世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

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3月14日、新著 'The Tragedy of the European Union'『EUの悲劇』紹介でロンドンを訪れたSoros氏:日本「新秘密保護法は説明責任を危うくする」



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Rogers氏:「アベノミクスは日本国民の災厄」

                                   山上 真

 これまで日本人投資家を上回る年間15兆円もの日本株式投資を行ってきた海外投資家たちは、最近の日本の「異常な」政治・経済そして社会状況に鑑み、ここに来て果たして所謂「アベノミクス」が今後も機能して行くのかということについて,*懸念を抱き始めており、すでに著名な米国人投資家*G・ソロス氏などは今年に入って日本株を「売り」に転じていることが*確認された。

 G.Soros氏について調べたところ、同氏は東欧出身の投資家であるばかりでなく、世界中の人々を同胞として、その運命に一方ならぬ関心を抱く「哲学者」であることが分かった。それ故に、嘗て東欧の「自由化」に深く関わり、G・ブッシュ大統領の*「市場原理主義」に異議を唱えて、民主党大統領候補を支援したという。投機家として成功する一方、「現在、彼の得た大金の大半は、途上国と新興国の社会が『開かれた社会』になるために使われている」ということだ。

 Soros氏は単なる一投資家であることを超え、広く公共的利益のために政治経済に対する主張と活動を展開しており、たとえそれが金融市場における自己利益の追求での減損を意味するものであったとしても、公共の利益のためならば市場システムの問題改善を要求することにやぶさかではないということである。彼がしばしば「国境なき政治家」と呼ばれる所以である。

 例えば、英国経済への「干渉」についての次の様なエピソードが存在する。 
 「以前よりソロスは彼の部下スタンレー・ドラッケンミラー(Stanley Druckenmiller)(後に世界的に著名なヘッドファンドマネージャーとして知られるようになる)と共に、イギリスの経済力に比して通貨ポンドが政府により無理に高く固定されていると考えていた。イタリアによるリラ切り下げを契機として彼らは短期間に巨額のポンド売りを行った。これによりポンドは大きく下落した。イギリスはユーロ導入に向けポンドを*ERMのルールに基づき固定させる必要があったため、イギリス政府・財務省はポンドの下落に対し買い向かったが、資金が尽き、固定相場制を解きERMを脱退、ユーロ導入を断念した。イギリスがERMを脱退しユーロ導入を断念して以後、イギリス国内経済は、1993年より2008年まで長期に渡り失業率の改善・安定経済成長・安定インフレ率を実現した」—Wikipedia
*ERM;欧州為替相場メカニズム (European Exchange Rate Mechanism)

 ソロス氏はその後「「イングランド銀行を潰した男」という異名を馳せることになった。この「逸話」を見ても、Soros氏の資金力は一国の財政をも動かす程のものであることが分かる。

  Soros 氏の『開かれた社会』財団は、
’The Open Society Foundations’ work to build vibrant and tolerant democracies whose governments are accountable to their citizens. とある様に、「政府が国民に説明責任を果たすような、活力あって寛容な民主主義を造る為に活動する」組織であるが、ご多分に漏れず、今日の日本の政情にも、並々ならぬ関心を抱いていることは当然である。

 筆者が先日この『開かれた社会』OSF・ホームページを覗いていたところ、昨年12月6日付*Press Release で、日本の所謂「特定秘密保護法」についての長文の「批判記事」が掲載されているのを見つけたので、ここにその概要をご紹介したい。

 「日本の新国家秘密法は公的説明責任を害う恐れ」—Japan's New State Secrecy Law Threatens Public Accountability—<原文・参考資料3>
December 6, 2013 Open Society Justice Initiative

『開かれた社会』司法先導部門は、金曜日に日本国会で採択された新国家秘密法の条項に深い憂慮の念を表明した」

「上級司法官Sandra Coliver は、この新法は国家秘密や防衛問題について公的に知る権利への厳格な制限を設ける点で国際的基準を遥かに下回っていることを指摘した」

「この法律は日本の逆行姿勢を象徴しており、適切なる公的説明責任を害うレベルの秘密保持を主張している」

「米国政府3省の国家安全保障役員を務めたOSF上級顧問Morton Halperin氏は、この法律は21世紀に於いて民主主義国家が考案した最悪の代物であり、同じく懸念されることは、広範な聴聞や、市民社会や世界的な専門家との協議なしに法制化された際の拙速さである,と述べた」

「国連『言論の自由』部会特別報告担当Frank La Rue 氏は、この法律が秘密の為の非常に広範かつ漠然とした根拠を設けている様に見えるだけでなく、内部告発者や秘密について伝えるジャーナリストさえも脅かす恐れのあるものだと語る」

「特定秘密法」の特徴として、
*劇的に「防衛機密保護」に重点を置いていること
*秘密秘匿義務を負う範囲が内閣・官庁関係者に広くおよぶこと
*秘密漏洩の罪が5年から10年と倍加されること
を指摘している。 

 更に、この法律が「秘密保護」の範囲を決める「独立審査機関」の条項が無いこと、秘密暴露に因る「公的利益」保護の視点が存在しないことを指摘する。

 OSFはここで、欧米や国連で「国家安全保障」と「情報への権利」の原則として広く通用している*’Tshwane Principles’ の諸基準のレベルに日本「秘密保護法」が遥かに及ばないことを指摘する。

 最後にOSFは、「国家安全保障は公共社会が安全保障活動を含む国家の諸活動について充分に情報を与えられている場合に最も守られるものだ」と結論付けている。

 付け加えるならば、「ファッシズム国家」成立の芽にもなりかねない今度の日本「特定秘密保護」法は、「自由と民主主義の砦」の筈のオバマ現政権など歴代米国政権が、「日米安保条約」上の軍事機密を守らせる為に、その具備を強く日本に要求してきた結果だということだ。この事実は、「秘密保護」法が日本国会で採択された直後に、オバマ政権ハーフ副報道官が「とても喜んでいる」と述べたことでも明らかだ。

 ソロス氏の思想的・政治的立場が日本・安倍政権に対する痛烈な批判を生み出していることは明白であり、それに伴って、彼が関わる財団が既に伝えられている様に、日本への投資を中止する事態が固定化することになれば、「英国・ポンド」の例まで至らずとも、少なからぬ「日本・経済変動」が齎される恐れがある。

・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 Jim Rogers 氏はG・ソロス氏と共に*「クォンタム・ファンド」を設立した著名投資家であるが、初めての仕事は「5歳の時のピーナッツ売り」だったという人物だ。エール大学を卒業し、ウォール街でのアルバイトで株式を知ったが、英国・オックスフォード大学への留学・数年間の軍務を経て、1968年から見習いアナリストとしてウォール街で働き始めたということだ。

 筆者がジム・ロジャース氏の最近の様子を知ったのは、2月22日、ひかりTV・TBS「ビジネス・ウィークリー」で、ロイター通信・我謝京子記者がロジャース氏にインタヴューしている番組を見た際であった。この番組では、ややカットされている部分が有ることが分かり、今年2月17日にロイターが映した原版ヴィデオに当たってみた。
「アベノミクスには反対」と題するインタヴューでのロジャース氏の*見解の要旨は次の通りである。

 安倍政権の経済政策では、紙幣を無制限に刷って市場を通貨でジャブジャブにしているが、これは円の価値を害い、不健全なインフレを招き,国民生活を困窮させるだけで、「災厄」以外のなにものでもない。国の信用を無くす「債務」を減らすことこそ至上命令だ。

 「アベノミクス」で儲かるのはトヨタなど輸出産業と投資家だけで、私は投資する立場だから好いけれども、物価が上がって多くの国民が結局困るのだから反対だ。何故 2%のインフレを目指すのか?
 
日本株式は今後も大きく上がったり下がったりするが、「アベノミクス」の破局が明らかになるのは、5年から10年後のことで、その時にはもう手遅れだ。

 最後に我謝女史が「それでは私たちは今どうすれば良いのか?」と尋ねたのに対して、ロジャース氏は笑いながら、「他の国に引っ越しなさい、それとも他国に投資しなさい」と述べていたが、満更「冗談」とは受け取れないことだろう。

 
 ソロス、ロジャース両氏は、それぞれの立場で日本との距離を置き始める一方、中国への関心を大きく抱いている様だ。特にロジャース氏は、最近中国・習近平主席が経済動向について「市場が決める」と述べたことを高く評価している。
 もし,日本・安倍政権が今後とも、政治的に「孤立化」する道を選び続けるならば、日本は経済的側面を含む全局面に於いて、「出口なし」の状況に陥るに違いない。  (2014.02.25)

<注> 
Solos 売り:『日経』新聞
日本株を売ったソロス・ファンド、世界景気減速を先読み
 著名投資家、ジョージ・ソロス氏が率いる「ソロス・ファンド・マネジメント」が日本株を売っていた。ソロス氏は昨年末、日本を含め、世界景気の先行…続き(2014/2/20 13:33)

*懸念:Reuters 
東京 21日 ロイター] -政府の産業競争力会議の議員を務める竹中平蔵・慶応義塾大学教授は21日、都内で開かれた講演会で、日本経済は今大きなチャンスを迎えているが、改革を阻もうとする力も非常に強く、「アベノミクス、日本経済はこれから半年が正念場だ」と強調した。
成功には歳出削減など痛みを伴う財政再建と岩盤規制の改革、官営インフラの民間開放が不可欠との持論を展開した。
<アベノミクスの今後、期待と腰折れ半々の可能性>
竹中氏は個人投資家向けイベントで講演。日本株の昨年の上昇率が57%と主要国で断トツだったことを挙げ、「アベノミクスは最初の1年間それなりに成果を出した」と強調しつつも「今後も期待できるのか、それとも腰折れするのか、みなさん同様私も半々とみている」と述べた。
香港で先週開かれた投資家向けイベントで外国人投資家からアベノミクスの行く末について質問が殺到したと述べ、「外国人投資家は昨年15兆円買い越した日本株を買い増すべきか、売るべきか、真剣」と指摘、今後の政策展開に対する海外勢の評価次第で日本株が上下に大きく変動する可能性を示唆した。

<写真>Wikipedia, President

                 <参考資料>
1. G. Soros:概要[編集]
哲学者、慈善家、自由主義的な政治運動家でもある。自身を「国境なき政治家」と称す。
1960年代にファンドを立ち上げ、2010年時点のソロスのファンドの運用資産(そのほとんどは現在では彼と彼の家族の個人資産からなる)は270億ドル。個人資産は220億ドル(2011年)。思考の不確実性と現実の出来事の不確定性の双方向の繋がりに関する概念「再帰性 (reflexivity)」の理論を提唱。2011年1月26日、ファンドでの投資活動から引退したことを明らかにした。同年7月26日、ソロス・ファンド・マネジメント内の外部投資家資金を全額年内に返還することを決定。
また、1979年に始まる慈善事業への寄付金総額は、2011年までに80億ドルを超えた。
ソロス・ファンド・マネジメント会長、Open Society Foundations(OSF、オープンソサエティ財団。旧称: Open Society Institute (OSI))創設者、彼の生まれ故郷でもあるハンガリー・ブダペストにある中央ヨーロッパ大学 (CEU) 共同創設者、Project SyndicateおよびInstitute for New Economic Thinking出資者。過去に外交問題評議会 (CFR) に在籍した時期もある。

自由主義的な政治運動家[編集]
投資・投機家として著名であるが、自由主義的な政治運動家としても知られる。例えば、ポーランド民主化運動において、労働組織である「連帯」へ支援を行い、チェコスロバキアにおける反体制運動であった憲章77と同様に、ソビエト連邦によるこれらの国々への支配を終わらせることに寄与した。また、2003年にグルジアで起こった政変(バラ革命)でも彼の資金提供があったとされ、その成功に重要な役割を果たしたとロシアと西欧双方の識者から評された(ソロス本人はこの見方を、誇張されたものだとコメントしている)。その他、アメリカ大統領選挙において、ジョージ・W・ブッシュの再選に反対する陣営に支援を行っていた。
連邦準備制度議長ポール・ボルカーは、ソロスの著書『ソロスの錬金術』(原題:The Alchemy of Finance)の序文に寄稿し、以下のように述べた。
ジョージ・ソロスは、非常に成功した投機家として、あるいは、まだゲームが有利なうちに手を引く賢明さを具えていることで、その名を知られている。現在、彼の得た大金の大半は、途上国と新興国の社会が「開かれた社会」になるために使われている。ここで言う「開かれた社会」とは、"商業の自由"のことだけを意味しているわけではない。もっと重要なこと、すなわち(人々が)新しい考え方や、自分とは異なった考え方や行動に対して、寛容の心を持っていることを意味している。
慈善事業[編集]

2. The Open Society Foundations
George Soros
FOUNDER / CHAIRMAN
Investor and philanthropist George Soros established the Open Society Foundations to help countries make the transition from communism.

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Christopher Stone
PRESIDENT
Christopher Stone is the president of the Open Society Foundations. He is an international expert on criminal justice reform and on the leadership and governance of nonprofits.
The Open Society Foundations work to build vibrant and tolerant democracies whose governments are accountable to their citizens.
Learn more about our mission »

3. OSF: PRESS RELEASES
Japan's New State Secrecy Law Threatens Public Accountability
December 6, 2013 Open Society Justice Initiative
NEW YORK—The Open Society Justice Initiative has expressed its deep concern over the provisions of Japan’s new state secrecy law, adopted by the country’s parliament on Friday.
Sandra Coliver, senior legal officer at the Justice Initiative, noted that the new law falls far below international standards in setting strict limits on the public’s right to know about national security and national defence issues.
“This law represents a step backwards for Japan,” said Coliver, who heads the Justice Initiative’s work on right to information issues. “It proposes a level of secrecy that threatens proper public accountability.”
Morton Halperin, senior advisor to the Open Society Foundations, who held key national security positions in three U.S. administrations, said: “This law is about as bad as any that a democratic government has considered in the 21st Century. What is of equal concern is the speed at which it was enacted without extensive hearings or consultation with civil society and global experts.”
Frank La Rue, UN special rapporteur on freedom of expression, has expressed concern that the bill “not only appears to establish very broad and vague grounds for secrecy but also includes serious threats to whistle-blowers and even journalists reporting on secrets.”
The new law includes the following provisions:
It would dramatically extend current powers under a 2001 law that empowers the Minister of Defence to keep confidential information “especially necessary to be made secret for Japan’s defence.” The new bill would extend this power to several vague and over-broad categories of information, including defence, diplomacy, “designated dangerous activities,” and prevention of terrorism.
The list of government entities empowered to designate information as secret would be expanded beyond the Defence Ministry to include every cabinet ministry and major agency of the government.
The maximum penalty for disclosure of classified information would be increased to 10 years imprisonment from 5 years under the 2001 law.
There is no provision for reviewof secrecy designations by an administrative body that is fully independent of the executive branch, as well as by the courts.In addition:
It does not include a “public interest override,” that would allow disclosure if the public interest in the information outweighs the likely harm from disclosure.
It fails to include a public interest defense. This provides that a person who leaks information of high public interest should not be subject to criminal penalties if the public interest in the information is greater than the actual harm caused.
In all these areas, the law falls far below international standards and best practice, as reflected in a set of global principles on national security and the right to information, called the Tshwane Principles, which the Justice Initiative helped draft.
The Tshwane Principles are based on international and national law, standards and good practices, and are reflected in the laws of modern democracies as well as decisions of regional courts. They were drafted by 22 organizations and academic centers from around the world, in consultation with more than 500 experts, including with security sector, intelligence and diplomatic experience. They have been endorsed by the Parliamentary Assembly of the Council of Europe, the relevant UN special rapporteurs, and the special rapporteurs on right to information or freedom of expression of the Inter-American and African human rights systems.

4. 本社世論調査:秘密保護法「修正必要」7割
毎日新聞 2014年02月16日 20時25分(最終更新 02月17日 02時42分)
 毎日新聞が15、16両日に実施した全国世論調査で、昨年12月に成立した特定秘密保護法について、第三者が秘密指定をチェックする仕組みを強化するなどの修正が必要かどうか聞いたところ、「必要だ」と答えた人が71%に上り、「必要ではない」の19%を大きく上回った。同法をめぐっては政府が恣意(しい)的に秘密を指定するのではないかという問題点が指摘されており、世論にもなお懸念が強い。【仙石恭】
 
5. PRESIDENT ONLINE
歴史が証明!アベノミクスへ「ジム・ロジャーズの教え」
PRESIDENT 2013年7月15日号
プレジデント編集部 木下明子=構成 宇佐美雅浩=撮影
震災後に日本株を買っていましたが、2012年11月に安倍現首相が無制限に金融緩和を打ち出してから、さらに買い増しました。そして今年5月前半にその多くを売りました。その後、日経平均は5月23日、00年のITバブル崩壊時以来の下落率を記録。今回はバブルというほどではなく、金融緩和で市場にあふれたお金に投資家が食いつき、株価が急激に上がっただけなのです。そもそも長く続かないと見越して短期で売った。6月に入り、株価も為替も乱高下しています。農業関連株などは残していますが、大きく下がったら多少買い戻しも考えます。
日本ではいわゆるアベノミクスにより急激な円安・株高が続いていました。多くの人がこの政策をもてはやしていますが、はっきりいって災厄以外の何ものでもありません。傍目にはとても感じがよさそうに見えるこの政策によって、安倍首相率いる自民党のお仲間とごく一部の人々、たとえばトヨタ自動車などに関わる日本人の懐だけは一時的に潤うでしょう。名古屋の人にとってはいいかもしれません。でも1億2000万もいる日本人の多くの生活水準は下がっていく。何兆円ものお金を人工的に市場に送り込めば、人々は一時的に心地よく感じるものです。しかし最後には必ず苦しくなっていく。
日本は資源から食品まで、多くのものを輸入に頼っています。円が安くなれば生活必需品の値段が上がる。なぜ2%のインフレを目指すのですか?
ただし、別にデフレがいいわけではありません。インフレでもデフレでもなく、自国通貨を安定させ、健全な状態で現実的な成長を目指すべきなのです。
今、日本が抱える急激な少子化や巨額の債務、移民の拒否など根本的な問題は何1つ解決していません。もし私が日本の首相であれば、お金を刷るのをやめて債務を減らす努力をし、人口減を解決すべく、移民を増やすなどの政策をとる。日本人は外国人が好きではないことは知っていますが、それでも最大限努力をするでしょう。<中略>

今、日本だけでなく、米国や欧州など世界の中央銀行が財政出動でお金を刷り続けて市場にばらまき、自国通貨を安くする競争に入っています。複数の国が同時にこういった政策をとることは歴史上初めてのことだと思いますが、ここで予想される未来は、過去よりさらに深刻です。一国で問題が起きると全世界に飛び火し、一気にどうにもならない事態に陥る可能性がある。複数の国で債務が膨らみインフレが起こり、人々は紙幣なんてもういらないというかもしれません。そうなれば世界は大混乱に陥るでしょう。<以下割愛>
ジム・ロジャーズ
1942年、米国アラバマ州生まれ。イェール大学卒、英国オックスフォード大学ベリオールカレッジ修了。ジョージ・ソロスとともにクォンタム・ファンドを設立、10年間で4200%というリターンを実現。その後、バイクと車で2度の世界一周を果たす。2007年、米国からシンガポールに移住。著書も多数あり、最新刊は『ストリート・スマート』。

6. "THE TSHWANE PRINCIPLES"
INTRODUCTION
These Principles were developed in order to provide guidance to those engaged in drafting, revising, or implementing laws or provisions relating to the state’s authority to withhold information on national security grounds or to punish the disclosure of such information.
They are based on international (including regional) and national law, standards, good practices, and the writings of experts.
They address national security—rather than all grounds for withholding information. All other public grounds for restricting access should at least meet these standards.
These Principles were drafted by 22 organizations and academic centres (listed in Annex A) in consultation with more than 500 experts from more than 70 countries at 14 meetings held around the world, facilitated by the Open Society Justice Initiative, and in consultation with the four special mandates on freedom of expression:
the United Nations (UN) Special Rapporteur on Freedom of Opinion and Expression,
the African Commission on Human and Peoples’ Rights (ACHPR) Special Rapporteur on Freedom of Expression and Access to Information,
the Organization of American States (OAS) Special Rapporteur on Freedom of Expression, and
the Organization for Security and Cooperation in Europe (OSCE) Representative on Freedom of the Media.
BACKGROUND AND RATIONALE
National security and the public’s right to know are often viewed as pulling in opposite directions. While there is at times a tension between a government’s desire to keep information secret on national security grounds and the public’s right to information held by public authorities, a clear-eyed review of recent history suggests that legitimate national security interests are, in practice, best protected when the public is well informed about the state’s activities, including those undertaken to protect national security.
<以下略>
by shin-yamakami16 | 2014-02-25 17:07 | Comments(0)
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December 2013: Shinzo Abe has become the first Japanese prime minister to visit Yasukuni shrine in seven years, provoking anger in China where the controversial war memorial is reviled as a symbol of Japanese imperialismー「2013年12月:シンゾー・アベは過去7年間でヤスクニ神社に詣でた最初の日本首相となったが、物議を醸すこの戦争記念館が日本帝国主義の象徴として弾劾されている中国で憤激を巻き起こしている」ー『フィナンシャル・タイムズ』紙

 
「日本びいき」さえも案じる安倍政権「極右化」

                                   山上 真

 昨日2月9日付英国経済紙『フィナンシャル・タイムズ』紙は、その「社説」で日本・安倍政権によるNHKへの露骨な言論干渉問題を取り上げ、日本の国際的地位を損なうものとして警鐘を鳴らしている。

 同紙は世界的に流通している経済専門紙であり、これまで日本の「アベノミクス」を一定程度評価してきただけに、今度の様な日本・安倍政権への手厳しい「社説」は決して軽く看過されてはならないであろう。何故ならば、もし日本経済の将来を左右する政権が「国際基準」にそぐわない実態を本質的に内包すると判断された場合、日本株式など多方面に関わり、多大な影響を及ぼしている外国人投資家などは、既に報道されている「日本からの逃避」ペースを一層速めるに違いないからである。例えば、最近「ヘッジファンドのジョージ・ソロス氏が日本株を売り仕掛けている」とか、「ダボスでソロス氏が安倍首相に会って日本を見限ったらしい」との「尾ひれも付いた噂」が飛び交っているという。

'Abe’s nationalism takes a worrying turn'

「アベの国家主義は憂慮すべき方向に向かっている」という見出しの FT紙「社説」は、

'Attempt to stifle Japan’s national broadcaster is deplorable'

「日本国営放送局を押し殺そうとする企ては嘆かわしい」という副題を掲げている。

以下は FT『社説』及び、2月10日付『日本経済新聞』に掲載されている訳文である。

'THE FINANCIAL TIMES'
Editorial

February 9, 2014 5:23 pm
Abe’s nationalism takes a worrying turn
Attempt to stifle Japan’s national broadcaster is deplorable

Much of the motivation for Abenomics, Japan’s bold gambit to breathe life into its economy, comes courtesy of Beijing. It was fear of a rising, more assertive China that led the Liberal Democratic party to turn to the jingoistic Shinzo Abe in the first place and convinced many Japanese to hold their nose and vote for him. It was the same conviction that persuaded Mr Abe himself that something had to be done to rid the country of 15 years of deflation and to build a prosperous country capable of defending its interests. For a while Mr Abe, a revisionist who thinks Japan has been unfairly singled out for criticism about wartime atrocities, concentrated on getting his economic plan up and running. Now, more than a year into a premiership likely to last at least until 2016, he is pushing his nationalist agenda more forcefully – with some worrying implications for Japanese democracy.

In December Mr Abe visited the controversial Yasukuni shrine against the advice of Washington and in defiance of diplomatic sense. The prospects of dialogue with Beijing – and perhaps even South Korea – have sharply receded as a result. Before his visit to Yasukuni, the government rammed home a secrecy bill that is too draconian. There is always a balance between security and freedom of speech. But Japan’s law tilts too far towards secrecy.

Suspicions about the state secrets law have been reinforced by Mr Abe’s clumsy attempt to rein in NHK, the national broadcaster that is Japan’s equivalent of the BBC. In December the NHK board appointed Katsuto Momii as president. He has alarmed many by suggesting that NHK should not challenge the government on important issues. “We cannot say left when the government says right,” is how he put it.

Mr Momii has also raised concerns by endorsing – before retracting – the standard rightwing line denying that tens of thousands of Korean and other Asian women were dragooned into prostitution during the war. One of Mr Abe’s four appointees to the 12-member NHK board went one worse by suggesting the Nanjing Massacre of 1937 was fabricated. Another board member said women’s “rational” place was in the home. NHK also appears to have stifled criticism of the nuclear industry ahead of elections for Tokyo governor in which the use of nuclear power was high on the agenda. Mr Abe’s party is pro-nuclear but the public has become more wary after the 2011 meltdown at Fukushima.

Mr Abe’s government is seeking to narrow the scope of public debate. Beijing is making his task easier by its constant hectoring of Japan. A recent Pew poll found that only 5 per cent of Japanese had a positive opinion of China. But Mr Abe’s manipulation of events to further his agenda is dangerous in a country where the public is, if anything, too passive, not too boisterous.

December 2013: Shinzo Abe has become the first Japanese prime minister to visit Yasukuni shrine in seven years, provoking anger in China where the controversial war memorial is reviled as a symbol of Japanese imperialism

The Japanese people have much to discuss. It may be reasonable, for example, to change Japan’s interpretation of “collective self-defence” such that its military could come to allies’ aid. It is even legitimate to debate the possibility of amending article nine of Japan’s constitution, which – virtually alone among nations – forbids it from the right to wage war. The inconvenient truth for Mr Abe, however, is that a majority of Japanese are strong supporters of Japan’s postwar pacifism and significantly less conservative than the prime minister. Mr Abe’s plan seems to be to shift opinion in his direction through the steady erosion of debate. China’s claim that Mr Abe is a danger to Japan’s neighbours is mostly nonsense. But he could be a danger to Japan itself. It would be a tragedy if the threat of China were used as an excuse to mount an attack on Japan’s relatively open society.


『日本経済新聞』電子版

[FT]国家主義的傾向強める安倍首相(社説)
2014/2/10 15:00

 日本経済の活性化を目指す大胆な戦略である安倍晋三首相の「アベノミクス」の陰には台頭する中国の脅威がある。そもそも自民党の関心が安倍氏に向かい、国民の多くが選挙で同氏を支持したのは、拡大する中国の影響力への懸念が理由だった。安倍氏が、15年に及ぶデフレを根絶し、経済力の向上を追求するのも同じ危機感からだ。

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衆院予算委で発言を求めて挙手する安倍首相(10日午前)
 
同氏は、歴史修正主義の立場から、日本は戦時の残虐行為を巡り不当に批判されてきたと考えているが、これまでは経済運営を優先してきた。ただ、就任後1年が過ぎ、少なくとも2016年まで政権の安定が予想される今、国家主義的な政策を前面に押し出し始めている。
 安倍氏は2013年12月、米国政府の忠告や外交上の懸念を無視して靖国神社を参拝。その結果、中国との関係改善の見通しが大きく後退、韓国とも緊張が高まっているようだ。靖国参拝の前には、過度に厳しい特定秘密保護法案を成立させている。
 この政策に対する懸念は、官邸が影響力を持つNHKのトップ人事でさらに強まった。会長に指名された籾井勝人氏は12月の就任記者会見で「政府が右ということを左というわけにはいかない」と発言し、多くの関係者を驚かせた。
 また、同氏は従軍慰安婦問題を「戦場地域にはどこの国にもあった」などと発言、その後撤回したものの、大きな波紋を呼んでいる。さらに、安倍氏が任命した別の経営委員が「南京大虐殺はなかった」などと述べ、事態を悪化させた。原子力の利用が焦点となった東京都知事選を前に、NHKは原子力業界に対する批判の抑制を図ったようにもみえる。自民党は基本的に原発推進を支持する立場だが、11年に起きた東京電力福島第1原発の事故を受けて国民は警戒感を強めている。
■議論の機会を狭めようとする安倍氏
 安倍政権は公の議論の幅を狭めようとしており、中国の日本批判はそれを後押ししている。米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが最近行った世論調査では、中国に肯定的な印象を持つ日本人はわずか5%にすぎないことが分かった。国民の多くが受け身で、意見を主張しない日本では、世論を操作しようとする安倍氏の政策は危険だ。
 日本にとって議論すべき課題は多い。「集団的自衛権」の解釈を変更し、同盟国などが攻撃された場合、自国への攻撃と見なして反撃できるようにするのはその一つ。およそ世界に類を見ない戦争放棄を定めた憲法9条の改正も議論が必要だろう。安倍氏にとって不都合なのは、国民の大部分が戦後の平和主義を支持しており、同氏のように保守的ではないということだ。安倍氏は、議論の機会を減らすことで、自身に好ましい方向に世論を向かわせようとしているようだ。
 安倍氏は日本の近隣諸国にとって脅威だとする中国の主張はおおむねばかげているが、同氏の政策は日本自身を脅かしかねない。中国の脅威が口実にされ、日本の開かれた社会がたたかれればこれ以上の悲劇はない。
(2014年2月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


<写真> FINANCIAL TIMES, Nikkei

                   <参考資料>
1. 1月13日付『朝日新聞』Digital

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NHK経営委の言動、非難せぬ政権に懸念 海外メディア
2014年2月13日10時05分

 NHK経営委員の百田氏、長谷川氏の言動については、海外メディアでも報道が相次ぎ、公共放送と政権との距離の近さに懸念の声が広がっている。

 英フィナンシャル・タイムズ紙は4日、「安倍首相の介入でNHKの姿がぶれる」と題する記事を配信。「東京裁判は広島などで日本が受けた虐殺をごまかすためのもの」という趣旨の都知事選の応援演説での百田氏の発言を報じ、首相が選んだ両経営委員の考え方により、日本で何がまともな保守主義と考えられているか、その境界線が試されている、と表現した。

 記事を書いたジョナサン・ソーブル東京支局長は「多くの海外メディアが関心を持って見るのは、靖国参拝以降、右傾化に向かう安倍政権であり、NHKの一連の問題も、その一環として捉えられている。ひとつの放送局の問題ではない」と語る。経営委員の言動が規則や法律上問題であるかを問う以前に、そのような歴史観の人物を選んだ安倍首相が世界をどう見ているのかが焦点だという。

2. 『朝日新聞』Digital
経常収支、過去最少の黒字に 揺らぐ輸出立国
2014年2月10日23時21分

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経常収支でみる日本経済の移り変わり
 日本経済を支えてきた「輸出立国」という成長モデルが揺らいでいる。海外への輸出や投資のもうけなどから輸入などを差し引いた経常収支が、2013年に過去最少の黒字(比較ができる1985年以降)になったからだ。これから日本はどうやって稼いでいくかが問われている。

 財務省が10日に発表した13年の経常収支は、85年から29年続けて黒字を保ったが、黒字額は前年より31・5%減って過去最少の3・3兆円にとどまった。2年続けて最少を更新し、ピークだった07年の24・9兆円の7分の1以下に減った。

 最大の理由は、輸出額から輸入額を引いた「貿易収支」が10・6兆円の大幅な赤字になったことだ。東日本大震災後に火力発電の燃料となる天然ガスや石油などの輸入が増えたところへ、輸入品が割高になる円安が進み、輸入額が前年より15・4%増えた。円安で売り上げが増える輸出額は9・0%増にとどまった。

 一方、日本企業の海外子会社でのもうけから海外企業の日本でのもうけなどを引いた「所得収支」は15・8%増えて過去最大の16・5兆円の黒字になった。この伸びが貿易赤字を埋め合わせ、経常黒字を保った。

『東京新聞』より

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by shin-yamakami16 | 2014-02-10 21:47 | Comments(0)
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日本帝国軍・「中国人30万人虐殺」ー南京大虐殺記念館


国際社会が注視している「国家宣伝機関」NHKの行方

                              山上 真

 昨日2月7日付英国『インディペンデント』紙は、最近日本で問題化している公共放送NHK の在り方、及び極右傾向を強めている安倍政権について、具体的な事実を挙げつつ辛辣な*論評記事を掲載しているので、ここにその大要を紹介したい。—<原文:参考資料1参照>
 
‘How Japan’s ‘BBC’ is rewriting its role in Second World War’
—「日本の’BBC’ は如何に第二次大戦での日本の役割を書き換えているか」

 *ナオキ・ヒャクタは、日本が白人植民地主義からアジアを解放している間に、米国によって第二次世界大戦に誘い込まれたと言う。
 彼は日本軍が数千人の中国市民を殺害した1937年の南京大虐殺のような戦争犯罪を否定した。その様な見解は日本の「歴史修正」論者の間ではありふれたことである。しかしながら、ヒャクタ氏は日本の公共放送の評議会の席に就いている。

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           「中国人虐殺現場に立つ日本兵」ー Wikipedia

 NHK は60億ドル(37億ポンド)以上の年間収入を稼いでおり、BBCにほぼ匹敵する存在である。英国の放送協会と同様に、NHKは公正中立で政争から距離を置かなければならず、それ故に右翼首相アベ・シンゾウによって恣意的に選ばれたとされる*4人の経営委員の特異な見解に対して激しい非難を浴びている。

 記事ではこの後、NHK新会長カツト・モミイが領土問題などで政府の立場を支持することが当然で、従軍慰安婦問題も戦争に付き物の当たり前のことと述べて問題化したこと、新たな経営委員の*ミチコ・ハセガワが、極右人物の新聞社での抗議自殺を讃美した事実、ヒャクタ氏が自衛隊を右翼的失言で罷めさせられた都知事候補の応援演説で南京大虐殺を「作り事」だと述べたことを指摘する。

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「侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館」

 NHK についての政権側の用意周到な計画が日本の将来にとって深刻な影響を及ぼすことを憂慮する声の高まりに対して、アベ政権は沈静化を意図しているが、穏健な『ジャパン・タイムズ』紙さえ、「モミイは疑問の余地なくNHKを現政権の宣伝機関に変えようとしている」とする、常に無く激しい論調の社説を掲げているとする。

 アベ氏の寵児的「集団的自衛」構想は日本国民過半数の反対に直面しているが、アベ氏にとって国家放送局を味方につけることが確実に役立つことだと記事は結論づけている。                          (2014.02.06)

*<筆者注> 
「南京大虐殺」事件:英文Wikipedia (原文:参考資料2)で書かれている内容が最も国際的に通用する説明と思われるので、その骨子を紹介しておきたい。
「南京大虐殺又は南京暴行・強姦事件」は1937年日中戦争中に6週間に渉って日本帝国軍隊によって引き起こされた惨劇で、40,000から200,000人の中国人が殺されたと歴史家や証言者によって推定されている。正確な犠牲者数が未だ不詳なのは、日本軍関係者が関連資料を戦中・戦後、焼却隠滅処分した為である。

*ナオキ・ヒャクタ:
『朝日新聞』
NHK経営委員の百田氏が応援演説 都知事選
2014年2月4日05時56分
NHK経営委員の作家・百田尚樹氏が3日、東京都知事選候補者の応援演説に立ち、持論を展開した。経営委員の政治活動を禁じる法律や規則はないが、識者からは疑問の声もあがる。
 ■演説で歴史・憲法観の持論展開
 百田氏はこの日、都内3カ所で、歴史観や国家観が近いという元航空幕僚長の田母神俊雄候補の応援演説に立った。
 NHKの籾井勝人会長は同日、就任会見での政治的中立性が疑われる発言について国会で改めて陳謝したが、百田氏は特定候補の応援をすることについて報道陣に「思想信条の自由。NHK経営委員はあくまで放送法によって縛られています。つまり放送に関しては徹底して不偏不党、あるいは中立。僕のプライベートな行動まで縛る法律ではないですよね」と答えた。
 朝一番の新宿駅西口では米軍による東京大空襲や原爆投下を「悲惨な大虐殺」と話し、東京裁判について「これをごまかすための裁判だった」と自身の歴史観を披露。「1938年に蔣介石が日本が南京大虐殺をしたとやたら宣伝したが、世界の国は無視した。なぜか。そんなことはなかったからです」「極東軍事裁判で亡霊のごとく南京大虐殺が出て来たのはアメリカ軍が自分たちの罪を相殺するため」と持論を展開した。
 
  ■「立場無視した言動」「視聴者に誤解与えかねない」
 今回の百田氏の応援演説について、須藤春夫・法政大名誉教授(メディア論)は「NHKの最高意思決定機関メンバーの行為としては極めて異例」と話す。
 須藤氏は、放送法31条が経営委員について「公共の福祉に関し公正な判断をする」者の中から総理大臣が任命すると定め、経営委員の服務準則は「委員は、NHKの名誉や信用を損なうような行為をしてはならない」と定めている点を指摘。「誰しも言論や表現の自由はあるが、百田氏の言動はそうした経営委員としての立場を無視している。服務準則にも明確に違反する。任命した総理の責任も問うべきだ」と話した。
 鈴木秀美・大阪大教授(メディア法)は放送法や経営委員の服務準則が政治活動を禁じていない点を認めつつ、放送法第1条が「不偏不党」と同時に「自律」を求めている点を強調する。「放送法で公平、中立性を求められる報道機関だからこそ、携わる人は公の場で何を語ってよいのか、悪いのか判断する必要がある。特定の候補者を応援する行為は視聴者に対し、NHKの報道姿勢との関連性があると誤解を与えかねない」
     ◇
 〈NHK経営委員会〉 NHKの経営に関わる最高意思決定機関。NHKの年間予算や事業計画、番組編集の基本計画などを議決し、会長の任免権を持つ。メンバーは委員長を含めて12人で、国会の同意を得て首相が任命する。常勤の委員もいる。放送法により、委員が個別の番組の編集に干渉することは禁じられている。

*ミチコ・ハセガワ:
『朝日新聞』
長谷川三千子氏、政治団体代表の拳銃自殺を称賛
2014年2月5日21時05分
 NHK経営委員で埼玉大名誉教授の長谷川三千子氏(67)が委員就任前の昨年10月、新右翼の著名な活動家で朝日新聞東京本社で拳銃自殺した野村秋介氏について、「神にその死をささげた」などとする追悼文を文集に寄稿していたことが5日、わかった。
 長谷川氏は安倍晋三首相が国会の同意を得て、昨年12月に任命した委員。首相の再登板を支援し、首相復帰後の昨年5月には首相公邸で食事をともにするなど近い関係で知られる。
 長谷川氏の追悼文は野村氏の自殺について「神にその死をささげたのである」「彼がそこに呼び出したのは、日本の神々の遠い子孫であられると同時に、自らも現御神(あきつみかみ)であられる天皇陛下であつた」と称賛。野村氏の死によって、天皇が「(日本国憲法が何と言はうと)ふたたび現御神となられた」と書いている。
 追悼文集は、昨年10月18日に東京都内で開かれた野村氏の追悼集会「群青忌」で配るために制作された。発行元は「野村氏の弟子の一人」という蜷川正大氏が代表の二十一世紀書院(横浜市)。機関誌「燃えよ祖国」の発行や野村氏の著書の出版を通じ、野村氏の思想の普及活動をしている。文集は、集会に参加した約500人に配ったという。
 蜷川氏は朝日新聞の取材に「(長谷川氏は)保守論壇で最も尊敬する学者の一人。先生の著書『神やぶれたまはず』を読んだか、は我々の合言葉」と話す。2000年に開かれた群青忌で講演してもらった縁があり、蜷川氏の方から寄稿を頼んだという。
 長谷川氏は朝日新聞の取材に「追悼文は個人の活動で経営委員とは無関係。野村氏と面識はないが、著述を読んで非常に重要な問題提起をしていると思った」と説明。言論機関である朝日新聞社内で野村氏が拳銃を発砲した行為も「メディアに対するテロや圧力でなく、精神的な意味を見いだすべきだ」と話している。
 放送法は、経営委員が個人の思想や信条を公にすることを制限していない。NHK経営委員会事務局は「個人の信条に関わることで、コメントする立場にない」としている。
     ◇
 〈長谷川三千子氏〉 1946年生まれ。専門は比較思想、日本文化論。選択的夫婦別姓制度に反対し、婚外子の相続差別規定を違憲とした最高裁決定を批判している。今年1月、女性の社会進出が出生率低下の原因であり、少子化対策には女性が家で子を産み育て男性が妻と子を養うのが合理的とするコラムを発表。議論を呼んだ。
     ◇
 〈野村秋介氏拳銃自殺事件〉 「週刊朝日」が漫画で、政治団体「風の会」を連想させる「虱(しらみ)の党」という表現を掲載したことに、同会代表の野村秋介氏が抗議。1993年10月20日、野村氏は朝日新聞東京本社で社長らと話し合っている最中に「朝日新聞に社会の木鐸(ぼくたく)として、しっかりと日本を指導してもらいたい」「おれは朝日と刺し違える。そう公約したんだ」と言ったあと、「すめらみこと、いやさか」と繰り返し、拳銃で自殺を図った。野村氏は搬送先の病院で死亡した。同氏はこの事件で銃刀法違反と火薬類取締法違反の疑いで書類送検された(容疑者死亡のため不起訴)。
 ■言論機関へのテロ行為、称賛する内容
 〈映画監督で作家の森達也さんの話〉 NHK経営委員が思想や信条を明らかにすることは問題ない。彼らの考えや人となりから、委員にふさわしい人物かを判断できるからだ。ただ、長谷川氏の追悼文は言論機関へのテロ行為を称賛する内容。メディアが圧力に屈したことで血が流れてきた歴史への認識が欠落しており経営委員には不適格だ。

<写真> The Independent, Wikipedia, genderoide

                  <参考資料>
1. 英国『インディペンデント』紙
‘The Independent’
How Japan’s ‘BBC’ is rewriting its role in Second World War
David McNeill
Friday, 7 February 2014
Naoki Hyakuta says Japan was lured into the Second World War by America while liberating Asia from white colonialism.
He denies war crimes such as the 1937 Nanjing massacre, when Japanese troops killed thousands of Chinese civilians. Such views are common among revisionists in Japan. Mr Hyakuta, however, sits on the board of the nation’s public service broadcaster.
NHK has annual revenue of more than $6bn (£3.7bn), putting it close to the BBC. Like the British broadcaster, it is obliged to be impartial and aloof from the political fray, so the company is under intense fire for the extraordinary views of four its governors, all reportedly handpicked by the right-wing Prime Minister, Shinzo Abe. The 12-member board controls programming policy and budgets.
The furore began two weeks ago in a press conference by NHK’s new chairman, Katsuto Momii, who stunned journalists by saying it was “only natural” that NHK should follow the government line on Japan’s territorial disputes with its neighbours. “When the government says ‘left’ we can’t say ‘right’,” he said. He then defended Japan’s wartime system of sex slaves, saying such a system was “commonplace” in war.
Next up it was the turn of board member Michiko Hasegawa. In an essay written a month before her appointment, she eulogised an ultra-nationalist who committed ritual suicide a decade ago in protest outside Japan’s liberal-left Asahi newspaper. “There could be no better offering,” said Ms Hasegawa.
Mr Hyakuta is a vocal supporter of Toshio Tamogami, the candidate for Tokyo governor who was sacked as air-force general in 2007 for denying the accepted narrative of the war. In a speech last week campaigning for Mr Tamogami, he called the Nanking Massacre a “fabrication”.
The appointments have crystallised lingering fears about Mr Abe’s agenda. He wants to radically overhaul three of Japan’s basic modern charters: the 1946 pacifist constitution, the education law and the security treaty with the United States.
Critics say such a far-reaching project would have profound consequences for Japan, but the NHK controversy seems to show that Mr Abe intends to shut debate down. “Momii is perfectly willing to, in effect, turn NHK into a propaganda mouthpiece of the current administration,” thundered an unusually fierce editorial in The Japan Times.
The battle lines around Mr Abe’s agenda are set to harden. His ruling Liberal Democratic Party is preparing to challenge the constitutional ban on collective self-defence, a pillar of Japan’s post-war pacifist stance. Opinion polls suggest that more than half of the public oppose Mr Abe’s pet project. Having the state broadcaster on your side no doubt helps.

2.「南京大虐殺」
Nanking Massacre
From Wikipedia, the free encyclopedia
The Nanking Massacre, also known as the Rape of Nanking, was an episode of mass murder and mass rape committed by Japanese troops against Nanking (current official spelling: Nanjing) during the Second Sino-Japanese War in 1937. The massacre occurred during a six-week period starting December 13, 1937, the day that the Japanese captured Nanking, which was then the Chinese capital. (See Republic of China). During this period, hundreds of thousands of Chinese civilians and disarmed combatants were murdered by soldiers of the Imperial Japanese Army.[1][2] Widespread rape and looting also occurred.[3][4] Historians and witnesses have estimated that 250,000 to 300,000 people were killed.[5] Several of the key perpetrators of the atrocities, at the time labelled as war crimes, were later tried and found guilty at the Nanjing War Crimes Tribunal, and were executed. Another key perpetrator, Prince Asaka, a member of the Imperial Family, escaped prosecution by having earlier been granted immunity by the Allies.
The event remains a contentious political issue, as various aspects of it have been disputed by some historical revisionists and Japanese nationalists,[2] who have claimed that the massacre has been either exaggerated or wholly fabricated for propaganda purposes. As a result of the nationalist efforts to deny or rationalize the war crimes, the controversy surrounding the massacre remains a stumbling block in Sino-Japanese relations, as well as Japanese relations with other Asia-Pacific nations such as South Korea and the Philippines.
An accurate estimation of the death toll in the massacre has not been achieved because most of the Japanese military records on the killings were deliberately destroyed or kept secret shortly after the surrender of Japan in 1945. The International Military Tribunal of the Far East estimates more than 200,000 casualties in the incident;[6] China's official estimate is about 300,000 casualties, based on the evaluation of the Nanjing War Crimes Tribunal. Estimates from Japanese historians vary widely, in the vicinity of 40,000–200,000. Some historical revisionists even deny that a widespread, systematic massacre occurred at all, claiming that any deaths were either justified militarily, accidental or isolated incidents of unauthorized atrocities. These revisionists claim that the characterization of the incident as a large-scale, systematic massacre was fabricated for the purpose of political propaganda.[7][8]

3. ブログ 'NewSphere' より
日中大使、英BBCトーク番組で舌戦 司会者の日本攻め質問に苦戦?
更新日:2014年1月10日カテゴリー:政治
 昨年末の安倍首相の靖国参拝を受け、日中間の緊張が再度高まり始めた。1月初めには、英デイリー・テレグラフ紙で、劉暁明駐英中国大使が、日本をヴォルデモート卿(人気小説「ハリー・ポッター」の悪役)に例えて批判。対して「中国もヴォルデモート卿になりえる」と、林景一駐英日本大使が反撃した。両者の舌戦はついに英BBCのテレビ番組へ持ち込まれた。
【別々の部屋でのインタビューが条件】
 日中の駐英大使が出演したのは、BBCの「ニュースナイト」という生番組。通常は、プレゼンターのパックスマン氏が、ゲストたちを同じスタジオに一緒に迎え入れ、インタビューする番組だ。
 しかし、香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙によれば、両大使は別々のスタジオでインタビューを受けた。BBCと日中の大使館が、安倍首相の靖国参拝と尖閣問題に対する大使らの議論がヒートアップすることを恐れたためだという。
 インタビューの内容を、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙は以下のように報じている。まず、尖閣諸島について林大使は、中国は尖閣の領有権を主張することで国際秩序を乱し、挑発と威圧で現状を変えようとしていると述べた。また、改憲を通じた日本の軍国主義化について、どの程度まで日本は主権を守る用意があるのかと聞かれ、「その質問は中国に向けるべきじゃないですか」と返した。
 一方、中国の劉大使は、安倍首相の靖国参拝で中国国民は気分を害したと述べ、日本が尖閣諸島において領土問題の存在を認めようとしないと主張した。また、イギリスの元首相チャーチルの「歴史から教訓を学ばぬものは、過ちを繰り返して滅びる」という言葉を引用して、日本を批判した。
 またエクスプレス紙は、番組での両大使の発言を以下のように伝えている。劉大使は安倍首相の靖国参拝を批判し、それが日本の軍国主義復活のシグナルだと主張した。尖閣問題に関しては、尖閣は古代から中国のもので、尖閣問題は主権をめぐる道義上の問題であるとし、紛争には周辺海域の豊富な地下資源が絡むという考えを否定した。

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        「毒舌」パックスマン:日本大使に「尖閣を中国にあげれば?」

 一方、パックスマン氏は林大使に「尖閣を中国にあげれば?」、「地域全体、世界全体を危険に陥れるほどの価値が尖閣にあるの?」と難問を浴びせたあと、「日本が軍国主義を復活させようとしているのか?」と付け加えた。それに対して林大使は、日本の平和憲法と戦争放棄が核心である信条は変わらないと答えた。

4. 英国『ガーディアン』紙ー「東京の女性たちは性差別主義者の都知事候補について『セックス・スト』を呼びかけた」ー「優位に立つYoichi Masuzoe の言明は1989年の『月経は女性を政治に不向きにする』という主張を含む」

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'The Guardian'
Tokyo women call for 'sex strike' over sexist gubernatorial candidate
Front-runner Yoichi Masuzoe's statements include 1989 claim that menstruation makes women unfit for government

theguardian.com, Friday 7 February 2014 13.29 GMT

One Tokyo-based Twitter campaign group has billed itself as 'the association of women who will not have sex with men who vote for Masuzoe'. Photograph: Franck Robichon/EPA
A group of women in the Japanese capital are threatening a 'sex boycott' against any man who votes for Yoichi Masuzoe in this weekend's gubernatorial election, in protest at the front-runner's claim that menstruation makes women unfit for government.

A Tokyo-based Twitter campaign group – which bills itself as "the association of women who will not have sex with men who vote for Masuzoe" – has garnered almost 3,000 followers since it launched last week.

The founders, who remain anonymous, say in their profile: "We have stood up to prevent Mr Masuzoe, who makes such insulting remarks against women [from being elected] … We won't have sex with men who will vote for Mr Masuzoe."

The 65-year-old former political scientist became a celebrity through TV chatshows before getting involved in politics in 2001. In 1989, he told a men's magazine that it would not be proper to have women at the highest level of government because their menstrual cycle makes them irrational.

"Women are not normal when they are having a period … You can't possibly let them make critical decisions about the country [during their period] such as whether or not to go to war," he said.

Masuzoe has the backing of the conservative ruling party of the prime minister, Shinzo Abe, and is seen as likely to beat his nearest rival, Moriyoshi Hosokawa, a former prime minister who is standing on an anti-nuclear platform, in the elections to become Tokyo governor.

All 16 candidates in the poll are men, with many of them in their 60s or older.

But Masuzoe's comments about women, as well as other controversial remarks on taxing the older people, have resulted in a backlash.

Another website was launched on Wednesday by a group of women also seeking to prevent him from becoming Tokyo governor. The site has attracted 75,000 hits a day and 2,800 people have signed its petition.

"Masuzoe is an enemy of women … He doesn't love Japan. He loves only himself," said one comment on the site, by a woman who identified herself as Etsuko Sato.

On the Twitter campaign feed, a post by manatowar3 said: "I'm an old man. But I cannot tolerate him [Masuzoe] from a man's point of view."

Despite high levels of education, many women in Japan leave career jobs when they have children, and social pressures to be the homemaker remain strong.

There are very few women in senior political positions – Abe's 19-member cabinet has only two – and company boards are overwhelmingly male.

Speaking in Davos, Switzerland, last month, he pledged that 30% of leading positions would be occupied by women by 2020. But most observers suggest this target is unlikely to be met.
by shin-yamakami16 | 2014-02-08 23:22 | Comments(0)