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by shin-yamakami16

アフガン:三度繰り返された誤爆

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              「誤爆現場」に出動した救助ヘリ


空しい「心と魂」NATO軍作戦
             
                                   山上 真

 今日2月22日(月)の欧米メディアが一斉に報じている所によると、アフガニスタン中央部Uruzgan州で、NATO空軍機が誤って民間人の車列に爆撃し、33人の死者と多数の負傷者を出した模様だ。


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 NATO軍がタリバン部隊だと勘違いした3台のミニバスには、女性・子供を含む42人の一般アフガン人が乗っていた。

 既に21人の遺体を収容し、14人は病院に収容されたが、判別不能の遺体も幾つかあるようだ。
 

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 NATO軍司令官マクリスタル氏は改めて、カルザイ大統領に謝罪し、この誤爆の原因究明を約束しているという。

 2月15、16日に合わせて17人の民間人、17日に7人のアフガン警官が誤爆で殺害され、そして今度の事件を含めて、数日間に60人近くの誤爆犠牲者を生んだことになる。

 米・英の指導者が、「テロ撲滅の為」のアフガン戦争を続けながら、アフガン民衆の「心と魂」を掴もうとしても、直接的な生命の脅威を日常的に齎している状況では、全く無駄な営為でしかない。ますます多くのアフガン民衆は、自分たちの生活は疎か、生命まで軽んじる欧米人というイメージを深く心に刻み込むだけであり、そこにタリバンが「入り込む」温床を醸成することになる。そこを理解しない輩は、破壊を事とする「野蛮人」であっても、到底「文明人」でたり得ない。                
                              (2010.02.22)


<追記 1 > 2月25日付の英国『タイムズ』紙の報道によると、去年12月に、アフガン東部パキスタン国境近くのKunar州で、8人のアフガン児童が、反政府武装勢力の拠点と勘違いしたNATO軍の急襲を受けて死亡したという。この事件は最近になって明るみに出て、NATO軍当局も認めているが、どの部隊が関わったかについては、不明瞭としている。
 また同紙によると、「独立人権擁護委員会」は、アフガニスタンでのNATO軍の誤爆などで、過去2週間に少なくとも63人の民間人が死亡したと発表している。このことについて、米軍マクリスタル司令官は、再三の誤爆がNATO軍の「戦略的敗北」に繋がることを懸念しているというが、このような「大作戦」自体が必然的に齎すリスクであることを未だ気付いていないとすれば、お粗末と言う外ない。(2010.02.25)


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           NATO軍の急襲で死亡したアフガン児童


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<追記 2> 2月24日付の仏紙『ル・モンド』が報道する国連筋のレポートによれば、2009年度にアフガン戦争で死んだ子供の数は346人に上るという。その内、131人が NATO軍の爆撃で死に、22人がNATO軍作戦中に巻き添えで死んでおり、128人が反政府武装勢力の攻撃及び爆弾テロで死んでいるということだ。 (2010.02.25)



<写真> The Guardian, Le Monde,The Times, Wikipedia
by shin-yamakami16 | 2010-02-22 21:50 | Comments(0)