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by shin-yamakami16

高空に散った228人の命

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避けられなかったか?エール・フランス447便の悲劇

                       山上 真

 リオデジャネイロ発パリ行きのエール・フランス447便が大西洋上空で消息を絶ってから、1週間が過ぎようとしている。
 
 この間、航空機の破片、座席などが発見されたという情報が、ブラジル側から齎されたが、今度の事故機のものではないことが分かった。そして、つい昨日になって漸く、犠牲となった男性2遺体、旅行バッグ、エール・フランス機の航空券などが発見されて、この航空機事故が確認された。


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 6月1日午前2時14分(グリニッチ標準時間)、447便に何が起こったのだろうか。最初に出された推測は、悪天候の中で雷撃を受けて、高空で空中爆発したのではないかというものだった。しかし、構造上、たとえ雷撃を受けたとしても、安全性が図られているという。

 爆弾テロの可能性も、否定されていない。ある程度強力な爆発物の衝撃で、与圧低下を招けば、容易に機体がバラバラになってしまうということだ。


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          シャルル・ド・ゴール空港に集まった犠牲者関係者たち


 当初から、事故機の電気系統の故障の情報が伝えられていたが、その後、速度計が誤作動しており、荒天の中、規定速度より遅く航行していた為に事故を招いたのではないか、などの憶測を呼んでいる。

 原因究明に不可欠な「ブラックボックス」の発見は、何しろ約5キロメートルの深海での捜索ということで、仏原子力潜水艦を動員しても、困難を極めることだろう。
 
 この便には、フランス人61人、ブラジル人58人、ドイツ人26人を始めとて、32か国216人の乗客と、12人の乗務員が搭乗していた。


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         ミシュラン ラテン・アメリカ会長 Luis Roberto Anastacioさん


 これら乗客の中には、フランスCGED(電気製品メーカー)技術者11人、ミシュラン(タイヤメーカー)ラテン・アメリカ会長(ブラジル人)、英国人建築家、学生、ドイツ鉄鋼会社クルップの技術者、アイルランド女性などが含まれている。


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             アイルランド人乗客 Aisling Butlerさん


 筆者も屢々、長距離航空機を利用しているので、他人事とは思えない。例えば、冬期シベリア上空を飛行している時など、「ここで何らかの原因で空中爆発したら、どういうことが起きるんだろうか」などと想念を巡らして、思わずぞっとしたことがある。とにかく、機外気温は、零下50℃の世界なのだ。全てが一瞬にして凍ってしまう。


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 科学が如何に進歩したと言っても、どのような交通手段であれ、事故を完全に無くすことは出来ないだろう。しかし、事故数を最小限に止めることは可能であるし、また、管理する人々はその責任を負っている。もし仮に運行経費削減を理由に、メインテナンスを怠るようなことがあるとすれば、到底許されないであろう。

 事故機の製造元エアバス社は、エール・フランス側に、速度計の「取り替え」を勧告していたという。もし、この計器誤作動が事故原因だったとすれば、この航空会社の責任は量り知れない。                                   (2009.06.07)



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 6月8日、エール・フランス447便の尾翼の一部が回収された。



<追記1> エール・フランス447便事故犠牲者の遺体発見は、その後急速に進み、7日までに17人の遺体がブラジル・フランス艦艇によって引き上げられた。新しく発見された遺体の内、4体が女性、4体が男性のものという。

<追記2> 9日の仏各紙によると、エール・フランスは乗員組合の要求に応じて、早急に速度計の交換をすることに決定した。


<写真> LE FIGARO, LE MONDE, LIBÉRATION 掲載のもの

 

 
by shin-yamakami16 | 2009-06-07 22:35 | Comments(0)