の鎖」で取り巻いた。又,その時間に合わせて、ニューヨークで開かれた集会では、元慰安婦の方や、ホロコースト生存者など百人が出席して、同市議会議員のトニー・アベラ氏が、「従軍慰安婦という深刻な人権侵害に対し、日本政府は必ず謝罪すべきだ」と述べたという。

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 英国 'BBC World’ は、昨日のニュースでかなり詳しく、日本大使館前「少女像」の周りに集まった千人程の人々の「抗議の声」を紹介していたが、注目されたのは、現地韓国人ばかりでなく、少なからずの欧米女性の姿が見られたことである。彼女たちはメディア関係者ばかりではなさそうであった。

 フランス 'TV5 Monde’ でも15日朝、BBC よりも一層詳しく、旧日本軍や当時の慰安婦の映像を織り込んで、ソウルでの「少女像」前集会を取り上げており、日本の「戦後処理」は未だ終っていないと結論づけていた。

 こうした活発な報道と較べて、日本のメディアは、僅かに『朝日』・NHKの事実報道と、『産経』が右翼の立場から、「在りもしない慰安婦問題」として、韓国での動きを「全面否定」しているのを除けば、民放TV 、大新聞『読売』なども殆ど無視の態度を取っているのはどういうことか?
 野球選手の「海外移籍」の事を大きく報道する時間があるなら、少なくとも過去の日本の歴史に関わる問題の事実報道を「定時ニュース」で行うことは、報道機関としての義務ではないか。

 世界中で報道されている日本関係の「歴史的事実」や「醜聞」を、日本国内でいくら「闇に葬って」知らせないようにしても、「無知な」日本人が海外に出て行って「恥を掻き、苦境に陥る」だけであることを思えば、「手前味噌」を並べるだけの報道が如何に罪の重い行為であるかを銘記するべきだ。  (2011.12.15)


                    <追記>

1. 今日19日正午頃、「北」朝鮮・金正日総書記が「視察中の列車の中」で急死したという大ニュースが流れた。日本メディアでは、「北」の諸問題の中でも、「日本人拉致」問題の行方に焦点を当てているのに対して、欧米メディアは「核開発」問題に絞っている。後継者とされる三男・金正恩氏はスイスに*留学経験があって、西側の社会・生活を少しでも知っているだけに、「変化」への期待は可能だが、「独裁」下と言えども、集団指導体制が避けられず、極めて緩やかな方向転換が図られて行くに違いない。  (2011.12.19)

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                安置された金正日総書記の棺

*<注> スイスのベルン国際学校にバク・ウンという偽名で北朝鮮大使館から通学していたと言われているが、NGO「国際人権協会」のフィリップ・ホーによれば、金正恩がスイスで通っていたのはローザンヌ大学で、フランス語が堪能の他、中国語・ロシア語・ドイツ語・英語も理解すると言われる。日本語は、漢字の書き取りをしており、母が在日朝鮮人であるため、例えば「東京ディズニーランド」に行ったとか、日本マンガを好んだという話もある。ー(Wikipedia)


<写真> BBC News, Los Angeles Times, Libération

               <参考資料>

1. 米国12月15日付『ロサンゼルス・タイムズ』紙 「韓国・日本大使館前で慰安婦問題の再結集」
 ー「韓国の老婆たちは数百人の支持者たちと共に、ソウルの日本大使館前で、この70年間事態が変わらない戦争犯罪について、東京の政府に対する抗議を毎週続けて1,000回目を記録することとなった」

In South Korea, a landmark sex-slave rally at Japan Embassy

The old South Korean women, with hundreds of protesters shouting support outside the Japanese Embassy in Seoul, mark the 1,000th successive weekly protest against Tokyo for a 7-decade-old war crime.

By John M. Glionna, Los Angeles Times

December 15, 2011

Reporting from Seoul

The old women, this time with hundreds of demonstrators shouting their support outside the Japanese Embassy in Seoul, on Wednesday marked the 1,000th successive weekly protest against Tokyo for a 7-decade-old war crime.

The women's demands remained unchanged: Punish surviving members of the Imperial Japanese Army responsible for taking an estimated 200,000 young Korean women as sex slaves during World War II and pay governmental reparations.

Those who fell victim to the Japanese military as young women, who during the war were called "comfort women," are still seeking closure.

"You took away our soldiers but that wasn't enough," 85-year-old Kim Bok-dong shouted at the embassy under drizzly gray skies. "And then you took us young girls to become your slaves."

The crowd roared its approval, with a band decked out in traditional Korean costumes banging drums and clanging cymbals. About 1,500 people jammed into a narrow downtown street and shouted anti-Japanese slogans. Some workers in the embassy peeked out windows.

The elderly activists, often referred to individually as halmoni or grandmother, began their protests in 1992. President George H.W. Bush was in the White House. South Korea had only recently become a democracy.

That year, 234 Korean women broke decades of humiliating silence, emerging to acknowledge that they once had been sexual victims of the foreign soldiers. Each week, a few of the most able ones staged noontime banner-waving sessions within view of Tokyo's red-bricked embassy. Five participated in Wednesday's rally.

For these women, the eldest a sprightly 91, the passing years have brought frustration. Often, Seoul residents hurrying about their days ignored the women's Wednesday protests. But the women would not give up: They sweated through Seoul's steamy summers and bundled up against snow squalls during the cruel winter months.

"No matter how bad the situation got, or how bad the weather, I never wanted to quit," said Kang Il-chul, 84.

Over the months, 100 protests passed, then 500. Some women traveled to Washington to testify before the U.S. Congress. Still, they contend, their demands for justice went unanswered.

In 1995, Japan's prime minister offered to establish a $1-billion victims fund. The women rejected the overture because the money came from private donations and not the government.

The women know time is running out. This week, another former comfort woman died of declining health, bringing the year's death toll to 16. Today, they number just 64, with some living at a House of Sharing established by philanthropists.

Kang vowed to fight on. "I have seen many of my fellow victims of sexual slavery die over the years of struggle," she said. "I cannot stop this. I will fight until the day I die."

On this day, the women unveiled a life-size bronze rendering of a young girl about the age they would have been when they were taken as slaves. They left it across the street from the embassy, so Japanese officials would think of them each time they looked out.

The women said they placed the statue with the South Korean government's support. But the Japanese were irked by the move.

Japanese Chief Cabinet Secretary Osamu Fujimura called the statue "extremely regrettable," according to news reports. The topic would be unavoidable at a summit scheduled this weekend in Japan between Prime Minister Yoshihiko Noda and South Korean President Lee Myung-bak, Fujimura said.

South Korea's Foreign Ministry said it relayed a complaint by Japan about the statue to the protesters.

Taxi driver Choi Hyung-soo said he did not expect the women's protests to make much difference.

"I respect what these women are doing," he said. "But the Japanese are just turning their heads. They're waiting for these women to die off."

john.glionna@latimes.com
by shin-yamakami16 | 2011-12-15 21:40 | Comments(0)
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               「地球温暖化」に抗議する人々

「存在意義」を根本から失った「民主」党

                            山上 真

 先日、南アフリカ・ダーバンで始まったCOP17(気候変動枠組み条約締結国会議)での日本代表・細野環境相の演説を聴いて我が耳を疑った。彼は、「日本は今後、京都議定書・延長に加わるつもりはない」ことを国際舞台で宣言したのである。その「離脱」の理由は、米国・中国・インドといったCO2大量排出国が協議に加わらない以上、地球温室効果ガス・制限条約に加わっても、「無駄」であるというのである。果たしてそうか?


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  「ダーバンCOP17」を何とか収拾した南ア外相Maite Nkoana Mashabane議長


 2009年9月、民主党政権発足直後の鳩山首相は高らかに、「CO2・25%削減」目標を国連総会で宣言して、各国の喝采を浴びた。それは、京都議定書を纏めた議長国としての当然の役割であったからである。この議定書は、国際的に 初めてGHG (GreenHouse Gas) 即ち温室効果ガス排出に制約(数値目標)を課し、市場を用いて目標を達成できるメカニズムという枠組みを提供した、画期的な企てであった。


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「京都議定書・延長」離脱を表明して会場の顰蹙を買う細野環境相:COP17中、終始全く「影の薄い」存在だった


 今回の細野演説は、特に発展途上の国々の失望と批判を買った。先進工業国が排出する膨大な温室効果ガスが及ぼす気候変動と海面上昇などによって、近い将来、直接的な被害を蒙るのは、アフリカ諸国・ラテンアメリカなどの小国だからである。長期的に見れば、全人類に量り知れない被害を及ぼすことは、今日の誰でも分かっていることである。


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COP17を「転覆」から救い出そうとする「車座」の各国代表:特に英国Huhne代表(中央Yシャツ姿)が米・印・中のCOP17「引き止め」の為に奮闘した


 その自明の理を無視して、自国産業への「悪影響」を理由に「温暖化」阻止の国際条約に加わろうとしなかったのは、最大のCO2排出を行っている米国・中国・インドなどである。しかし、今度の「ダーバンCOP17」で、多数国の圧力で、これらの国々も「2015年世界的合意」に向けて「協議参加」に踏み切ることになったのは大きな成果である。


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1960年ー1990年の平均値に対する2070から2100年の地表面の平均気温変化量の予測


 日本「野田・民主」政権が京都議定書に背を向けたのは、「大震災・原発事故」を理由としている様であるが、地球規模の「温暖化」問題の重大性に比すれば、鳩山演説からの「後退」は、何の弁解も許されない「責任違背」行為だ。


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       気候モデルによる今後の気温の上昇予測(8モデル、2000年比)


 この政権が、日本財界・産業界の意を受けて、恥知らずな挙に出ていることは、この「ダーバンCOP17」後の経団連辺りの「歓喜ぶり」を見れば容易に分かることだ。彼らは、全人類の未来の安寧よりも、「利潤」の為に好き放題「煙を出したがる」輩である。


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 過去約120年間の海水面の推移(地質が安定している世界23地点の平均):今世紀中の海面上昇量が1〜2mを超える可能性が指摘されている


日本財界が政府に圧力をかけて、「反国民的政策」を打ち出させている例は、「消費増税・TPP」を始め、原発輸出の「原子力協定」締結、「武器輸出禁止三原則・見直し」、軍拡を狙う「防衛大綱・動的防衛力」創設など枚挙の暇がない。これらはいずれも、「国民の信」を受けずに、野田政権が自民党などと結託して成立させようとしており、その責任は、次の総選挙で厳しく問われることになるだろう。                        (2011.12.12)

                   <追記>
1. 今日12月12日の『産経ニュース』に依れば、野田内閣支持率は前月より6.8ポイント下落して35.6%となり、不支持は51.6%に上ったという。また消費税増税に就いては、民主党の「公約違反」だとの見方が55.3%に上ったということだ。これまで、半ば「野田政権」を支持してきた『産経』だけに、これらの数字はかなり信憑性が高い。
その他、 TPP交渉参加を評価するー37.9 評価しないー47.3
    普天間移設交渉を評価するー11.6  評価しないー78.5
    原発輸出を続ける方針を評価するー26.3  評価しないー60.4
以上の結果を見れば、野田政権がいかに「国民の声」に反する政策を進めようとしているか、歴然たるものだ。     
 さあ、世論調査を「野田支持」の立場でネグってきた『朝日』さん辺りはどういう数字を出すのか、待ち遠しい。 (2011.12.12)

2. 同じく今日12日午後7時からの「NHKニュース」に依ると、その最新の世論調査結果では、野田内閣支持が8ポイント下がって37%であったのに対して,不支持は42%に上り、内閣発足後3か月で,不支持が支持を上回ったという。また、民主党支持率は,先月より4ポイント下がって、16.9%に落ちたということだ。このNHK調査では、肝心の消費増税・TPPの是非については「逃げて」おり、この放送局の、「野田支援」の懸命なPRにも拘らず、国民が「反感」を抱いていることを隠そうとする「哀れな企て」が見て取れる。 (2011.12.12)

3. あるブログが今日公表した『朝日新聞』世論調査(12月10,11日実施)に依れば,野田内閣支持率は31%、不支持率は43%となり、野田政権は一層深刻な事態を迎えつつあることが判明した。

4. 今日12日『読売新聞』が発表した世論調査では、野田内閣支持率は、先月の49%から7ポイント下がって42%、不支持率は44%に上昇し、内閣発足以来初めて支持率を上回った。この調査もNHKの場合と同様、この「逆転」が消費増税・TPPなど、現「民主」の基本政策に原因があることを隠している。(2011.12.12)

5. 12月12,13日の『朝日』、『読売』などが伝えている所に依ると、野田内閣は航空自衛隊の次期主力戦闘機として、米・英などが共同開発中の「F35」(開発主体=米ロッキード・マーチン社)を選定する方針を固め、2012年予算案には4機分551億円を計上、将来的に約40機の配備を目指すという。実に総額で、6千億円のも及ぶ「代物」だ。「民主」は「自民」と同様、憲法九条の「戦争放棄」条項を無視して、国民には「緊縮財政」を押し付けつつ、他方では、米国の意を受けて、「中国脅威論」を利用し乍ら、膨大な国家予算を「馬鹿げた無駄」に過ぎない戦闘機購入に費やすという「現を抜かす」行為に走っている。なお、この「F35」は、機体素材に問題がある「欠陥戦闘機」という情報を『産経新聞』が伝えており、野田政権が何故「選定」を急いでいるのか,説明が求められる。 (2011.12.13)


<写真・資料> The Guardian, Le Monde, 産経新聞, Wikipedia
 

 
by shin-yamakami16 | 2011-12-12 14:40 | Comments(0)
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「消費増税・TPP」支持「連合」:「反国民・親財界」路線を潰せ

                               山上 真

 昨日11月30日、英国全土でキャメロン政権の経済「緊縮」政策に抗議する為の、公務員200万人が参加するストライキが展開された。その規模は、30年振りの大きさという。

 このストで航空機関などへの影響は目立っていないが、英国全土の約70%の学校が休校になり、鉄道・病院など公的機関の大方は業務を罷めた。政権側は、ストの影響を出来るだけ過小化したいようであるが、BBC の「判定」では、「ストは影響を及ぼしている」’Strikes take effect’ ということだ。

 英国保守・自民連立政権は、対外的にはアフガン・リビアなどで膨大な「軍事支出」を垂れ流して深刻な財政赤字を累積する一方、国内では多くの福祉手当をカットした上に、公務員労働者たちの年金積み立て増額・年金受け取り年齢の引き上げ・給与水準の凍結などで、公的労働者の人件費削減を図った。

 これに対して、公務労働に従事する人々は、今でさえ低賃金で生活が苦しいのに、事実上の「昇給凍結」に加えて、3%に及ぶ年金「拠出増額」は生活破壊に繋がり、その上、2026年以降、年金受け取り年齢が67歳に引き上げられてしまうことに危機感を抱いている。


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          ストは「湿った花火」と抜かす首相キャメロン

 このスト決行中に、英国議会で激しい議論が交わされており、BBC Radio 5が中継放送を流していたが、そこでは、首相キャメロンが、「交渉中なのにストに突入とは何たることか。このストは『湿った花火』’Damp Squib’ であり、参加者も少なく、失敗に終わった」とした上、日頃は労働団体から距離を措いていた労働党首エド・ミリバンドがスト支持の立場で厳しくキャメロンの「緊縮政策」を論断したのに対して、「左翼の本性が現われた」と、形振り構わぬ「ミリバンド攻撃」に出ていた。

 一方、『タイムズ』・『テレグラフ』・『サン』紙など保守系メディア派は、例の如く、「公務員は民間より恵まれているのに、社会的混乱を引き起こすストに訴えるとは何事だ」という風な「スト攻撃」に出ているが、『インディペンデント』・『ガーディアン』・『ミラー』紙などは、概して中立・客観報道に終始している。

 例えば、『ガーデイアン』は、今度の公務員による「ストライキ支持か否か」の世論調査を次のように伝えている

‘Evening Standard’ : 「ストは正当化されるか?」Yes 32% No 68% 

‘BBC’ : 「ストは正当化されるか?」       Yes 61% No 39%

‘Guardian’ : 「ストを支持するか?」      Yes 79.3% No 20.7%

‘Daily Mail’ : 「ストを支持するか?」       Yes 90% No 10%

 以上の結果について注目されるのは、保守系大衆紙『デイリー・メイル』を含む多くのメディアで、「11・30公務員スト」が極めて高率で一般に支持されていることである。これが日本で行われた場合、どういう結果になるかは、皆さんご存知の筈だ。

 日本では、この数十年間、いかに労働者の生活が厳しくなっても、中央の労働組合がストを呼びかけることのない、摩訶不思議な様相を呈している。労働者代表を僭称する「連合」なるものは、その発足以来此の方、これ歴代政府と財界の「手兵」の如くに、「御用組合」を勤めてきたのである。

 この度も、野田「民主」政権の呼びかける「消費税10%増税」にも、TPP論議でも、何の非も唱えず、寧ろ「注文」を付ける装いで、推進役を買って出ている始末だ。労働組合が、農民と一緒に互いの利益の為に闘うという「労農同盟」が伝統的にも普遍的にも当然の筈であるが、特にTPPでは、政府・財界の「反国民的企て」に与って、おこぼれを頂戴しようとする「浅ましさ」を露骨に見せている。日本農業を犠牲にしても、工業製品の海外での売り込みを促進出来れば、「大企業労働者は恵まれる」という魂胆である。これが、国民一般の利益に反逆する、「企業内組合」連合の実態だ。

 斯くして、働く人々の「真の利益」を守る為の本格的な「労働者センター」が、今日程求められている時代はない。先ず、「連合」に籍を置く人々が、本部に対して勇敢に「異を唱える」ことから始めなければならない。それが、労働者組織の「国際基準」を、我が国でも保障する唯一の道であるからだ。  (2011.12.02)




 
                   <追記>
1. 「車気違い」で有名なタレント・Jeremy Clarkson が1日のBBC 番組で、「ストをやっている奴らを皆射殺してしまえ!」と怒鳴って、大変な騒ぎになっている。BBCには4700通(2日正午:21,000)の抗議が殺到し、議会上院でも、「公的メディアでの非常識発言」として取り上げられ、遂に首相も「遺憾」を表明している。労働団体は、本人と長期契約を結んでいるBBC の責任を追及し、「法的措置」に訴える構えだ。後の祭りだが、Clarkson 本人も「謝罪」している。 (2011.12.02)

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 BBC TV番組で「射殺」発言をするClarkson:何処の国にもとんだ「阿呆」が居るものだ


<写真> The Guardian, BBC news

             <参考資料 >
1. 英国『ガーディアン』紙 「十年間の緊縮生活:これは貴方にとってどういう意味を持つか?」
Ten years of austerity: what does it mean for you?
We're told we're facing a new credit crunch and a period of austerity more brutal than the 1970s? What does it really mean and who is going to suffer? Polly Curtis, with your help, finds out. Get in touch below the line, email your views to polly.curtis@guardian.co.uk or tweet @pollycurtis.
Today's headlines are depressing. The Guardian has "The big squeeze: warning over incomes as Britain goes on strike"; The Telegraph has "It's official: Credit crunch is back"; and The Independent "The rich get richer and the poor get poorer".
The figures come from the Institute for Fiscal Studies analysis of the chancellors autumn statement this week. It shows that real household disposible income will fall in real terms between 2009 and 2012 by 4.7% - easily the largest fall over a three-year period since records began in 1955. The previous largest fall was 1.9% between 1974 and 1977 giving rise to the inevitable headline: "Worse than the 1970s".

couple with no kidscouple with 1 kidcouple with 2 kidscouple with 3 kidssingle person (including pensioners)lone parent, I kid
Real figures
2000 409.45 491.34 573.23 655.13 272.97 354.86
2001 429.59 515.51 601.43 687.34 286.39 372.31
2002 437.35 524.82 612.29 699.76 291.57 379.04
2003 437.3524.76612.22699.68291.53378.99
2004 441.6 529.92 618.24 706.57 294.4 382.72
2005 445.58 534.69 623.81 712.93 297.05 386.17
2006 447.62 537.14 626.6 7716.19 298.41 387.94
2007 448.2 537.85 627.49 717.13 298.8 388.44
2008 451.36 541.64 631.91 722.18 300.91 391.18
2009 455.58 546.7 637.82 728.93 303.72 394.84
Projected figures
2010 437.13524.56611.99699.41291.42378.85
2011 423.49508.19592.89677.59282.33367.03
2012 421.66505.99590.32674.65281.1365.44
2013 422.64507.17591.7676.23281.76366.29
2014 429.14514.97600.8686.63286.09371.92
2015 432.98519.58606.18692.78288.65375.25
単位:ポンド 例えば2011年423.49=約53,000円(一週収入)
Weekly reduction 2009-15 22.6 27.12 31.6 4 36.15 15.07 19.6
Weekly reduction 2009-15 %-4.96%-4.96%-4.96%-4.96%-4.96%-4.96%
Annual reduction 2009-15 1175.2 1410.24 1645.28 1879.87 83.64 1019.2

But what does that mean for our household spending? What will it mean for you?
I've been talking to the IFS researchers to try and dig down into the data to see how incomes will by the end of this period in 2015.
What do you think? How are these warnings changing your planning for the short and long term future. What other factors are relevant – the introduction of tuition fees, changing mortgage rates, job insecurity? Are you re-training, paying off your debts or cancelling Christmas? Have any of the pension reforms changed your plans for retirement? We're interested in hearing from anyone who feels their futures and plans are changing with the economic climate.
Get in touch below the line, email me at polly.curtis@guardian.co.uk or tweet @pollycurtis.
Analysis
The following table, also from the IFS, shows who is hit the hardest by the immediate impact of the government reforms in 2012-13. The table below shows the average incomes in each decile group referred to in the graph.

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       「緊縮」政策によって、貧困層が最も打撃を受けることが分かる
Distributional impact of autumn statement 2012-13. Source: IFS.

2. 『農業協同組合新聞』JA com

【森島 賢】
TPP参加に片棒かつぐ連合
 昨日の新聞報道によれば、民主党の栃木県連は、TPP反対を表明したいが、有力な支持団体の連合栃木が推進派なので、迷っている。
 TPP推進派は、TPPに参加しなければ、日本経済は世界に取り残され、雇用が減り、失業者が増える、という。
 日本の労働組合の中で最大の組織を誇る連合は、だからTPP参加に賛成している。先日の政府主催の、いわゆる開国フォーラムでも、連合は、条件付きだが賛成の意見を表明した。いまの政府の最大の支持組織だから、現政権を維持したいので、政府の政策に賛成するのだろうか。
 949万人の組合員を擁する農協には遠く及ばないが、680万人の労働者を組織している日本で最大の労働組合連合が賛成だから、その影響は大きい。
 しかし、その一方で、連合北海道など、現場の多くの労働組合は、連合の中央機関が考えているのとは逆で、TPPに参加すれば、雇用は減るし、失業者は増えるし、労働条件が悪くなる、と考えている。だから、TPP参加に反対している。。
 20年前のガット農業交渉のときも、同じような状況だった。政府を支持する連合の賛成が決め手になって、農産物の輸入を、関税化という名前で自由化することに決めてしまった。その結果、食糧自給率は当時の46%から、現在の40%にまで下げてしまった。
 今度は、TPPに加盟すれば、食糧自給率はさらに激減し、13%にまで下がる、というのが農水省の推計である。

3. 『東京新聞』(12月1日付)

【社会】

東電マネー 政界浸透 労組から民主へ 16地方議員に1億円

2011年12月1日 朝刊

 全国の労組系の政治団体で最大の収入を誇るのが「東電労組政治連盟」だ。一〇年は、国会議員とは別に、民主党を中心とする地方議員ら十六氏側に計約一億八百万円を寄付していた。〇九年は三氏側に約九百万円だったのと比べると、支出額は十二倍にはね上がった。今春の統一地方選を前に、支援を強めたとみられる。
 一〇年の寄付先は、福島、新潟、静岡の原発立地県のほか関東の六都県で県議や区議、市議の後援会などに平均で約六百七十八万円を支出。最高額は、統一地方選で初当選した東京都練馬区議の石黒達男氏側で、千四百九十七万円だった。練馬区議の年間報酬額を上回る。東電労組出身で民主党公認だ。
 議員側への資金提供は、ほかにもさまざまなルートで行われている。東電労組政治連盟は十二都県の支部に計約一億四千万円を支出。支部から地方議員に寄付しているケースもある。
 神奈川県支部は、民主党の横浜市議ら三氏側に計約千二百万円を寄付。東京都支部は、東電の支店内にある別の政治団体に支出し、この政治団体から区議三氏側に五十万円ずつ配分していた。なぜ、こうした形を取るのかについて、この政治団体は本紙の取材に答えなかった。
 東電労組などは、労組出身議員を「組織内議員」と呼ぶ。電力各社の労組が加盟する電力総連の組織内地方議員は、〇九年十二月時点で全国百五十七人に上る。
 東電労組政治連盟は、上部団体の電力総連政治活動委員会にも、負担金として約千八百万円を支出。同委員会は、一〇年の参院選で再選した民主党参院議員で、東電労組出身の小林正夫氏側に二千六百五十万円を寄付するなどした。
 東電労組政治連盟は本紙の取材に「(寄付と)政権交代は関係ない。民主党の議員というより、組織内議員を支援しているつもりだ」と説明。電力総連は「電力総連は民主党を基軸に国政をみて、地域はそれぞれの電力労組が担当するという仕切りをしている」としている。
by shin-yamakami16 | 2011-12-01 22:33 | Comments(0)