世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

<   2013年 03月 ( 3 )   > この月の画像一覧

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            バグダッド:2003年3月20日9時過ぎ


ブッシュ・ブレアの「所業」は未だ裁かれないのか?
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 10年前の3月20日夜9時過ぎ、バグダッドの空はつんざく爆発音と共に赤く染まった。米・英軍の ‘shock and awe’ 「衝撃と畏怖」と称するイラク侵攻作戦の始まりだった。
 
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Bagdad:2013.3.19

 サダム・フセイン率いるイラクが「大量破壊兵器を保持している」とか、「アルカイーダと繋がっている」とかの虚偽の情報を口実に、一国に侵攻して全てを破壊し尽くした戦争の犠牲者は、イラク民間人*65万人、イラク兵約10万人、米英連合軍5,000人以上に及ぶ。米軍が撤退した今日なお爆弾テロ事件が絶えず、例えばイラク戦争開戦記念日前日3月19日、バグダッド市内で27件の爆弾テロ事件が起き、55人の市民が死亡し、170人以上が負傷したという。

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          イラク中部Fallujah:白血病に苦しむ子供たち

 先日のBBC World TV は、イラク中部・激戦地ファルージャでの、米軍のウラン劣化爆弾などに因る急性白血病に今もなお苦しむイラク人児童たちの実情を放映していたが、当のBBC は無批判に、イラク戦争の推移を取材・報道していたのだ。見たところ、欧米メディアの多くは「イラク戦争後10年」を、戦争自体については概ね批判的に伝えているが、「戦争責任」がどこに有るかという一点については、踏み込んでいないのが特徴的だ。

 米国が元々「傀儡」として立ち上げた現マリキ・シーア派政権は、漸く回復した石油生産収入に依拠して国家再建を進めようとしているが、シーア派対スンニ派の宗教対立、「独立」指向北部クルドとの部族対立を抱えた侭で、国内治安回復の目処が立っていない。

 そんな中で、隣国シリアでの内戦激化は、イラク内宗教対立と繋がり、シーア派イランに、シリア・アサド政権支援・空路ルートを事実上提供しているイラクは、最近ますますシリア「反政府勢力」支援に回る米国と衝突する形になった。
 3月24日、バグダッドを「電撃訪問」した新国務長官ジョン・ケリー氏がマリキ首相に「イラン航空機の上空通過」を認めないように苦言を呈したが、好い返答は無かったようだ。

 米国のイラクでの著しい「影響力低下」を如実に物語る記事が3月24日付『ワシントン・ポスト』に掲載されている。

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    このアーチの下を数十万の軍人たちがくぐって戦闘に参加したという


‘A decade after Iraq invasion, America’s voice in Baghdad has gone from a boom to a whimper’ 「イラク侵攻から10年、バグダッドでの米国の声は太い轟からすすり泣きになってしまった」

と題する記事内容の<要旨>は次の通りである。

 米国がイラク戦争に費やした*戦費は1.7兆ドル(約156兆円)に上るが、その大軍をイラクから引き上げ、殆ど金を使わなくなるに従って、急速にイラクでの発言権を失っていることは確かだ。イラク・マリキ政権は、味方シーア派内の対立、スンニ派との確執、クルドとの勢力争いに明け暮れており、米国が忠告をしようにも、聞く耳を持たなくなっている。
 米国務省は夙(つと)にマリキ首相に対して、シリア・*アサド政権を倒すべく、協力を求めているが、マリキ氏は全く応じず、却ってイランのシリアへの武器空路輸送を黙認している始末だ。これは、これまでスンニ派に対立するマリキ氏を強力に支援してきたオバマ外交の深刻な失敗だ。
 今や米国の存在は、イラクの治安面を保障する為の「必要悪」に過ぎないと、イラク側の大方は見ている。
              ・  ・  ・  ・  ・
 ブッシュ・ブレアがイラク戦略の「大義名分」として掲げた「民主主義・人権・平和」確立から大きく逸れた今、夫や息子を異郷の地で失った軍人家族、爆撃などで幼子を殺されたイラク人家族らは、どのような慰めを見出し得るのか。『ポスト』紙記者が指摘している様に、アフガンでも、さらに規模が大きい形で、悲劇が現出している。戦争行為に依って、異郷に欧米型「民主主義」を強引に押し付けようとする企ては「壮大なる失敗」だったことが証明されつつある。「イラク・アフガン」のいずれも、中近東世界「地政学」の初歩的知識を欠いた「阿呆ども」の為せる業として、世界史に記録されるに違いない。
 
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               イラク開戦翌年 (2004.11.12)

 「裁きの場」に出て来い、「民主主義者」を名乗る暴君たちよ!君らのお陰で、名も無い多くの民が呻吟しているのだ。  (2013.03.29)

<注>
1. 権威ある英国医学誌Lancetによれば、死亡率増加の調査を基にした研究では、2006年6月時点でイラク戦争の死者は約655,000人になると推計された。ただし、あくまで死亡率増加からの推計であるため、直接の戦死とは直接結びつかない推計である。また、中華人民共和国の国務院が発表する「2007年アメリカ人権記録」によると、2003年以来のイラク民間人死亡数は66万人以上であるとされている。イギリスの世論調査会社・オピニオンリサーチビジネスが2007年9月14日に行った調査では、死者が最大で120万人を上回る可能性があるという結果が出されている。—Wikipedia

2. シリア・アサド政権はイスラム・アラウィー派、即ちシーア派分派で、同じくシーア派のイラン・イラク現政権に近い。一方、シリア反政府勢力は、国民の70%を占めるスンニ派で構成され、同じくスンニ派が多いカタールの財政的・軍事的支援を受けているが、最近ではイスラム過激派ジハディスト・アルカイダが戦闘部隊の中枢を占めている模様だ。先日ダマスカス大学・学生たち数十人が死亡した爆弾テロは、アルカイダの犯行とされる。

3. イラク戦費:米国が費やしたイラク戦争費用総額は、別の説では300兆円に上るという。
2008年3月2日(日)「しんぶん赤旗」
イラク・アフガン戦 米「300兆円超す」 帰還兵補償、重くノーベル賞受賞の 経済学者が算出
【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ政権がすすめるイラク、アフガニスタンでの「対テロ」戦争の経費は、最大「三兆ドル(約三百兆円)以上」になるとの試算が明らかになりました。米国の著名な経済学者のジョセフ・スティグリッツ氏が新著のなかで示しました。
 ノーベル経済学賞受賞者としても知られるスティグリッツ氏はイラク開戦から五周年(三月二十日)を前に、ハーバード大学のリンダ・ビルメス教授とともに『三兆ドル戦争―イラク紛争の真の対価』と題する著書をまとめました。
 この中でスティグリッツ氏は「米国のイラク侵略は今や恐ろしい間違いだったことは明白である」とし、戦争の対価は「最終的にイラクを去った後に増え続ける」と指摘。これらの「対価は意図的に国民に知らされていない」と述べました。そして、対テロ戦争において「米国の石油、軍需産業以外には真の勝者をみつけることは難しい」と語っています。
 イラク戦費については、議会予算局(CBO)が昨年十月、最大二兆四千億ドル(約二百五十兆円)と試算していました。「三兆ドル以上」という経費についてスティグリッツ氏らは、これらは「控えめな試算」だと述べ、自らの試算を「現実的で穏当な」ものと呼びました。
 この「穏当な」試算には、対テロ戦費の追加予算が組まれているだけでなく、国防総省の本予算のなかに「隠されている」戦費や、労働省予算にある軍事請負業者たちの保険費用などもはじきだしています。もっとも見過ごされているのは帰還兵への補償だとして詳しく試算しています。
 これまで派兵された、のべ百六十万人のうちの相当数の人が障害者となっているなか、これら帰還兵への「障害手当」や社会保障費などは今後数十年にわたり米国民の肩にのしかかってくると指摘。さらに戦死兵士や負傷兵の家族やその地域が負う「社会経費」についても光を当てました。
 すでに「対テロ」戦争では、六千四百六十億ドル(約六十六兆円)が支出されています。スティグリッツ氏らは、二〇一七年までの「作戦費」は、九千百三十億ドル(約九十三兆円)になると試算。帰還兵への障害手当や生活保障への七千百七十億ドル(約七十三兆円)や、軍備品の更新費用四千四十億ドル(約四十一兆円)と、利率や今後の借入金の利息を加えて、「三兆四千九百六十億ドル」と算出しました。

<写真> The Washington Post, The Guardian, Le Monde, The Telegraph

                   <追記>
1. 今夕6時台に視聴した BBC World TV の「イラク戦争10年」特別番組では、この戦争に至るまでの、イラクが保持すると言われた生物・化学兵器など「大量破壊兵器」有無の真相が関係者の証言で語られていた。そこでは、戦争開始直前までに、サダム・フセインの支配するイラクがそれら兵器を持っていないことが最終的に確かめられていたにも拘らず、その事実を隠して、ブッシュ・ブレアが戦争に突入して行ったという経緯が詳しく述べられていた。そこでBBC スタッフは この戦争、即ち夥しい犠牲者と破壊を齎した事態について、これまで一度として「詫びたことがない」トニー・ブレアに改めて所信を聞こうと、インタヴューを申し込んだところ、「忙しくて会えない」と断られたという。英国各紙に依れば、ブレアは首相辞任後、世界各地での「講演」で200億円もの「荒稼ぎ」をしていると言われているが、まあ、「稼ぎに忙し過ぎて、過去の事など詫びている暇がない」ということなら、やっぱり、この人物は「人間離れ」した化け物と言うしかない。 (2013.03.30)

2. 「イラク戦争から10年」の特集記事・番組に就いては、先日4月2日の『朝日新聞』が、米軍砲爆撃に因る化学物質・劣化ウランから生じた数多くのイラン人小児「奇形」の悲惨な状況などを詳述していた。今日のTBS・ TV『報道特集』では、高遠菜穂子さんがファルージャの総合病院を案内する形で、!000件に上る『奇形』症状の幾つかの例を、生の映像を通して伝えていた。高遠さんの依頼でイラクに赴いた日本人医師が、口蓋裂幼児の整形手術を施す場面などを放映し、番組の最後に、当時の小泉政権が、ブッシュを全面的に支持し、派兵まで行った「責任」に触れているなど、非常に立派な番組構成であった。 (2013.04.06)

                  <参考資料>
1. 米国CNN :イラク戦争開戦から10年、イラク国民の苦しみ続く
2013.03.19 Tue posted at 19:54 JST
(CNN) 米国主導の多国籍軍がイラクに侵攻して始まったイラク戦争の開戦から、19日で10年がたつ。長く続いた戦闘は数多くのイラク市民に死や絶望をもたらし、人生を一変させた。
「イラクの自由作戦」に参加した元陸軍兵のノア・ギャロウェイ氏は、戦争がもたらした影響についてこう語る。
「一国が他国に侵攻すれば、争いとは無関係だった市民に影響が及ぶ。我々はこの世界に住む人間として、そうした人たちに手を差し伸べる責任がある。民家や人命が破壊された。米国内にも対応すべき課題はあるが、困難な時であっても我々にはやらなければならないことが多数ある」
10年たった今も、戦争による犠牲や困難に苦しむイラクの民間人は後を絶たず、人道援助の必要性は増すばかりだとギャラウェイ氏は言う。適切な治療を受けられる医療システムがないため、医療援助が必要な人も多い。

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せき椎の病気を持つノアちゃん。戦争で医療体制も破壊され、十分な治療を受けられない

そうした人たちの1人、ノアちゃんは、脊椎(せきつい)の形成が不十分な二分脊椎の障害を持って生まれた。2005年にアブグレイブにある民家を米兵が急襲した際に、祖母がこの子を助けてほしいと懇願。この訴えが実って米国の病院で手術を受けたが、イラクに戻って7歳になった今も車椅子で生活し、十分な治療を受けられずに命の危険にさらされる日が続く。
医師や看護士で組織する非営利組織(NPO)のIMCは、開戦前からイラクで活動を続け、救急医療態勢の確立などに尽力してきた。「イラクの医療態勢は10年前に比べると大きく進歩した。負傷者の救命率も大幅に上昇した」と関係者は話す。それでもまだ任務完了にはほど遠い状況だといい、「10年前に始まった仕事を完了するまで」活動を休むことはないと力を込めた。
戦争によって子どもたちも深刻な状況に追い込まれた。児童支援団体によれば、この10年の戦争やテロで親を失った子どもはユニセフの推計で80万人に上るといい、「緊急に人道援助が必要な状況」だという。
同団体はこうした子どもたちに食事や教育、医療などの援助を提供しており、「中には親をなくして路上で働いて自活している子どももいる。イラクの未来を担う子どもたちを愛情で支えなければならない」と訴える。
米国が介入したイラク戦争は終わっても、イラクの人たちの苦難は終わっていない。依然として大きな国際人道援助が求められている。

2. 3月24日付『ワシントン・ポスト』紙
A decade after Iraq invasion, America’s voice in Baghdad has gone from a boom to a whimper
By Ernesto Londoño, Published: March 24
BAGHDAD — The United States set the tone for its new relationship with Iraq a decade ago with a bombing campaign dubbed “shock and awe,” and spoke with a booming voice during the ensuing years as it shaped the country’s future.
Today, America’s voice here has been reduced to a whimper.
With no troops on the ground to project force and little money to throw around, the United States has become an increasingly powerless stakeholder in the new Iraq. It has failed to substantively rein in what it sees as government abuses that have the potential to spark a new sectarian war. It also has had little success in persuading Baghdad to stop tacitly supporting Iran’s lethal aid to Damascus, an important accelerant in the neighboring conflict.
The disengagement from Iraq after a war that cost Americans an estimated $1.7 trillion offers sobering lessons as the United States continues to wind down its war in Afghanistan by the end of 2014, a process that looms as potentially more complex.
“No one thinks America has influence now in Iraq,” Deputy Prime Minister Saleh al-Mutlak, the most senior Sunni in the coalition government, said in an interview. “America could still do a lot if they wanted to. But I think because Obama chose a line that he is taking care of interior matters rather than taking care of outside problems, that made America weak — at least in Iraq.”
Plans abandoned
The United States is dismantling the vestiges of a police training program once envisioned as its signature contribution to postwar Iraq, having come to terms with the fact that Iraqis had no interest in a multibillion-dollar investment designed to bolster the country’s troubled judicial system.
Plans to keep a robust diplomatic presence along a disputed frontier in northern Iraq that has kept Arabs and Kurds on a war footing were also abandoned, in large part because officials in Baghdad didn’t want the Americans there. Manpower at the fortresslike U.S. Embassy in Baghdad is dropping rapidly. The mission and its three consulates now have 10,500 people, most of them contractors, down from over 16,000 based in Iraq a year ago. By the end of the year, the number will fall to 5,500.
<中略>
Some former U.S. officials said the United States would have had more influence if Washington had managed to negotiate a bilateral deal to keep some 10,000 troops in the country.
“I think it would be a powerful signal in Iraq, to Iran and in the region that the United States is engaged, involved, interested and effective,” former ambassador Ryan C. Crocker said during a recent forum on Iraq.
American officials have not weighed in publicly on the criminal case targeting Issawi, although they are worried that an escalation in Maliki’s crackdown on Sunnis has the potential to spark a new wave of sectarian violence. After a Maliki associate returned from a trip to Washington recently and announced that the United States approves of how the prime minister is governing the country, U.S. officials fumed quietly but offered no rebuttal.
Nadjha Khadum, an Iraqi journalist who runs the independent Ur News agency, said that she, like many Iraqis, came to see a U.S. military role in Iraq as a necessary evil. Without it, she said, there is no outside power capable of restraining Iraqi politicians from destructive behavior.
“They were a security valve for Iraq,” Khadum said. “They were a balance for the government.”

3. 2003年10月24日発行810号
【イラク戦争犯罪追及するLAAW(英国) ブレア、ブッシュを監獄へ】

 九月二十七日のイラク占領反対行動をリードした英国SWC(ストップ戦争連合)から、政府の戦争犯罪を追及しているLAAW(戦争に反対する法律アクション)のクリス・コヴァーデルさんが来日。十月五日のイラク国際戦犯民衆法廷(ICTI)実行委員会発足集会をはじめ各地で報告した。その要旨を編集部の責任でまとめた。
英国内法でブレアを追及
LAAWディレクター クリス・コヴァーデルさん
(10月6日・大阪)
  二〇〇三年二月に結成されたLAAWはSWCとともに、英国の司法当局に国内法と国際法の擁護を求め、トニー・ブレア首相とイラク戦争に賛成した政治家、政府高官、軍の指導者層約八百人を戦争犯罪のかどで起訴するように要求する全国的な運動を組織している。
 一九九八年以来、八十以上の国で、ローマ規程として知られる国際刑事裁判所法が批准された。世界は初めて、集団虐殺という犯罪、人道に対する罪、戦争犯罪をこの世界に適用することに合意した。
 英国は一九九八年にローマ規程を批准。国会は国際刑事裁判所法を二〇〇一年に制定し、英国法に新しく三つの犯罪を導入した。それは「大量虐殺の罪、人道に対する罪、戦争犯罪を犯したもの、あるいはこのような行為を幇助する行為を行ったものは、イングランド及びウェールズの法律に違反する」とした。
イラク戦争はジェノサイド
わが英国政府はこの法律をいかに犯したか。
 まず第一に、トニー・ブレア率いる英国政府がアメリカ政府と共謀し、主権国家であるイラクを攻撃し、数千人のイラク市民を殺りくし、国際刑事裁判所法の五十一条、五十二条にある集団虐殺の犯罪を犯した。
 第二に、トニー・ブレア、ジャック・ストロー外相、ジェフ・フーン国防相たちは、告訴も裁判も弁護も赦免もそして判決もなく無実のイラク市民一万二千人の命を奪った。このような殺人は世界のどこであっても違法行為であり犯罪である。
 第三に、英国軍はイラクでクラスター爆弾を使用した。この兵器は、無差別対人兵器として設計され、軍事施設や大量破壊兵器を破壊するためにではなく、現在及び将来にわたってイラクの子どもたちや民間人への殺りくを意図していたことを証明する。このような民間人の意図的殺人は戦争犯罪であり、英国法の下での犯罪となる。
 第四に、米英連合軍は、三千トンもの劣化ウランを使用した。有毒ウランの粉塵がばら撒かれたことでイラクで何千年にもわたってガン、死産、流産、奇形児の出産を増加させることになる。このような民間人に対する意図的殺人及び殺傷は、人道に対する罪及び戦争犯罪になる。

 ローマ規程では、「国際的な犯罪の責任を有するものに対し司法権を行使」することに、すべての締約国が同意している。英国政府は米国と共謀して一万二千人以上もの無実の人を殺りくし、国際的な犯罪をおかしたのだから、われわれは司法に対して、犯罪を調査し、犯罪者を逮捕・告発し、彼らを英国初の戦争犯罪裁判で訴追するよう要求しなければならない。
英国警察に首相逮捕を要求
 米国も、ジョージ・ブッシュを起訴しなければならない。米国はローマ規程を批准していないが、ジェノサイド条約(一九四八年)は批准している。米国がジェノサイドを防止するための法律が必要だと認めた以上、いま米国民に必要なことは、彼ら自身の法を擁護し、ジョージ・ブッシュをジェノサイドのかどで弾劾することだ。
英国民衆と法関係者は、警察に対してブレアを逮捕し告訴するよう圧力をかけることができる。十一月四日、SWCの全国の地方組織は地域の警察署に行き、われわれの政府の代表が戦争犯罪をおかしたことを通報するキャンペーンを開始する。

4. 戦犯ブッシュが裁かれる日は近い
2012-05-13 18:33:11 | その他
ブッシュや、ブレアー、ラムズフェルド、チェイニー、その一味らが、クアラルンプール戦犯法廷で、人道に対する罪で、有罪判決を受けたそうです。
BREAKING: HISTORIC JUDGMENT. Bush & Associates Found Guilty of Torture

A solid case for the prosecution of Bush, Blair, Rumsfeld, Cheney, their legal counsel and others, for war crimes, crimes against the peace, torture, and crimes against humanity has been established at the Kuala Lumpur War Crimes Tribunal with a guilty verdict on day 5 of the third major session of the Tribunal.

The Tribunal recommends to the War Crimes Commission to give the widest international publicity to this conviction and grant of reparations, as these are universal crimes for which there is a responsibility upon nations to institute prosecutions if any of these Accused persons may enter their jurisdictions. Global Research Director Michel Chossudovsky is a member of the KL War Crimes Commission and was present throughout the Tribunal hearings.
KUALA LUMPUR, 11 May 2012 (mathaba)
ブッシュ、ブレアーは、既に別の件でも、去年、この法廷で、有罪判決を受けています。
戦犯法廷がブッシュ、ブレアーを裁く 2011/11/30
クアラルンプール戦犯法廷でブッシュ、ブレアの有罪判決が下された。
判決はこの両者によるイラクに対する戦争は明白な法の乱用と侵略行為でイラク市民の大量殺人を招いたとしている。
インドの裁判官は、アメリカはブッシュの指導により、イラクが大量破壊兵器を所有しているという文書を偽造したと認定した。ブッシュとブレアを戦争犯罪者として登録。
すべての国家は普遍的な司法制度を持っている為、ブッシュ、ブレアがどこに居ても、国際法に従う必要がある。彼らが訪れるあらゆる国の司法により対応することも推奨されている。
クアラルンプール戦争裁判関係者は国際犯罪裁判所に対して、ブッシュ、ブレア両氏を戦争犯罪に寄り告発する働きかけを続ける。
このクアラルンプールの国際戦犯法廷は、マレーシアのマハティール前首相が創設した、非公式の裁判所です。残念ながら、法的な拘束力は持っていません。
マハティール前首相、「ブッシュとブレアは戦犯」 - マレーシア 2007年02月05日
マハティール前首相は前週、イラク、レバノン、パレスチナ自治区での虐待の犠牲者たちの申し立てに特化した、非公式な戦争犯罪裁判所の創設計画を公表した。現在、戦争犯罪や人道に対する罪を犯した個人を裁いているオランダ、ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)の審理は偏っているとして、自ら新裁判所を提案した。
by shin-yamakami16 | 2013-03-29 20:22 | Comments(2)
G.Orwell の「1984 年」全体主義社会を阻止しよう

                                  山上 真

 今夕のNHK ニュースに依ると、安倍政権提案の*「国民共通番号」法案が衆議院で審議入りしたという。この法案は、国民の基本的人権に関わる重大なものであり、前民主党政権で廃案になった後、国民的議論を改めて十分に尽くした後、提起されるのが当然と思っていただけに、極めて唐突な印象だ。

 上記ニュースでは余り触れられていないが、この法案については、全国の弁護士団体・婦人団体・文化人などの多くが、「基本的人権を侵害」する恐れがある、危険なものとして反対している「代物」である。

 数年前、英国でも同様の「ID カード」計画が当時のブレア労働党政権によって計画されたが、小説家ジョージ・オーウェルが、その作品「1984 年」で描いた「恐怖の全体主義社会」を彷彿させるものとして、国民大多数・保守党までが反対する騒ぎとなり、その「実利性」及び膨大な経費の問題と相俟って、遂に政権側は「撤退」を余儀なくされたのであった。

 「共通番号」法案に対する態度は、端的に言えば、国民一人一人の「自由・人権」を重く見るか、それとも、「国家」という制度を先ず重視するかということに掛かっているだろう。前者の態度は、戦後民主主義が基調としてきた行き方であり、後者は戦前的な「国家主義」に繋がる、極めて憂慮すべき傾向と言う他ない。それは、最近大流行りの「IT・情報産業」と結びついているのが「新しい」に過ぎない。  (2013.03.22)

                  <追記>
1. 別称「マイナンバー」なる「共通番号」法案について、多くのTVメディアなどは、深刻な問題点と欠陥を無視して、この制度採用によって「カード一枚で何も書かずに手続きできる」といった「利便性」だけを強調する報道に明け暮れている。これは、国民に受け入れさせ易くすべく、政権側が意図的に宣伝している手法を、鸚鵡返しに言っているのであろうが、TPP と並んで、ID カード創設という「新基軸」が景気浮揚という願望を叶えてくれるに違いないという期待あってのことだろう。しかし、「公器」としてのメディアが、仮にも産業界からの広告収入増などを当て込んで、客観的事実さえも覆い隠す報道を続けるならば、いずれ視聴者大衆の信頼を失うことを忘れてはならない。
 2010年に国民IDカード計画を破棄した英国の場合は、反対運動の急先鋒がマス・メディアだったことを想起すると、彼我のメディア活動の「質の違い」を改めて思い知らされる。(2013.03.23)

                   <参考資料>
1. NHK ニュースより
共通番号法案」が審議入り
3月22日 18時34分

年金の受け取りや納税などの手続きを簡略化するため、国民1人1人に番号を割りふる、「共通番号制度」の導入に必要な法案が、衆議院本会議で審議入りし、安倍総理大臣は、制度の導入にあたって個人情報の保護に万全を期す考えを示しました。
法案は、22日の衆議院本会議で、安倍総理大臣らが出席して趣旨説明と質疑が行われ、審議入りしました。
「共通番号法案」、いわゆる「マイナンバー法案」は、年金や失業保険の受け取り、それに確定申告などの際に国民1人1人に割りふられた番号を利用することで、書類の添付が不要になるなど、手続きを簡略化するもので、政府は平成28年からの制度の運用開始を目指しています。
本会議で、安倍総理大臣は「共通番号制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤であるとともに、情報化社会のインフラとして、国民の利便性の向上や行政の効率化に資するもので、早期に導入する必要がある」と述べ、法案の成立に協力を呼びかけました。
また、安倍総理大臣は「個人情報の漏えいや不正利用などへの国民の懸念に対して、利用範囲の限定や第三者機関による監視・監督、それに罰則の強化などの対策を講じ、個人情報の保護に万全を期していく」と述べました。
「共通番号制度」とは
政府が導入を目指す「共通番号制度」の法案、いわゆる「マイナンバー法案」の正式な名称は、『行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案』です。
民主党政権時代に国会に提出された法案は、去年の衆議院の解散で廃案になりましたが、安倍内閣もほぼ同じ内容の法案を閣議決定して国会提出しました。
この制度は、国民一人一人にひとつの番号を割りふる仕組みです。
全員にそれぞれ番号を割りふることで、個々の収入や公的負担のほか、どのような社会保障サービスを受けているかなどをを一元的に把握しようというものです。
導入の狙いについて政府は「公平な税の負担や、きめ細かい社会保障の給付を図ること」を挙げています。
現在、個人に割りふられている番号は、▽住民票に記載される「住民票コード」や、▽年金を受け取る際に必要な「基礎年金番号」のほか、▽健康保険証の番号などさまざまです。
仮に共通の番号になれば、▽所得や、▽年金などの保険料の支払い額、▽受けている公的サービスなどがまとめて分かるようになります。
このため政府は、社会保障の給付漏れや、税の徴収漏れ、生活保護の不正受給の防止などに役立つほか、公的サービスに関連した手続きも簡素化できると説明しています。
具体的には、税の確定申告の際に社会保険料の領収書などといった書類の添付を省略することや、ひとり親世帯などに支給される「児童扶養手当」の申請をする際にも、所得証明書や住民票の写しといった書類を省略することが可能になるということです。
法案成立で平成28年から運用開始も
法案が成立すれば、政府は、番号を割りふる準備を始める予定です。
番号を割りふる主体となるのは各市区町村で、政府は平成28年から運用を開始したいとしています。
番号は全員に通知され、希望者は、市区町村の窓口で、ICチップが組み込まれた写真付きの「個人番号カード」を受け取ります。
運用開始の翌年からは、インターネットを使って自分の情報を確認できるシステムも整える計画です。
課題は個人情報の保護
制度の大きな課題が「個人情報の保護」です。
情報の不正利用や、プライバシーの侵害に対する懸念に対応するため、法案には、情報が適切に管理されているかを監督する有識者などの「第三者機関」の新設や、不正利用に対する罰則、番号の利用範囲の制限などが盛り込まれています。
ただ、共通番号は本人の同意がなくても日本に住民票がある人であれば自動的につけられることから、勝手に番号が付けられるとして反対する声があるほか、制度についての理解も十分に進んでいないという指摘もあります。

2. 日弁連:「社会保障・税共通番号制」法案の閣議決定及び国会提出に対する会長声明

去る2月14日、政府は、いわゆる「社会保障・税共通番号制」に係る法律(正式名称「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、略称「マイナンバー法」)案を閣議決定し、国会に提出した。

この法案は、全ての国民と外国人住民に対して、社会保障と税の分野で共通に利用する識別番号(マイナンバー)を付けて、これらの分野の個人データを、情報提供ネットワークシステムを通じて確実に名寄せ・統合(データマッチング)することを可能にする制度(社会保障・税共通番号制度)を創設しようとするものである。

当連合会は、この共通番号制度に対して、昨年7月29日付け「『社会保障・税番号制大綱』に関する意見書」において、①共通番号制の具体的な必要性や利用目的が、全く明らかにされていない上に、費用の概算も効果の試算も公表されていないため、本制度によるプライバシー権などに対するリスク受忍の当否、費用対効果の妥当性等は検討のしようがないこと、②この制度が、個人情報の利活用の推進を優先し、プライバシー権(自己情報コントロール権)の核心的内容である、情報主体の「事前の同意」による情報コントロール権の保障をないがしろにしていること、③生涯不変を原則とする、目に見える形で公開される共通番号が、納税者番号として個人から事業者、そして事業者から税務当局への流れ(民→民→官)の中で広く利用されるのみならず、更に広い業務において同様の利用がなされることに伴い、いわゆる「なりすまし」などのプライバシー侵害が多発する可能性が予想されるにもかかわらず、そのリスクを軽視しており、示された対策も極めて抽象的であり、かつ不十分であること等の問題点を指摘し、その抜本的見直しを要求してきた。

また、政府の意識調査によれば、共通番号制の内容は国民にほとんど理解されておらず、各省庁間においても共通番号制について十分な共通認識に至っているか疑問のあるところである。

しかるに、政府は、これらの問題点について抜本的な再検討を行うことなく、また、この制度に関する内閣官房主催の番号制度全国リレーシンポジウムにおいても制度に関する十分な説明も行うことなく、法案を閣議決定し、国会提出に至っている。

このように、基本的人権のうちでも人格的尊厳や国民の自己決定権に影響を与えるものとして、最も枢要なものの一つであるプライバシー権を危殆に瀕せしむる制度を拙速に法律化することは、将来に重大な禍根を残すことになる。

よって、当連合会は、同法案に強く反対するものである。
2012年(平成24年)2月15日
日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児


3. 第一東京弁護士会:2012(平成24)年度
 社会保障・税共通番号制法案に対する反対の声明文

政府は、去る2月14日、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案」(いわゆる「社会保障・税共通番号制法案」。以下「本法律案」という。)を閣議決定し、国会に提出した。本法律案は、全ての国民と外国人住民に対して、社会保障と税の分野で共通に利用する識別番号(マイナンバー)を付けて、これらの分野の個人データを、情報提供ネットワークシステムを通じて確実に名寄せ・統合(データマッチング)することを可能にする制度を創設しようとするものである。
 本法律案は、行政効率化の名目下に、税務、年金、労働保険、健康保険、生活保護、介護保険といった個人情報を関係諸機関が同一の整理番号(マイナンバー)で分散管理しつつ、必要に応じて相互に利用しやすくする仕組みであり、個人の経済生活や健康状態などを容易に把握、結合できるようにするものである。
 本法律案の最大の目的は、正確な所得把握とされているが、その具体的方法は法定調書に共通番号を記載するというものに過ぎず、現状より多少改善される可能性があるという程度のものに過ぎない。事業者の所得を正確に捕捉することはほとんど不可能である上に、海外での資産運用については全く捕捉できないから、正確な所得捕捉にはほど遠い。
 他方、共通番号は、目にみえるものとして、「民(個人)⇒民(事業者)⇒官(税務当局)」と伝わることになっているので、だれもが他人の共通番号を知ることができる。しかも、生涯不変を原則とするので、一旦、他人の共通番号を知れば、同一の共通番号で管理されている個人データは同一人のものであると知ることができる。したがって、共通番号をキーにして個人データを集積すれば、本人の知らない間に、特定の個人の経済生活や健康状態などを分析することも簡単にできるようになる。プライバシー侵害の危険性はきわめて高いものである。
 ところが、我が国では、このようなプライバシー侵害を実効的に予防するための第三者機関が設けられていない。本法律案では我が国で初めて第三者機関の設置を盛り込んでいるが、どこまで実効的に権限行使が行われるか不明であるし、保護の対象となるのは共通番号付きの個人データに止まるから、共通番号を外した個人データの保護には役立たない。
 加えて、国民の本法律案の認知度は極めて低く、国民がこのような制度を求めているかどうか極めて疑問である。しかも、本法律案の制度を構築するためには7000億円以上の費用を要するとも言われており、東日本大震災からの復興途中の現在、本法律が真に国民にとって必要か否か、十分な議論が必要である。
 以上より、当弁護士会は、看過しえない重大な問題を含む本法律案に強く反対するものである。
以上
2012年(平成24年)6月20日
第一東京弁護士会                  
会 長  樋口 一夫

4. 主婦連

≪国民を番号で管理する「共通番号制度法案」に反対します≫
 2012年2月28日
≪内閣総理大臣、内閣副総理大臣、内閣府消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長 宛≫
政府は2月14日、年金手帳や健康保険証、介護保険証など、税金と社会保障に関する個人情報を一つのカードに収めるための「共通番号制度法案」を国会に提出しました。報道では国民を番号で管理することを通し、「個人の所得などがより正確に把握でき、きめ細やかな社会保障給付の実現につながる」「国民にとっても自分の情報が簡易に入手できる」「給付と負担の公平性が確保できる」などを理由としていると説明しています。
また、同制度は消費税率アップを導入する際の環境整備とも位置付けられ、消費税の増税を前提にした措置とも捉えられています。共通番号制度の導入は、いかに厳しく管理することを法律に明記してもあまりにリスクの高い措置と考えます。
そこで主婦連合会では同法案による「共通番号制度」の導入について以下の点で反対を主張し、法案の取り下げを求めます。
【記】
1、外国の例が報道されているように、「共通番号制度」を導入することによる個人情報の漏洩・悪用の可能性は否定できません。いかに厳しく管理することを法律に明記しても、一旦導入すると、情報漏れのリスクは格段に高まり、実際、防止できません。
2、一つの番号で個人の多様な情報を盛り込むことは、それだけリスクが集約されることを意味し、犯罪の増加にもつながりかねません。被害救済の環境整備が整っていない現時点では、利点以上に危険性の方が高いと考えます。
3、主婦連合会は消費税率アップには反対を主張しています。共通番号制度導入が、反対の多い消費税率アップに伴う環境整備として位置付けられていることは、多くの消費者・国民の意向を軽視するものです。閣議決定にいたる過程も、低所得者への還付等制度の内容も不透明なまま、消費者・国民の意向を反映せずに、その消費増税に必要なインフラとして安易に共通番号制度の導入を図る措置は本末転倒と言えます。法案の撤回を求めます。
以上

5.  意外に国民が知らされてなかった”共通番号制度(マイナンバー)”の落とし穴
でんひろイシダ

 世は、まさにコンピューター時代であり、共通番号制度(マイナンバー=旧国民総背番号制)導入は、時代の要請としてやむを得ないだろうと受け止めていた時期もあったが、 調べてみると、その中味は国民にとって、かなり危険な制度であるようだ。

・イギリスは、共通番号制度(国民IDカード制)廃止。
 国家が、国民の個人情報を収集するのは、人権侵害に当たるとし、共通番号制度(国民IDカード制)は、「2010年5月に誕生した保守党・自由民主党による新連立政権」で、廃止に向かって検討。 「近く議会を通過し、法案成立後直ちにシステムが廃棄される」模様。「現在、国民IDカード制は停止中」とのこと。

・アメリカは、医療、介護、年金など社会保障や銀行、納税分野で利用。番号は可視化。それだけに、なりすましが横行し、犯罪の温床になっている。
 「現実空間での取引に加え、サイバースペースでの取引(電子取引・ネット取引)にも汎用されていくことにより、番号が売買、垂れ流しされ、 不法行為に手を染める者の手に渡るなどして、アメリカ社会は、他人の社会保障番号を使った”成りすまし犯罪者天国”と化し、 社会保障番号に係る国民の情報コントロール権は、風前の灯のようになっている。被害者の窮状が社会問題になり、他人の社会保障番号を使った ”成りすまし犯罪”に対処するために、連邦や各州の議会、省庁が対策を練ってきているが、いまだ抜本策を見出すにはいたっていない」。

・スウェーデンは、アメリカ以上に広範な分野で利用され、共通番号は無制限に一般に公開(可視化)されている。「アメリカに次ぐ”なりすまし犯罪者天国”」。
 「共通番号は、マスターキーに使えば個人のプロファイリングが容易にでき、国家が個人の生活のいかなる場面にも入り込み追跡できる体制を敷く仕組みであり、 人間の尊厳の保障や個人の幸福につながらないとの鋭い指摘がある。・・・共通番号制導入によるデータ監視社会化に突き進んだのは、 ”高福祉高負担”政策――”福祉の不正受給、課税漏れは絶対に許さない”という考え方――がその背景にある。 最大の課題のひとつは、当局が把握できない無届就労や租税回避・ほ脱などからくる”課税漏れ”対策であるが、高負担政策や国民所得に対する番号管理を強めれば強めるほど、 逆に、無届就労、地下経済、他のEU諸国などへの課税源の移転が深刻になることを物語っている」。 以上、3項目「自治体情報政策研究所”電子自治体情報”」より

 日本での利用範囲は、アメリカ・スウェーデン型のように多岐にわたる案が示されているようだが、個人の資産・収入、健康状態が外から透けて見えてしまえば、 我々の気質からして、人を値踏みしてしまう可能性は否定できないだろう。そうなれば、プライバシーが保たれないばかりか、人間の尊厳も危うい。 加えて、なりすまし犯罪との絡みもある。国家権力の増長、末端で個人情報を収集する各種団体・組織の国家への追随も気になる。導入は、国家の理想であり国家としての悲願だろう。 しかし、それらを考えると「いや、待てよ」ということになる。

 国民の利益を考えた場合、そして、人種・民族・国を超えて存在する人間の倫理的水準を考えた場合、精神文化面では未だ発展途上にあるであろう21世紀社会にあっては、 制度そのもの・その存在意義を優先するよりも、国民・個人の利益を優先した社会にすることが、我々の最も理にかなった国家政策ではなかろうかと思われる。 時には、利便性よりも、多少不便でも、我々の能力に見合った制度のあり方を考え、それを正しい方向に導いて行くというのが、 人間の人間たるゆえんである。逆に解すれば、それすらもわからないようであれば、人間とは言えなくなる。

 国民にとって、豊かな国作りをするためには、ただ単に、制度を増やして行けば良いというのではない。また、既存の制度であっても、国民生活にとってリスクとリターンを比較し、 得るものが少ない、あるいはリスク大と判断すれば、潔く制度を撤廃することも必要である。共通番号制度(法案)に関していえば、どう見ても、 今の日本には、荷が重すぎる制度のように映る。

・内閣府PR、共通番号制度の主眼。
 (1)利便性、公平・公正
 (2)経済的効率
 (3)セキュリティー面には、細心の注意を払って対処

 (1)の利便性は、事務処理の効率化を考えれば、国民よりも国家にある。公平・公正といわれても、比較対照が個人にはできないから国民の利害というよりも国家の利害に関係してくる。 (2)の経済的効率は、国家・国民共にあるだろう。(3)のセキュリティー、番号制度導入を条件に必要になるものであるが、セキュリティーに万全はあり得ないから国民にとっては、 無味乾燥なものであるといえる。加えて、罰則を設ける案も出ている。罰則を設けなければならないほど危険なものなら、はじめから作らないほうが良いに決まっている。

 いつもながらそこには、国家性善説が垣間見られる。国家の理想はわかるが、国民目線に立った考え方からは程遠いようだ。制度を敷くことで何が起こるのか、性悪説に立ったものの見方が必要である。

 個人情報について、これまでの区分け処理というストッパーを外せば、国民は、全面的に国家を信用しなければならないことになるが、 今の国家には、果たして国民の信頼に応えるだけの信用力を持ち合わせているだろうか?また、どれだけの国民が、今のご時世、国家と一心同体であろうとするほど国家に魅力を感じているだろうか? 国家は尊重するが、さすがに、国家に命を預けるほどの勇気ある国民は少ないだろう。なるべくなら、干渉しないでほしいと願う人のほうが大勢を占めるに違いない。 これまでどおり、国民は、国民としての義務を果たし生きて行くのだから、それで国は、何不自由ないはずである。

 国家と国民は、互いに依存し合う関係ではなく、もちろん、一方が他方を管理するという主従の関係ではなく、互いに尊重し合える関係が大事であるということをイギリスの教訓が物語っている。 国家が自国の政策を国民の声を無視して、独自の判断で行うというのであれば、国家の進むべき方向性がどこか間違えている。真に強い国家となるには、 まず、国民の信認を得られるような国家的判断が条件になることは言うまでもない。それを無理に強いれば、国民に何らかの形で、負荷を与えることになり、 国家が弱体化することに国家自らが先頭に立って力を注ぐという愚昧を働くことになる。そうなれば、国民は、国家に失望し、国家からますます距離を置いてしまうだろう。

<以下割愛>

6. 【Daily Mail報道】
英国政府発行のIDカードのセキュリティが12分で破られる
ノートPCと携帯電話を使ってカード内データの複製と書き換えに成功
(2009年08月10日)

 あるITエキスパートが英国内務省発行の外国人向けIDカードのハッキングに12分で成功したと、タブロイド紙のDaily Mailが報じた。同紙は、暗礁に乗り上げた感のあるIDカード計画に今回のハッキングが「とどめを刺すことになる」と述べている。

英国の内務省が発行するIDカード(この画像は、同省Webサイトに掲載された国民向けIDカードのサンプル)
 ITエキスパートのアダム・ローリー(Adam Laurie)氏は、IDカードの全データをコピーしてカードを複製し、その複製カードの情報を書き換えることに成功したのだという。この処理に使用した機器は、ノートPCとNokiaの携帯電話のみとのことだ。
 このハッキングは、外国人向けに発行されたIDカードを使って行われた。書き換えられたデータには、氏名、生体認証用データ、指紋などの情報が含まれる。ローリー氏は、警察がアクセスできるデータ領域に「わたしはテロリストだ。見つけ次第撃て」というメッセージを残しておいた。
 Daily Mailによれば、希望する国民に対して2010年から発行される予定の国民用IDカードにも、この外国人用IDカードと同じ技術が使われるとという。
 英国内務省の報道官は、Computerworld英国版に対して、この報道について「まったくばかげた話だ」と語った。カードには最高レベルのセキュリティが施されており、個人情報のアクセス/変更が可能だという根拠はないと、同省は述べている。
 IDカードに関する計画は、先行きが不透明だ。7月には、英国内務大臣のアラン・ジョンソン(Alan Johnson)氏が、「国民用IDカードは、もはや強制的なものではない」と発言した。カードを製造する企業との契約も、総選挙後まで延期されることになっており、総選挙により今後が決まりそうだ。保守党は、総選挙で勝利を収めたら、IDカードを廃止すると語っている。
 だが、IDカードが全国民に発行されなかったとしても、データを保持するデータベースは、バイオメトリック・パスポート用として引き続き作成/利用されるだろう。プライバシー・キャンペーン団体のNO2IDに所属するガイ・ハーバート(Guy Herbert)氏は、次のように語る。
 「データベースによって、われわれの生活全般に対する前例のない権力が政府にもたらされ、内務省が政府のキングとなる。カードは、データベースを作るための口実だ」
(Leo King/Computerworld 英国版)
by shin-yamakami16 | 2013-03-22 21:49 | Comments(0)
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            「大間原発」建設現場を見守る Atsuko さん

「フクシマ」から二年:悲劇を風化させる財界・保守「現実派」

                             山上 真

 東日本を襲った大地震と、それに伴う世界史上最悪の「原発事故」発生からちょうど二年目となった今、日本を始めとして世界各地で「反原発」の運動が広がっている。


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 日本では、3月8日から11日に至る数日間に渉って、東京・京都・大阪など全国数十の都市で、安倍政権の「原発再稼働」に反対する集会・デモが展開された。一頃より参加人数は減ったものの、全国的な規模に拡がったことに大きな意味がある。

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               台北での「反原発」デモ

 台湾では、台北など4都市で、野党支持者などを中心に約10万人が、日本の日立・東芝製造の「日の丸原発」建設などに反対してデモが繰り広げられたという。

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 欧州では11日、仏・独・英などで「反核」デモが行われ、特にパリでは2万人の参加者が「人間の鎖」を作って、「アレバ」など原子力企業・関係施設を包囲したという。すでに2020年までに「原発廃棄」を決めているドイツでも、数万人が「即時廃炉」を求めて北部原発などでデモを行い、ベルリンでは、日本政府の「原発再稼働」政策に反対する数百人が日本大使館前で集会を開き、大使館員に抗議文を手渡したという。

 あれだけの大災害を起こし、未だなお多くの人々を苦しめている日本*「原発事故」は、放射性物質を空中や海水を通じて撒き散らし、「世界的な不安」を掻き立て、二度と繰り返すことを許されないものである。日本が特に無二の「地震国」であり、「原子力」施設に「確実な安全性」を付与不可能な国土環境にあることを自覚するならば、「原発再稼働」などということは明らかに「論外」の筈である。

 にも拘らず、安倍政権が「再稼働」を言う背景には、一つには、「円安」に伴う「エネルギー輸入」のコスト高騰と、その結果としての「貿易赤字」拡大を抑える為に、何とか「原子力エネルギー」再興で乗り切ろうとする「経済戦略」と、一つには、財界・経団連の要請を受けて、東芝など原子力産業の国内外進出・拡大を後押しさせたいという「大企業援護」策があるからだろう。

 そこには、国民の「生命・健康」を保障するという、必須とされる最も基本的な政治家としての信条・姿勢が見られない。「新規原子力施設は安全だ」という「企業側の宣伝」を丸呑みにして、これまでの自民党が踏襲してきた「行き当たりばったり」の原子力行政を、「大悲劇」を経てもなお、繰り返そうとしているのは、正気の沙汰ではない。

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 昨日3月11日の米国『ワシントン・ポスト』紙は、「フクシマ核事故から2年後の日本では、新核施設建設が再び始まっている」と題する記事を掲載し、青森・*大間のこの施設近くに住む女性Atsuko さんが、家の前に展開する核施設の建設再開の様子を不安げに見守る写真を紹介している。彼女は、今は亡き母が続けていた「反原発」の運動を受け継ぎたいという強い思いで、この自宅に踏みとどまっているということだ。
Atsuko Ogasawara has watched a nuclear power plant be built from her yard for the past five years. Her choice to remain in her home is driven by her determination to carry on her late mother’s fight against nuclear power.


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      総合進捗率 37.6% (2011年4月20日現在) 電源開発(株)殿提供


  『ポスト』紙の記事<要約>は次の通りである。(原文:参考資料2)

 チェルノブイリ以来最悪の原発事故から未だなお癒えていないこの国の、本州北の果ての半島では、600人の作業員・技術者たちが真新しい核施設を建設している。巨大な建物とクレーン、送電線が既に設けられているが、この国では、未だ将来的な「核エネルギー」の役割については意見が分かれている。

 この建設に携わっている「日本電源」'J Power' は、「原発」に好意的な自民党政権復帰という好条件に恵まれながらも、日本人の多くは長期的な「原発依存」を脱しようとしている中で、いずれ日本は再び原子力に頼らざるを得ないだろうという期待の下での、一種の「賭け」に出ているのだ。

 確かに専門家の中には、地方財政の「原発依存」体質や、核エネルギー放棄の場合の輸入化石燃料依存に依るコスト高と貿易赤字を懸念する故の、「原発依存の根強さ」を指摘する人々がいる。

 日本の首相は「フクシマ」以来、三度替わったが、「原発」については、「反対」から段々と「肯定」に様変わりしている。「原発」反対運動も、統一が取れておらず、このところ、やや「落ち着いた」感じだ。

 大間の町は、財政の15%を「原発」受容故の国からの補助金に頼っており、雇用や図書館・プールなど公共施設も「電源開発」の援助で出来ている。

 「電源開発」としては、ここまで投資してきて「原発撤退」など考えられず、前政権さえ事実上の「建設継続」サインを出している以上、自民党政権がNoを言う筈がないと踏んでいる訳だ。
                               (2013.03.12)

                  <追記>
1. 本日3月12日付の『読売新聞』に依ると、大間原発を建設中の「電源開発」は、11日、大間原発の「活断層」問題について追加の地質調査を月内に始めると発表したという。

電源開発が追加調査 大間原発活断層問題で

 電源開発は11日、建設中の大間原発(大間町)で追加の地質調査を月内に始めると発表した。調査は1年以上かかる見通し。同社はこれまで原発敷地内に活断層はないと主張してきたが、活断層を巡って原子力規制委員会の専門家チームに東北電力が追及されたことなどから、「より詳細な調査が必要だ」(同社関係者)と判断したとみられる。

 電源開発は敷地内で約1500メートルのボーリング調査を行い、地下深部の地質構造を分析するほか、航空機によるレーザー測量で敷地周辺の地形も調べる。

 同社は敷地内で見つかった地層のずれを「地下水で地層が膨らむ『膨潤』によるもの」と説明してきたが、東北電東通原発の活断層を巡っては、敷地内地形の変状を膨潤で説明する東北電に対し、専門家チームは「膨潤による地層のずれは世界的にも実例がない」などと激しく反発した。

 規制委は大間原発の断層に関する現地調査の必要性を検討中だ。調査対象となった場合、これまでに集めた地層のデータだけでは乗り切れない可能性もある。

 また、同原発を巡っては東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)が原子炉から北約200メートルの敷地内に活断層があると指摘するほか、原発南西の下北半島沖や、北東の津軽海峡に二つの海底活断層の存在が取りざたされているが、電源開発は「海底活断層」は追加調査の対象外とした。

 渡辺教授は「しっかり調査をするのは結構なことだが、何を目的にした調査なのかが分からない。海底活断層が原発近くにあるのは明らかなので、対象外とすれば、新たに調査を実施する意味はない」と批判している。
(2013年3月12日 読売新聞)

<写真> The Washington Post, Le Monde, MSN, Libération



             <参考資料>
1. 3月23日付『東京新聞』
【社会】
セシウム17兆ベクレル流出か 原発港湾内濃度から試算
2013年3月23日 18時29分
 東京電力福島第1原発の港湾内で海水の放射性セシウムの濃度が下がりにくい状態が続いていることに関し、汚染水の海への流出が止まったとされる2011年6月からの約1年4カ月間に、計約17兆ベクレルの放射性セシウムを含む汚染水が海に流れ込んだ恐れがあるとの試算を、東京海洋大の神田穣太教授がまとめた。
 東電は、11年4月に1週間で意図的に海に放出した汚染水に含まれる放射性物質の総量を、約1500億ベクレルと推計しているが、その100倍以上に当たる。
 神田教授は「現在も地下水や配管を通じて流出が続いている可能性がある。すぐに調査すべきだ」と指摘している。
(共同)

2. 3月11日付『東京新聞』
【社会】
原発関連死789人 避難長期化、ストレス 福島県内本紙集計

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 東京電力福島第一原発事故に伴う避難やストレスによる体調悪化などで死亡したケースを、本紙が独自に「原発関連死」と定義して、福島県内の市町村に該当者数を取材したところ、少なくとも七百八十九人に上ることが分かった。死者・行方不明者一万八千五百四十九人を出した東日本大震災から十一日で二年。被災三県のうち福島では、宮城、岩手よりも多くの人が今も亡くなり続けている。原発事故は、収束していない。(飯田孝幸、宮畑譲) 
 地震や津波の直接の犠牲者だけでなく、震災や事故後の避難中などに亡くなった人に対し、市町村は「震災関連死」として災害弔慰金(最高五百万円)を給付している。福島では二十二市町村が計千三百三十七人(十日現在)を関連死と認定。二十市町村はこのうちの原発事故に伴う避難者数を把握しており、本紙で「原発関連死」として集計したところ七百八十九人に上った。南相馬市といわき市は把握していない。
 南相馬市の担当者は「事故後、市全域に避難指示を出した。震災関連死と認定した三百九十六人の大半は原発避難者とみられる」と話しており、これを合わせると原発関連の死者は千人を超えるとみられる。
 二百五十四人が原発関連死だった浪江町では、申請用紙の「死亡の状況」欄に「原子力災害による避難中の死亡」という項目がある。町の担当者は「全員がこの項目にチェックしている。自殺した人もいる」と話す。
 震災関連死の認定数は、福島より人口が多い宮城で八百五十六人(八日現在)、岩手が三百六十一人(一月末現在)で、福島が突出している。復興庁は「福島は原発事故に伴う避難による影響が大きい」と分析している。
 認定数の多さだけではなく、影響が長期に及んでいるのも福島の特徴だ。震災後一年間の震災関連死の認定数は福島が七百六十一、宮城六百三十六、岩手百九十三。その後の一年の認定数は福島が五百七十六、宮城が二百二十、岩手が百六十八。今も申請は続き「収束が見えない」(浪江町)という状況だ。

 3月13日付『東京新聞」
【社会】

自殺12人 原発関連死 福島県内

 東京電力福島第一原発事故に関連して、福島県内で少なくとも十二人が自殺した可能性のあることが、原発事故関連訴訟の弁護団や市町村、地元農業団体への取材で分かった。このうち震災関連死と認定されたと確認できたのは二人で、五人は申請していない。遺族が自治体に相談して断念した事例もあった。原発による死は、行政が定める関連死の枠外にも存在する。 
 本紙の集計では、福島県内で震災関連死と認定された千三百三十七人のうち、少なくとも約六割にあたる七百八十九人は原発事故の避難などに伴う「原発関連死」だったことが判明している。本紙で把握した自殺者十二人のうち、少なくとも五人の遺族は関連死の申請をしておらず、この「原発関連死」の人数には含まれていないことになる。
 うち須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。遺族によると、男性は原発事故後「福島の百姓は終わりだ」と話していたという。
 川俣町の女性(58)は夫婦で養鶏場に勤めていたが、原発事故で失職。計画的避難区域にある自宅に一時帰宅中の一一年七月一日、焼身自殺した。
 市町村への取材で、南相馬、浪江、富岡の三市町で自殺を関連死認定したことを確認できたが、人数は明かしていない。須賀川、二本松両市には遺族から、どういう場合に関連死に認定されるのかといった相談があったが、申請には至らなかったという。
 原発事故との因果関係の立証の難しさや、自殺を表沙汰にしたくない心理が申請を躊躇(ちゅうちょ)させる要因と指摘する専門家もいる。
 一方、遺族への取材によると、飯舘村で一一年四月十二日に自殺した百二歳の男性は関連死と認定された。村が全村避難を検討している段階だった。
 厚生労働省が震災後、自治体に例示した関連死認定の基準は、自殺について「発作的なものでなく、震災を契機としたストレスによる精神的疾患に基づくもの」を認定対象にしている。震災関連死に詳しい津久井進弁護士は「福島の場合、インフラや住宅の整備で復興への道筋が見えた過去の震災とは、将来に対する絶望感がまったく違う」と指摘。「医学的な要因だけでなく、社会的背景が原因の場合も認められるべきだ」と指摘する。  (飯田孝幸、大平樹)

3. 3月11日付『ワシントン・ポスト』紙 ー「福島原発事故から2年の日本では、新核施設の建設が始まっている」

The Washington Post
In Japan, two years after Fukushima nuclear accident, work resumes on new plant

By Chico Harlan, Monday, March 11, 8:33 AM
OMA, Japan — At the remote northwestern tip of a snowy peninsula, beyond a small road of fishing shacks and empty one-story homes, 600 construction workers and engineers are building a brand-new nuclear plant for a country still recovering from the most severe atomic accident since Chernobyl.
The main reactor building is already at its full height, though draped in heavy fabric to protect it from the wind and freezing temperatures. A 500-foot crane swivels overhead. A completed power line stretches along a nearby ridge, where it might one day carry electricity down the peninsula and back toward the Japanese mainland — a place still fiercely divided over the long-term role of nuclear power.
In the aftermath of March 2011 meltdowns in Fukushima that contaminated 700 square miles with radiation and forced 150,000 to flee their homes, most never to return, Japan’s utility companies paused nearly all nuclear-related projects. The accident sparked a global debate about nuclear power, but it was especially fierce in Japan, where all 50 operable reactors were taken offline and work was halted on three new plants where building had been underway.
But two of the existing reactors are back in action, and the resumption of construction at the Oma Nuclear Power Plant here — a project that broke ground in 2008 and was halted by the operator, J-Power, after the accident — marks the clearest sign yet that the stalemate is breaking.
The green light for the new plan was, at its root, a bet by the energy company that Japan will come to again support and rely on nuclear power, which provided some one-third of Japan’s electricity before the Fukushima crisis.
Analysts say that predicting the direction of Japan’s atomic future is difficult and that J-Power’s decision is a risky one — even with a ­pro-nuclear party back in power — because a majority here opposes long-term nuclear dependence.
Still, experts see modest evidence of nuclear power’s resiliency. Japan has traditionally built its nuclear plants in far-flung towns that depend on the facilities for the subsidies and tax dollars — as well as the jobs — they bring. Consumers and big businesses fear the long-term economic pain of a nuclear phaseout — increased dependence on imported fossil fuels, annual trade deficits, higher energy bills.
At the national level, Japan has cycled through three prime ministers since Fukushima — the first fiercely anti-nuclear, the next moderately anti-nuclear, the current one cautiously pro-nuclear. The previous ruling party tried last fall to plot a nuclear phaseout by the 2030s, but anti-nuclear advocates say the pledge was watered down to the point of being meaningless. The new prime minister, Shinzo Abe, plans this month to convene the latest in a series of expert panels to help overwrite the phaseout plan, and its makeup suggests that he prefers a role for nuclear power.
Japan’s anti-nuclear movement, which swelled after the Fukushima accident, could still play a role, but it is politically disorganized and has grown quieter in recent months. Individual activists cite the resumption at Oma as controversial but note that the move did not prompt mass-scale protests.
“Right now, the trend is not going in the right direction,” said ­Misao “Redwolf” Shinoto, a leader of the anti-nuclear movement.
Work stoppage
By March 2011, construction at Oma was more than one-third complete, with a 2014 target date for commercial operation. But J-Power voluntarily halted the project after Fukushima. Contractors were sent home or told to find new work. Twenty-three cranes were disassembled and shipped out. Only a skeleton staff stayed behind in Oma. And for the next 18 months, J-Power waited to see whether Japan’s central government would reconsider its long-term commitment to nuclear power.
Gradually the country’s 50 working reactors were shuttered, because of safety concerns or for routine maintenance checks. Two reactors in western Japan restarted in July, but others remain in limbo, requiring major reinforcement against earthquakes, tsunamis and other disasters.
<中略>
Roughly 15 percent of the town’s annual budget comes from government subsidies handed down for its willingness to host the plant. Phasing out nuclear power would be a “sorry thing,” said Oma’s mayor, Mitsuharu Kanazawa.
For its part, J-Power would sustain a “major financial blow” if it could not operate the Oma plant, spokesman Hiroshi Nakatani said in a February interview, though he refused to provide specifics.
With its hydro and thermal stations, J-Power generates 6 to 7 percent of Japan’s power, which it sells to the country’s nine regional utility monopolies. That supply has become even more important post-Fukushima, as those monopolies have less generating capacity of their own.
<中略>
The LDP has said nothing specific about such long-term plans. And even if the party drafts such plans, they could prove irrelevant if the LDP falls from power. But analysts point out that the LDP is Japan’s mainstream party, running the country for most of the past six decades and now reestablished with Abe’s approval rating above 70 percent.
Looking for some clarity, Oma’s mayor, along with the chairman of the chamber of commerce, Kiyotaka Denpo, and representatives from several other towns, traveled in mid-February to Tokyo for a meeting at the Ministry of Economy, Trade and Industry.
They asked the officials to continue to promote nuclear power, Kanazawa and Denpo said. They also asked the government to build a wider and more direct route heading out of town, to enable speedy evacuation in case of emergency.
Finally, Denpo asked about whether the government intended to stick with the plan to phase out nuclear power by the 2030s, as the now-ousted Democratic Party of Japan had called for.
A ministry spokesman declined to say what the group talked about.
The answer Denpo says he heard assures nothing, but it made him feel better about the direction in which Japan was heading.
“I asked them, ‘So, are you going to get rid of nuclear plants by the 2030s?’ ” Denpo said. “And they said no.”
Yuki Oda contributed to this report.

4. 大間町HPより
原子力情報
大間原子力発電所の情報
大間原子力発電所建設計画の概要
大間原子力発電所は、大間町に、電源開発株式会社がウランとプルトニウムの混合酸化物燃料(MOX燃料)を全炉心に装荷可能な138.3万KWの改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を1基建設する計画となっています。

平成11年9月に電源開発株式会社が、国へ原子炉設置許可申請を行い、国の安全審査が開始されました。しかし、用地取得が完了していないことから原子炉の位置を変更し、平成16年3月に原子炉設置許可申請書を提出し、国の安全審査が再開されました。平成20年4月に安全審査が終了し、同月、国から許可を受けました。

現在、電源開発株式会社は、平成26年11月の営業運転開始を目指して建設工事を行っています。

大間原子力発電所では、MOX燃料の使用について、着実かつ段階的に確認しながら進めるため、初装荷はMOX燃料の装荷を炉心の3分の1程度以下から始め、その後、段階的にMOX燃料の割合を増やし、全炉心に装荷していく予定です。
位置敷地等
位置青森県下北郡大間町
敷地面積約130万㎡
電気出力138.3万KW(キロワット)
原子炉型式改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)
燃料の種類ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)および濃縮ウラン

建設工程
着工平成20年5月
運転開始未定

5. 『産経新聞』
原子力規制委、大間原発の活断層調査へ 工事中止の可能性も
2012/11/28 22:57

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は28日の定例会見で、電源開発(Jパワー)が建設工事中の大間原発(青森県)について、敷地周辺の断層を調査することを明らかにした。時期は未定だが、活断層が存在し原発に影響することが判明すれば、工事中止を求める可能性もある。

 規制委は下北半島にある東北電力東通原発(青森県)を含め全国計6カ所の原発での活断層調査を決めている。田中委員長は「(下北)半島全体に断層の議論があり、大間原発も疑念のないようにきっちり調査する」とし、6原発に未完成の大間を新たに加える考えを突如示した。

 大間原発は南西40~50キロの海域に海底活断層があることが、産業技術総合研究所などの調査で判明。確認された長さは約14キロで、原発付近に延長している可能性もあり、同研究所は原発への影響を指摘していた。

 昨年の東日本大震災後に工事を中断していたが、枝野幸男経済産業相が9月に継続を認める考えを表明し、工事が再開された。運転開始は平成28年以降となる見込みだが、田中委員長は「必要があれば追加調査も指示する」と話し、さらに運転計画が遅れる可能性もある。

 電源開発は敷地内に断層は存在せず、敷地外の活断層も問題はないと主張。同社広報室は「規制委から指示があれば対応する」としている。
by shin-yamakami16 | 2013-03-12 10:30 | Comments(0)