世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

<   2013年 09月 ( 1 )   > この月の画像一覧

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      10月13日北京市長と会談するロンドン市長ボリス・ジョンソン氏

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同時期に中国訪問中のジョージ・オズボーン蔵相:共にキャメロン首相の後継者と目され、中国の英国への「数十億ポンドに上る投資」を誘っている。「尖閣」で衝突する日本は、フランスや英国の中国進出を「指をくわえて」傍観しているだけだ。日本に「明るい未来」は拓けそうにない。


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                 世界の軍事費ランキング


安倍「普通の国」:欧米「戦争国家」への道

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 今朝(9月13日)6時台に、JR横浜・常磐・東武日光の各線で3件の「人身事故」が発生した。首都圏の交通機関での自殺がここ数年、「日常茶飯事」となっている観がある。いずれも、「生活苦」が主な原因となっていることは明らかだ。この日本では、「餓死」で数か月後に遺体発見という悲惨なケースも珍しくない。これが「現代日本」のリアルな姿なのだ。

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 一方では、「景気回復」で高級品を買い漁る「人種」も居るという。「アベノミクス」という経済刺激策のおこぼれに与っている大企業関係者の「ハシャギ振り」は確かに目立っているが、国民大多数は、食品など生活必需品や、電気・ガソリンなどの値上がりに苦しんでいるのが実態である。生きる為の最後の救い =「セーフティーネット」であるべき「生活保護費」切り下げ・ 支給「厳格化」によって、「生きるすべ」を奪われた人々の宿命が、冒頭に記した悲劇を生んでいることは間違いない。

 そんな状況の中、安倍首相は来年4月から消費税を8%に引き上げる方針をほぼ固めたという。最終的政策目標として「改憲」を狙う安倍首相としては、一定の国民「支持率」を維持しなければならず、それを確実に「下げる」政策を先送りしたいところだが、既に始まった大規模「軍拡」費用捻出と、「円安」による「輸出」企業優遇策の為には、特に財界から求められている「国民賦課増大」策、即ち、消費「増税」は避けて通れない「至上命題」ということになる訳だ。こうして、安倍政権は、社会保障・健康保険など、国民生活に直接関わる部門に緊縮策を採って歳出を減らす一方、大衆増税し、*軍需産業など「国策」に資する大企業には、「財政赤字1000兆円」を無視した「財政出動」や、「法人税引き下げ」によって優遇措置を施すという「国民不在」の政策を続けている。

 日本の財政支出の中で、最も不可解なのは年間4.9兆円に達している「防衛費」だ。国民にとって最も身近で必須な「教育費」=「文部科学費」5.4兆円にほぼ匹敵して、世界第4位という巨額な軍事予算だ。

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              「ヘリ空母・いずも」:1200億円

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          イージス艦「こんごう」:一隻1200億円(日本6隻保有)

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               P-3C 対潜哨戒機;190億円


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               F35A戦闘爆撃機:200億円

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            時速100キロ「機動戦闘車」:開発費180億円


 ご承知の通り、日本国憲法は「戦争放棄」を唱い、他国との交戦権を一切認めていない。にも拘らず、例えば一機200億円ものF35A戦闘爆撃機を40機米国から買い、一隻1200億円の「ヘリ空母・いずも」型を2隻建造するという。
 少なくない人々が「食うや食わずに居る」国で、せいぜい「人殺し」にしか役立たぬ軍備に「現を抜かす」政治とは一体何だ?
 
  これらの動きは、「尖閣」国有化と、それに引き続く「日中対立」を梃にして、安倍政権がむりやり合理化している政策であるが、「憲法上」は固より、日本が引き起こした過去の「*戦争の惨禍」を顧みれば、決して許されないものである。
 これらの無謀な政策の齎す、近い将来の「危険性」に気づかない多くの国民と、日頃の報道で「問題提起」を意図的に怠っているマス・メディアの「罪」は誠に深いものがあると言わねばならない。

  よく「欧米通の識者」は、西欧の「付加価値税」のレベルを引き合いにして、日本の消費税を「低過ぎる」などと宣っているが、例えば、「食品にかかる税が零」であることを言わなかったり、高い税金が NATOの遂行するアフガン戦争「戦費」に浪費されたりしている現実を無視している。安倍氏が目指す「普通の国」とは、欧米諸国の如くに、当たり前に「戦争が出来る国」のことなのだ。

 恐らく安倍政権は、消費税を「国民生活に役立つように使う」などという常套宣伝に手を染めるだろうが、最近の一連の*世論調査結果が示すように、如何に巧妙な「世論誘導」をしようとも、生身の「人間」を無視した増税には、国民はいずれ厳しい判断を下すに違いない。  (2013.09.13)

                 <追記>
1.一昨日、『読売』を除く大手新聞は一斉に、民間企業従業員の給与が過去二年間連続して一万円ずつ下がったこと、「非正規」と「正規」従業員の給与差が年間300万円にも達する、という驚くべき事実を含む国税庁「民間給与実態統計調査」結果を報じているが、現政権の経済政策にも大きく関わるこの重大な事実をどう報道機関が扱うかを知るべく、今日29日・日曜日の『テレビ朝日』・「報道ステーション」に的を絞って観てみた。ところが又驚いたことに、上記の問題に一切触れず、「五輪」・安部政権「賛美」と、「中国内情」など、何ら緊急性を帯びない事柄に終始していた。これは以前から感じていたことだが、このテレビ局のニュース番組の中でもとりわけ、経済界・政権への距離が近過ぎる番組であることが再確認された。人々の「暮らし向き」に無頓着な番組は、いずれ視聴者大衆に見捨てられるに違いない。    (2013.09.29)

2. 昨日夕刻の安倍首相「消費増税・決断」声明を受けて、経済状況への影響、及びマス・メディアの取り扱い方に注目してみた。先ず株価に就いては、米国の方は「財政危機」にも拘らず、Dow が昨日 64ドル値上がりしたのに対し、「日経平均」は本日314円という大幅下落に終った。「消費増税」の影響が出たという解釈が当然為される筈だが、今夕の民放各社は、全く「ダンマリ」を決め込んでいた。僅かに『日経』が午前中のWeb 紙面で、消費増税に因る「景気減速」を懸念する海外ヘッジファンドが「日本株・大量売りに出ている気配」という風な記述をしていた。夜7時からの NHK ニュースでは、世田谷の経堂商店街での「消費税増税」への反応を具に取材していた。そこでは、8%への「価格転嫁」に迷う小売り店主たちの苦悩や、「ほぼ半分」の店主が「景気に悪影響を及ぼす」と述べる様子を放映していた。 (2013.10.02)

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            世田谷・経堂商店街での調査ーNHK・HPより

3. 本日も日本株式は170円余り下げて、一万4千円台を大きく割ってしまった。安倍首相の「消費増税」宣言以来、4日連続の下落を記録しているにも拘らず、マス・メディアは相変わらず、ひたすら米国での「経済混乱」の所為にしているが、米国株が時折り上昇しているのを見れば、如何に日本が異常であるかが素人目からも分かる筈だ。大方の投資家たちは、先の見通しが利かない状況に嫌気を差して、株式市場からの「逃避」を図っているのが実情だろう。当面の経済状況について、まともな説明を全くしないメディアは、それ程までに安倍「消費増税」弁護を続けたいのだろうが、恐らく「真実」が露呈するのは間もないと思われる。 (2013.10.07)

4. 昨日の『東京新聞』に依れば、安倍首相の「フェイスブック」コメント欄に、「消費増税・抗議」の意見が殺到しているという。これまで首相を支持してきた保守層までも、「叛旗」を翻し始めたということだ。  (2013.10.14)

首相フェイスブック 異変 「いいね」期待感一転 消費増税で批判殺到
安倍晋三首相のインターネット上の会員制サイト「フェイスブック」に「異変」が起きている。これまで首相の投稿に対する利用者のコメント(返信)は好意的な内容が目立ったが、一日に首相が消費税率引き上げを決定した際は一時、批判が殺到した。
 首相がフェイスブックを積極的に活用し始めたのは、ネット選挙運動が解禁された参院選前の六月半ば。外遊の様子などを写真付きで紹介するなど、ほぼ毎日更新し投稿してきた。
 投稿には、サイト利用者ならだれでもコメントを書き込める。参院選の自民大勝や東京五輪招致の成功など、政権にとっては吉報が続き、コメント欄にも「強い日本の立て直しを期待します」などと好意的な言葉が相次いで寄せられた。
 しかし、首相が「消費税率の引き上げを決定した」と投稿すると状況は一変。約四千件に上るコメント欄には「全く賛同できない」「給料も増えていないのに皮算用にも程がある」などが並んだ。
 首相周辺は「首相は財務省と戦っていると期待していた保守層ががっかりしたのだろう」と指摘。
<後略>

5. 本日付『毎日新聞』に依ると、「日本版NSC 」と共に、安倍政権が「戦争準備」策として今国会に提出した「特定秘密保護法案」に抗議して、5夜連続して首相官邸前で市民集会が開かれているという。「金曜日反原発」デモと共に、これらの「平和」の為の大衆行動は、一層の拡大が求められている。 (2013.10.25)

6. 昨日25日の東京株式市場は、平均株価400円近く下げて、1万4000円台を何とか維持する状況に陥っているが、大手新聞などメディアの「株下落・説明」が殆ど見当たらない。恐らく、「消費増税」発表後の、安倍首相の国会での説明の「物足らなさ」と、海外での「低評価」が主因であろうが、「1万5000円」台への株価上昇を当て込んだ五輪「勝利」のお祝いムードに、冷水を浴びせる事態であることは間違いなかろう。(2013.10.26)
   
<写真>Wikipedia, Global Note, Daily Mail 

*印<注> 軍需産業:艦船・*航空機・火器
三菱重工業 川崎重工業 川崎造船 IHI - 旧・石川島播磨重工業。2007年7月改称。
アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド アイ・エイチ・アイ・エアロスペース - ロケット・モーター(元日産自動車の航空宇宙部門) 三井造船 日立造船 ユニバーサル造船 ナカシマプロペラ- 潜水艦・艦船推進器など 佐世保重工業 神戸製鋼所 日本製鋼所 ヤマハ発動機 富士重工業 日本飛行機 新明和工業 昭和飛行機工業 住友精密工業 ヤンマー ミネベア 豊和工業 日本工機 ジャムコ リコーエレメックス - 砲弾・ミサイルなど 旭精機工業 - 弾丸 細谷火工 日本化薬

*「戦争の惨禍」:大平洋戦争犠牲者ー「帝国日本」軍戦死者 約230万人 民間人死者 約80万人
海外犠牲者 中国 1700万人以上 朝鮮半島約 20万人 ベトナム 約200万人 インドネシア 約200万人  フィリピン 105万人  ビルマ 5万人 シンガポール 5千人
米国・中国など連合国側 約195万人               合計約 2735.5万人

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              大平洋戦争「国内の熱狂」

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                  真珠湾奇襲

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                ソロモン諸島・ブーゲンビルの戦闘

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              1942.11 ガダルカナル島・日本兵捕虜

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                  ギルバート諸島

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                   大阪空襲

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                  戦艦大和の最期

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                  広島の原爆

ーWorld War II Diaries、「太平洋戦争写真館・国内編 Naverまとめ」より


*世論調査:消費税を予定通りに「2014年4月から8%へ引き上げる」ことに「賛成」は、17% (読売)、21% (毎日)、22.5% (東京)に過ぎない。

                 <参考資料>
1. 10月24日付『MSN産経』経済

37兆円“不良債務爆弾”の導火線に火をつける消費増税、衝撃度は“倍返し”どころではない
2013.10.24 13:17 (1/3ページ)[消費税率引き上げ]

アベノミクス開始以来10カ月、その成果が上々だと判断した安倍晋三首相は来年4月から消費税率を8%に引き上げる。メディアも楽観一色で、日経新聞は14日の朝刊1面特集記事で、「景気回復、裾野広がる 円安が設備投資に点火」とはやし立てた。

 しかし、巷(ちまた)の様子はかなり違う。知り合いの大手税理士事務所には、中小企業経営者から相談が殺到している。「これまでの円安に伴う原材料高すら価格転嫁できないのに、消費増税分をどうやって販売価格に転嫁できるのか」「来年4月からの販売契約を結んだが、消費税率アップ分は認めてもらえなかった」などだ。

 「消費税価格転嫁特別措置法」により、価格転嫁を促す、というのが政府・与党の説明だが「お上」が自由な商取引にいちいち口をはさむのは時代錯誤も甚だしいし、無理がある。
中小企業はアベノミクスの恩恵なし
中小企業は全企業数のうち99.7%を占め、企業従業員の66%を雇用している。大企業は言わば富士山の頂上部分で、中小企業はその中腹から分厚い裾野を形成している。大財閥だけが幅をきかせるだけで中小企業層が貧弱な韓国や、外資と国有大企業中心の中国に比べて、日本の雇用吸収力が高いゆえんである。

 アベノミクスの日が差して輝いているのは頂上だけで、中腹から裾野は依然として暗い。消費増税の嵐の直撃を受けるのは中腹以下の内需中心の中堅、中小企業で、大企業は法人税減税で負担が減る。

 財務省の法人企業統計から、この第2四半期までの企業規模別の経常利益の前年比増減率をみると、アベノミクスがスタートしたことし1月以降、大企業は急速に収益を回復しているのに対し、中堅企業は4月以降に失速、中小企業はアベノミクスの恩恵を受けることなく沈みっぱなしだ。

 そもそもアベノミクスの成果とは、円安と、円安がもたらす株高である。円安は輸入原材料のコストアップを招いている。 円安で大企業と中小企業に格差

大企業は価格交渉力が強くて、仕入れコストの上昇を最小限に抑え込む一方で、抑え切れない部分は販売価格に転嫁する。ところが、中小企業は仕入れ価格の値上がりをのみ込まされるうえに、販売価格を上げられない。

 しかも、大企業は輸出比率が高いので、円安に伴う収益増を満喫できる。中小企業の大半は内需中心なので、円安による原材料高の直撃を受ける。この格差は消費増税によってさらに拡大し、中小企業の疲弊が進み、賃上げどころではない。法人税減税を餌に産業界に賃上げを浸透させるシナリオは危ういのだ。

 ちなみに、リーマン・ショック後の「中小企業金融円滑化法」で棚上げされてきた中小企業約40万社の不良債務は総額で37兆円にも上る。この巨大な債務爆弾の導火線に、来年4月の増税実施とともに火がつく。

 消費増税に伴う民間負担8兆円の衝撃は「倍返し」どころでは済まない。(産経新聞特別記者 田村秀男)

2. 10月13日付『MSN産経』(Record China)
日本の消費税引き上げはフランスの二の舞か―中国紙
2013年10月12日、証券時報によると、日本の安倍晋三首相はインドネシアで行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の非公式閣僚会議に出席する前に、消費税率の引き上げを発表した。来年4月1日から現行の税率5%を8%に引き上げるというもので、1997年以来の引き上げとなる。今みるところでは、引き上げ措置は復興の兆しが見え始めた日本経済に大きなマイナス影響を与える可能性がある。だが影響があることは明々白々だが、日本政府は引き上げ方針を堅持しなくてはならない。その背後にある論理には深く考えさせられる点がある。思うに、日本の消費税率引き上げはフランスで失敗した政策の繰り返しであり、フランスを上回るマイナス影響が生じる可能性がある。(文:王勇(ワン・ヨン)中国人民銀行鄭州培訓学院教授)

安倍首相は昨年12月の就任後、ただちに「アベノミクス」といわれる急進的な経済活性化策を打ち出した。アベノミクスはデフレ環境下の活性化政策の需要には合致するが、歴史的事実から明らかなように、長期的な経済拡張政策の限界効用は減少するもので、活性化の取り組みが長期化すればするほど効用は少なくなる。日本は20年以上にわたり経済活性化策を実施してきたが、経済の年平均成長率は1.1%にとどまった。さらに深刻なことは、長期的な経済活性化策は日本経済の今後の発展に巨額の財政赤字と膨大な債務負担という負の遺産をもたらしたことだ。2008年の金融危機発生後、日本の経済活性化プランにおける支出は75兆円に達し、国内総生産(GDP)の約5%を占めた。このため政府は国債を大規模に発行せざるを得なくなった。日本の財務省が発表した最新のデータによると、日本の国債発行残高はこのほど初めて1000兆円(約10兆ドル)を突破し、GDPの2倍以上になった。債務の対GDP比は先進国のトップで、ギリシャ、イタリア、スペインといった債務危機が深刻な国よりも高い割合となった。ある機関の推計によると、今年末には日本の債務規模は1100兆円(約11兆ドル)に達し、GDPの2.5倍に増加するという。
<中略>
思うに、日本は消費税率の引き上げ政策を制定した時に、ドイツやフランスの教訓をくみ取るべきだった。今月22日、ドイツのメルケル首相は選挙で圧倒的な勝利を収め、3期目を務めることになった。メルケル首相がライバルに圧勝することができた主な原因の一つは、一貫して富裕層に対する増税を否定してきたことにある。フランスの教訓はより切実なものだ。12年7月、フランス政府が富裕層に対する増税政策を発表すると、高所得層の多くが海外に移住した。こうした現象は90年代にすでに現れており、移住した人の多くは社会的エリートで、富を海外に運び去ると同時に、フランスの産業も持ち去り、フランス政府は税収の面でも、人材の面でも、雇用の面でも損失を出した。メルケル首相が長年にわたり富裕層への増税を否定してきたのは、フランスの轍を踏まないようにするためだ。フランスの増税は富裕層だけを対象にしていたため、思いもかけないマイナスの結果になったが、日本の消費税は一律課税であり、対象はすべての消費者だ。消費税は一種の「逆進性の税金」であるため、低所得層ほど実質的な負担が大きくなり、経済へのマイナス影響が大きくなる可能性がある。消費財率引き上げにより、日本の世帯資産の分配がより不公平になる可能性もある。また、日本は高齢化が深刻で、予定通りに消費税率が引き上げられれば、日本の消費の主流となる層の消費力が大幅に抑制され、日本経済が困難な状態に追いやられることは確実だ。中央銀行は安倍首相の来年4月に計画通りに消費税率を5%から8%に引き上げるとの決定を承認し、一歩進んだ通貨緩和政策の実施を検討するとしているが、経済の活性化、財政・税金政策、通貨政策のすべてに同じような効果を上げることはできない。

日本政府が今、来年4月に消費税率を引き上げるとしたのは、時期尚早な決定だといえる。国内外の経済情勢はまだ「これ以上よくなりようがないほど好調」な段階にはたどり着いておらず、日本には消費税引き上げのしっかりした基盤がないからだ。安倍首相が意地になって税率を引き上げれば、最終的には自ら下した決定の代償を支払わなければならなくなる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)

3. 古賀茂明

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古賀茂明「日本再生に挑む」
官々愕々「産軍複合体」という怪物

産軍複合体」という怪物が、日本を破滅の道に追い込んで行くのではないか。最近の安倍政権の安保政策を見ていると、そんな怖れすら感じる。7月の参議院選投票日までタカ派色を一時的に隠してきた自民党安倍政権だが、選挙が終わったとたん、数々の「軍備増強」策を打ち出している。
7月末に出された新防衛大綱の中間報告には、「安全保障環境の変化」を理由に、様々な軍備増強の方針が網羅された。
集団的自衛権行使についても、いつのまにか全面解禁という方向になっている。この方針に否定的な法制局長官を交代させてまで解禁を強行するつもりだ。
武器輸出三原則も形骸化しつつある。防衛装備品輸出を成長戦略の柱に位置付けるという。日本が、ついに死の商人になるというのだ。
「国防軍を保持する」と書き込んだ自民党の憲法改正案も防衛産業を喜ばせている。今の憲法には、戦力は「保持しない」と書いてあるので、自衛隊は本来不要だし、持つとしても最小限にという歯止めがかかる。しかし、改正案では国防軍を持たなければ違憲となる。しかも、「我が国の平和と独立」「国及び国民の安全」確保のためと書いてあるので、中国を仮想敵国とみなす安倍政権では、中国に負けない軍備保持が憲法上の要請になってしまう。軍拡のために作ったような条文だ。
一方、強大な利権構造を築いている中国の「産軍複合体」も、安倍政権の軍拡路線を歓迎している。何故か。彼らが一番気にしているのは、実は日本の軍事力ではない。中国軍の拡大路線に対する厳しい国際世論だ。中国軍は、南シナ海で外見上融和路線を見せたりしているが、これは、国際世論が抑止力になっているからである。
世界の注目を集める安倍政権の右傾化路線は、中国軍部にとって願ってもない宣伝材料となった。安倍政権が戦争責任を認めず、帝国主義的侵略戦争への準備を始めたと喧伝すると、日本の軍拡路線に対抗するために中国も軍拡を続けざるを得ないという理屈として使えるからだ。実は、ロシアの北方四島返還反対派もこの理屈で四島返還に反対している。
中国の軍拡は、さらに日本の軍拡を呼ぶ。こうして両国の「産軍複合体」が喜ぶ軍拡競争がエスカレートして行く。しかし、これは日本にとって最悪のシナリオだ。
何故なら、日本には軍拡競争に堪える経済力がない。成長戦略の議論は宙に浮いたまま、目に付くのは族議員の予算の分捕り合戦だけだ。局地戦の戦費調達さえ危うい。中国軍の駆け引きは、それを見越しての上だ。
米国も余力がなくて中国とは戦えない。だから、中国か日本かという踏み絵を踏まされる事態は絶対に避ける。日本が中国と本気で対立しても、戦いにならないように譲歩させられるのが落ちだ。米国を頼りに軍事力で中国と対峙しようという安倍政権の戦略は、絵に描いた餅、単なるタカ派のユートピアに過ぎない。
では、どうすればよいのか。
憲法の前文に答えがある。中国の軍拡路線に危機感を持つ世界の国々と手を携えて、中国を抑える。そのためには、日本が世界から平和国家として信頼されなければならない。それしか今の日本には手がない。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう」「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」という前文の言葉こそ、最も現実的な国防戦略なのだ。
終戦記念日に、戦争責任と不戦の誓いを避けた安倍総理。中国との戦争も辞さないという意思なのか。首相には憲法を尊重する義務があるのだが。
『週刊現代』2013年9月14日号より
by shin-yamakami16 | 2013-09-13 14:56 | Comments(0)