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by shin-yamakami16

注目に価する民主党小沢氏の見解

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対米従属脱皮の好機

                         山上 真

 民主党・小沢一郎代表が2月25日、大阪市での記者会見で述べた発言が波紋を拡げている。在日米軍削減論を改めて示し、
 「米国のプレゼンスは必要だが、おおむね第7艦隊の存在で十分だ。米軍が引くことによって日本の防衛に関することは、日本が責任を果たせばいい」と指摘した。
 この発言に対して、直ぐさま、自民党幹部から、異常と言える規模の、一斉「口撃」が発せられた。
 
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麻生首相の「日本を敵国と言っている国が存在する中、防衛に知識ある人の発言とは思われない」というものから、山崎拓元幹事長の「日米同盟にひびが入る。我が国の安全保障が根底から覆される」とするものの他、官房長官河村氏、元同長官町村氏、安倍元首相、伊吹元幹事長など多彩だ。米国軍部筋からも、批判が出ている。
 一方、共産党、社民党からも、「日本独自の軍備増強」の方向を懸念する声が出ているようだ。

 今何故小沢氏の言動が注目されるかと言えば、勿論、麻生自民党の混乱と、支持率10%そこそこという不人気の中、次の総選挙後の民主党の「政権奪取」が現実味を帯びているからだ。米国ヒラリー国務長官が小沢氏と異例の会見をしたのも、次期「民主党政権」の可能性を視野に入れたからであろう。その会談で、小沢氏が、米国との対等の関係を強調したとされるのは、当然ながら時宜を得たものと言えよう。オバマ政権としては、アフガン戦争などでの費用負担を日本に求めたい所だが、日本側としては、独自の立場で、アフガン民生安定への協力を進めるべきだ。そうした視点を小沢民主党は求められている。

 現在もなお、在日米軍の基地は88、自衛隊との共用を含めると、132に達する。その大部分は、沖縄県に集中しており、基地周辺では住民の生命・財産が危険に晒されている。

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                  沖縄の米軍基地

他方、例えば2002年度の場合、米国外の米軍駐留総経費85億ドルの内、日本の負担額は44億1134万ドル(約5960億円)と、50%以上を占め、世界的に見ても在日米軍の存在に対して、突出した費用を負担している。そうした異常な現実を踏まえての「小沢発言」となったのであろう。

 米軍の日本駐留を必要とするという意見は、極東に於ける「他国の脅威」を根拠とする訳であるが、この「脅威」をなくしたり、減らす努力をどの程度やってきたのであろうか。
 日本国内には、徒に「拉致問題」や核問題を喧伝して、国家間の対立を煽り立てようとする勢力が目立つ。確かに、「相手国」は常識的に見ると大分変わった国のようではある。しかし、歴史的経緯からすると、「帝国日本」の朝鮮半島支配に起因する要素も少なからず存在する。
 先ずは、国交を開いて、一つずつ懸案を解決して行く方が賢明ではないか。急がば回れという手もある。
 恐らく、今日誰も戦争で問題が解決すると思っている人はいないだろう。ならば、全ての努力を平和的環境の整備の為に傾注するべきだ。そして、軍備を互いに縮小するように相談しよう。幸いにして、超軍事大国アメリカでも、オバマ政権誕生を契機に、少しずつだが、その方向に向かう可能性がある。もはや、どの国も軍備などにお金を使う余裕はない筈だ。

 「小沢発言」は決して新しいものではないが、程良いタイミングで出て来たものであり、決して臆することなく、「日本の平和・安全保障はどう図られるべきか」という根本的問題の議論に発展することを願いたいものだ。
                          (2009.02.28)


<写真> 読売新聞、Wikipedia 
by shin-yamakami16 | 2009-02-28 19:34 | Comments(0)