世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

「大雪」に見舞われた英国

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      St James's Park, Central London  


「雪に弱い国」の大混乱と面子
                         
                                山上 真

 2月1日から2日にかけて、英国南部は18年ぶりの大きな降雪となり、殆ど全ての活動が麻痺状態に陥った。交通機関は運休し、勤労者は職場に辿り着けず、学校は休校となった。


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 ロンドン市内では20cm程度の積雪量で、郊外では、50cm程の降雪を記録したようだ。この為、一時全てのバス運行が止まり、地下鉄もごく一部が動いているだけだった。


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 車による交通も、普段の30%位に止まった。各地で運転不能になった車両が放置された。
 
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 英国全体で、650万の勤労者、5人に一人が職場に行けず、4500の学校が休校となった。英国では、学校が休みになって、児童が家庭に居ることになると、親が外に働きに出かけられない。留守中に何か事故などが起こると、親が厳しく責任を問われて、処罰されるからだ。だから、気象条件で「安易に」休校にする学校に対する世間の風当たりは、頗る強い。


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Essex Epping Forest


 「物事が難しくなると、学校を休んで、遊べば好い」というメッセージを子供に与えるのは良くない、と父母団体の代表者は言っている。
 子供たちは雪だるまを作ったりして、大喜びなのだが。
 

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                London           


 国際列車「ユーロスター」は運行の見通しが立たず、ヒースロー空港では800便が運航中止になった。


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Portsmouth


 降雪の2日目には、気温が零下10℃まで降下し、全てが凍りついた。更に一層の混乱が起こった。


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London   Berkley Square  雪投げを楽しむ銀行員たち


 英国南部の吹雪は北上し、ウェールズ、中部、北部、スコットランドに被害が広がっている。


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      London   Parliament  花束を投げる花嫁    


 一度止んだ南部でも、今週5日(木)から 6日(金)にかけて、再び大雪になるという予報が出ている。


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North Yorkshire
                


 経済専門家は、これ迄の降雪による被害額を12億ポンド(約1500億円)と見積もっているが、今後の被害見込みを含めると、35億ポンド(約4500億円)に達すると言う。

 欧州大陸側のテレビ報道などは、一斉に、大雪に見舞われた英国が「全くの静止状態」に陥って為す術がない様子を映し出している。この事を、英国の「責任感に富んだ」人々は心配している。


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London  Parliament


 「今日のような経済危機の最中に」、少し位の雪で「麻痺してしまう国」というイメージを外国に与えてしまうのは、世界でも有数の経済大国である英国の地位を貶める事態という訳である。
 しかし、時たましか起こらない筈の豪雪対策に多額の投資をすることも、疑問がつきまとう。斯くして、この時期を何とか遣り過ごさなくては、と雪かきしながら我慢の毎日だ。                     (2009.02.04)


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<追記1> これ迄の降雪による交通渋滞の為に、多くの地域で、ゴミ集め、郵便配達が困難を来している。次の大降雪が予報されているが、滑り止め用の砂利、融雪用の塩が不足しており、スペインなどからの緊急「砂利輸入」を市町村長が政府に要求している。                        (02.06)                         
<追記2> 今回の降雪は続いており、英国30年来最大のものになっている。南西部を中心に、21,000戸が停電しており、数千の学校が休校している。 (02.07)



<写真> The Guardian, The Independent, The Daily Telegraph, Daily Mail

 
Commented by cake at 2009-02-06 12:59 x
今年のイギリスの寒さは、かなり厳しいそうですね。
毎日のようにBBC放送では、融雪用の塩が不足している事を流しています。雪国に住む私にしてみれば、この位の降雪は当たり前で、首都であっても「少し位の雪で麻痺してしまう国」と恥じる必要はないと考えています。不便さや痛みを知ってこそ、政治の中心にいられるのではと思います。

そんな私は、先日仙台を始め、太平洋側に雪が降ったと喜びました。悪い奴ですね。このロンドンの大雪が東京に降ったら、どんなに首都機能が麻痺してしまうのか、雪道の歩き方を知らない怪我人が出るのか(これは気の毒ですが)、一度一週間ぐらい雪に埋もれた経験をして貰えればと、思う時があります。なかなか、そうはなりませんが。

寒も過ぎました。もうじき春の足音が聞こえてくる筈です。待ち遠しいな。
Commented by shin-yamakami16 at 2009-02-06 19:57
cake 様
確かに、東京でも、15cm程度の雪が降れば、首都圏機能が麻痺してしまうのだそうです。天災に弱いのは、大都市共通の問題点なのですね。幸いにして、今年も大平洋側は暖冬気味で、被害を免れていますが。雪国に住む人々の苦労は、実体験でしか分からないですよね。
英国の大雪被害は現在、南部でひどく、ロンドンから西部を結ぶ大動脈M4が見えなくなる程で、来週まで大混乱が延びるようです。
Commented by Hiro_Moderato at 2009-02-07 13:21
えっ~?!信じられな~い!!(≧▽≦)

あたしの地元が雪で全てが停まるなら
半年間、全てが休みだよ。(^o^;)

p(^-^)qイギリス!!

でも…打撃があまりにも大き過ぎるかも…(-o-;)

ケガ人などがでませんように…(^人^)
Commented by shin-yamakami16 at 2009-02-07 17:11
米沢は茨城県の町に、子供たちの雪遊び用に「輸出」する程、豊かな雪の産地ですから、厳冬の生活には何の支障も無い位慣れ切っていることでしょうね。
Commented by himenobile at 2009-02-08 23:34
こんばんは~♪
英国の雪ニュース私も見ました。
本当にすごかったようですね。
家で雪合戦して遊ぶ家庭も多かったとか?笑

>「物事が難しくなると、学校を休んで、遊べば好い」というメッセージを子供に与えるのは良くない、と父母団体の代表者は言っている。

自然との共存という点で考えれば、こういう答えはでてこないと思います。これは、人間の驕りじゃないのかと思うのですが・・・。
たまにはいいじゃないですか。という考えは安易なのかしら・・・^^;
Commented by shin-yamakami16 at 2009-02-09 08:48
父母団体の話は、如何にも英国の「その筋」の人々らしい発言です。社会の大部分に、雪の被害を最小限にできる体制があれば、学校も休まないですむのですが。そうですね、年中の話ではないですから、1週間やそこら、「雪の冬休み」くらい取れる余裕が欲しいですね。
by shin-yamakami16 | 2009-02-04 15:41 | Comments(6)