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by shin-yamakami16

シャンゼリゼを占拠した仏農民の怒り



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EU農業問題:「安過ぎる」農作物価格

                        山上 真

 10月16日早朝、未だ薄暗い中、パリ・シャンゼリゼ通りの交通をフランス農民たちが全面遮断した。

 午前7時半、凡そ50人の穀物生産者たちが、JA(仏農協青年部)の全国動員計画に応じて、予め運搬・用意しておいたバリケードと、幾つもの巨大な麦藁束をジョルジュ・サンク近くの大通りの路上に並べ出し、交通を封鎖した。

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 この行為を、JAの議長 Damien Greffin 氏は次のように弁明する。

「農業の世界は今や破滅しようとしている。我々が求めることは、一次産品の価格を上げることだ」

 彼が言うには、1キロの小麦の生産コストが14サンチーム(約 18.97円)であるのに対して、9 サンチーム(約12.20円)で売られているということだ。

 また、EU圏での農作物ダンピングを防止する為の「政策調整機関」を創るように求める。

 今度の抗議運動は、Metz、Colmar、Lorraine、Toulouse、Nantes、Bordeauxなど、フランス各地て展開されている。

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 今年初めから、フランスばかりでなく、ベルギーなどヨーロッパ各地で、大規模な「牛乳価格」引き上げ要求の運動が、大量のミルクがタンク・ローリー車から野原にブチ撒かれるという派手な映像を伴って、繰り広げられているのが見られた。
 そのデモは、各国農相による、EU本部での交渉を待つ形で一旦終息していたが、他の農業分野で新たな抗議運動が始まることとなった。

 日本でも、「減反」を始めとする農業問題は深刻であるが、東欧などの新たな加盟に伴って、EU農業問題は複雑さを増している。  (2009.10.16)



<写真> Libération, Le Monde, Le Parisien
by shin-yamakami16 | 2009-10-16 23:11 | Comments(0)