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by shin-yamakami16

メルケル政権が直面する反核・反戦運動

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9・27ドイツ総選挙の帰趨は?
                   山上 真

 先週末5日、ドイツ・ベルリンで約5万人のデモ参加者がブランデンブルク門一帯を埋め尽くし、原子力発電の中止を訴えた。

 ドイツでは、チェルノブィリ事故、国内での放射能事故・隠蔽スキャンダルが相次いだこともあって、2000年に当時の社会民主党シュレーダー政権が連立相手の「緑の党」の求めに応じて、2020年までに17原子力発電所を閉鎖することを決定していたのであるが、現メルケル政権は方向転換し、幾つかの原子力発電所を継続使用する意向に変わった。
 この国では、総電力の23%を原子力に、42%を石炭使用の火力に、そして、29%を天然ガスなどにそれぞれ依存している。
 
 5日土曜日の「反核デモ」には、ドイツ北部・Gorleben核廃棄物処理施設の周辺農民・住民を始めとして、環境保護活動家、労働組合員、青年組織、多くの政党関係者が参加した。

 「グリーンピース」の調査によると、59%のドイツ人は、原子力発電継続に反対しているという。

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 アフガン北部Kunduz市駐留ドイツ軍が「NATO燃料タンク車2台がタリバンに奪われそうだ」という情報に基づいて、米軍機に通報して、これら車両を爆破、60人から70人の現地人を死亡させ、多数に火傷を負わせた、という事件が起きたのは、先週4日金曜日早朝のことである。

 現在、NATO関係者が、この事件の真相を調べているが、被害者の大部分はタリバンとは無関係のアフガン人であることが濃厚になってきている。またもや重大な誤爆が繰り返され、その原因を作ったのは、他ならぬドイツ軍であったことが、衝撃的に本国に伝えられた。

 メルケル政権は、国内の強い反対意見を物ともせず、米・英国の要請を受け入れて、現在約4200人の部隊をアフガニスタンに駐留させている。ドイツ軍は、作戦を日中数時間に限定するなど、現地人に対する配慮を伴った行動をしていた様であるが、結局のところ、悲劇を避けられなかった。
 アフガニスタンで戦死したドイツ軍兵士は35人以上である。

 ドイツでは、アフガン早期撤退を求める世論が7割に達しており、先に述べた「反核」世論と相俟って、今月27日に予定されている総選挙結果が注目される。      (2009.09.11)
 

 
<写真> Morning Star, The New York Times


 
 
by shin-yamakami16 | 2009-09-11 23:40 | Comments(0)