世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

英国政権党大敗の兆し

f0166919_2123695.jpg

                苦境に立つゴードン・ブラウン首相


議員・金銭スキャンダルの高い代償
                            山上 真

 英国の相次ぐ「議員経費スキャンダル」は、次の総選挙での政権交代の可能性を一層強めている。

 ごく最近の世論調査によると、差し迫っている総選挙で、40%の有権者が保守党に、25%が自由民主党に投票することを意思表示し、政権党の労働党に投票するのは、僅か22%に過ぎないということだ。これだけ労働党支持率が下がったのは、1987年以来初めてというのである。


f0166919_21241872.jpg

             次期首相?保守党党首デヴィッド・キャメロン

 このような際立った労働党支持率低迷をもたらしているのは、先の拙稿で触れている、議員経費を巡っての醜聞である。疑惑を受けている労働党議員は、ブラウン首相、マーチン下院議長から、最近発覚したマーガレット・モーラン議員のスペインに所有する別荘についての疑惑に至るまで、10人近くに及ぶ。勿論、保守党議員数人にも疑惑が生じている。比較的難を逃れているのは自民党で、党首ニック・クレッグ氏の人気が急上昇している。


f0166919_212545100.jpg

             労働党と連立?自由民主党党首ニック・クレッグ

 近日中に行われるEU議員選挙及び4つの地方選挙で、予想されている通り労働党が大敗した場合、「総選挙を戦えない」ということで、ブラウン首相が辞任を求められる公算が強まっている。既に、ブラウン氏に代わる人物として、保健相アラン・ジョンソン氏の名前が挙がっている。

 また、労働党政権が次の総選挙で過半数割れをした場合、自民党との連立を組む話が、労働党内で「勝手に」進められているようだ。自民党の、財政問題に詳しいヴィンセント・ケイブル氏が閣内に入ることさえ想定されている。しかし、これまでの所、自民党側に受諾の気配はない。

 既成政党の不祥事に嫌気をさしている国民の少なくない部分が、極右・BNP や、UKIP (独立党)、或は「緑の党」支持に向かうのではないかと観測されている。
 
 いずれにせよ、次の英国総選挙で「未曾有の大変化」が起きることは不可避のようだ。                                      (2009.05.31)


<追記> 6月1日の英国各紙は、蔵相アリスター・ダーリング氏の、他人に貸している家屋(flat)の維持費を公費から支出している疑惑が明るみに出た事を伝えており、蔵相辞職に至る可能性がある。一方、保守党党首キャメロン氏は、ロンドン居宅購入の際の不適切なモーゲッジ(住宅ローン)使用を指摘されている。


f0166919_18114100.jpg

                ダーリング蔵相



<写真> The Guardian, Daily Mail, The Daily Telegraph 掲載のもの
 
by shin-yamakami16 | 2009-05-31 21:26 | Comments(0)