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by shin-yamakami16

アフガン「正しい方向に向かっている」ですって!

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現地「世論調査」の虚実は? — 連日報道される NATO 戦死者 

                           山上 真

 ここ数日間のアフガン戦死者

1月10日 英国紙『サンデー・ミラー』記者 Rupert Hamer 氏、アフガン南部Nawa北西で、米軍海兵隊の装甲車に同乗して取材中、路傍爆弾爆発で、即死、もう一人のカメラマン Philip Coburn 氏も重傷を負う。Hamer 記者は、アフガン戦争・英国従軍記者の内、最初の犠牲者となった。


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                   Rupert Hamer 記者

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             Hamer 記者とカメラマン Philip Coburn 氏

1月11日 フランス機械化旅団所属下士官、カブール北東 Alasay 渓谷でタリバンの攻撃を受けて即死。もう一人も重傷を負い、2日後に死亡。氏名など未発表。

1月11日 アフガン南部でタリバンと交戦中の米軍兵士3人が死亡。詳細未発表。この日、南部で2人の米国民間人が死亡、道路建設に携わっていたアフガン人2人も死亡した。これで、今年に入ってから、少なくとも10人の米軍人が死亡したことになる。(『ワシントン・ポスト』紙)

1月11日 南部ヘルマンド州 Musa Qala で、路傍爆弾爆発により英国兵一人死亡。


 以上のように、タリバンとの戦闘中のNATO軍関係者の犠牲者は、相変わらず枚挙の暇がないくらいだ。

 こうした中、不思議なアフガン「世論調査」結果が、主として BBC News として発表された。
 それによると、約7割のアフガン人は、自国が正しい方向に進んでいると信じ、アメリカ軍の駐留を是としており、実に9割の国民がカルザイ政権を支持しているというのである。
 これを見て、筆者はイラク戦争最中に度々行われていた西側発表のイラク人「世論調査」を思い起こした。当時も、英米軍イラク占領が、いかにイラク人によって「支持されている」かを、知らしめていたものだ。後になってみれば、とんだ「お笑い種」だった。


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この「調査」は、1500人余りのアフガン成人を対象に、アフガン政府、BBC・ABC など西側メディア、国連機関などによって、昨年12月中旬に実施されたものという。オバマ大統領が3万人の軍隊増派を発表して以来、連日アフガン現地で展開された「反米デモ」の最中に行われた。

 前述の戦争犠牲者急増の件を考えると、この「世論調査」も、米国・英国など西側関係者の「お手盛り」ではないかと疑うことが十分に可能だ。その真偽はそう遠くない内に明らかになることだろう。     (2010.01.12) 


<追記> 1月13日の『ニューヨーク・タイムズ』紙が伝える所に依ると、アフガン南部ヘルマンド州で12日(火)、米軍による住民家屋襲撃に抗議する数千人規模の反米デモが展開され、「アメリカに死を」などと叫んだという。これに対して、タリバンによって煽動されたデモと看做した米軍は発砲し、少なくとも8人のアフガン人が死亡し、数十人の負傷者が出た模様だ。一方、パキスタンで主に使われていた米軍「無人爆撃機」が、最近アフガンでも二カ所のタリバン攻撃の為に展開され、そのミサイル攻撃で十数人の「タリバン」が殺されたという。死者の中には、当然、一般民衆も含まれている恐れがある。

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<写真> Daily Mirror, The Guardian, BBC News, Le Monde, The Washington post
by shin-yamakami16 | 2010-01-12 22:39 | Comments(0)