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by shin-yamakami16

「野豚」に還った野田首相

民主主義原理を蹂躙する「民主」の輩に鉄槌を

                                  山上 真

 福島の「原発事故」の余波が、一層複雑かつ深刻な形で続いているのを耳にして,何とも遣り切れない気持ちだ。
 放射能汚染コンクリートが各地で見つかり、五百か所以上の工事で使われている可能性があるという。コンクリートの原料となる採石場の石の放射能汚染を無視していたことが原因であるが、政府・行政当局は、その危険性を把握していなかったというお粗末さだ。最初に見つかったマンション以外にも、個人住宅に居た子供の異常な線量の内部被曝が明らかになり、パニックが拡っているようだ。

 こんな事態について、未だに「原発事故終息」宣言を出した野田首相、原発事故担当の細野とか枝野などの連中の説明が無いのはどういうことだろうか。恐らく、この程度のことは大したことではないと思わせる、「民主」独特の姑息な手法に違いない。

 もう一つ驚いたことは、野田がこれまでの発言を翻して、消費増税などの「一体改革」が国会で成立してから総選挙を行うと言い出したことである。これら「一体改革」が先の総選挙「マニフェスト」に無かった以上、法案を国民に提示した後、国会解散して信を問うことが常識ではないか。正に民主主義の原理に背く乱暴狼藉を働こうとしていると言う外ない。
 彼には、国民の声などどうでもよく、法案成立という「既成事実」を造ってしまえば占めたもので、仮に総選挙で負けても、後世に「名を残せる」という思いがあるのだろう。

 内閣支持率が20%台に落ちても強気で居られる訳は、財界を背景とするマス・メディアの「圧倒的」支持がある、という自信だ。
 日本に於ける新聞・TVなどの大情報媒体の頽廃は、「マス・ゴミ」と揶揄される程、救い難い状況を呈している。
 これら「マス・ゴミ」は、消費増税をしなければ「財政危機・ギリシャのようになる」という「空虚な」宣伝を繰り返す一方、野田政権が一機99億円もするF35戦闘機を数十機米国から買って、一兆六千億円もの無駄使いをしようとしていることを何ら指摘しない。将来の皇室費増額に繋がる「女性宮家」を設けることに賛成しても、他の全ての「支出削減」の企ての中、年間総額200億円に上る皇室関係費の削減には全く触れない。

 一昨日、「民主」党大会なるものが開かれたそうだが、驚いたことに、首相などの一方的演説ばかりで議論がまるで無かったようだ。先の総選挙の際掲げたマニフェストを殆ど全て反古にしたことの反省や説明がどこにも見当たらない。ただ、中央が提起した方針を拍手で採択するだけで終わったという。何とも無責任な政党と言う外無い。
 この日、筆者は偶々、『ニッポン放送』を聴いていたのであるが、この大会を傍聴した記者の話では、出席者も少なく低調に終ったという。「これが政権党の大会か?」という感想を漏らしていた。

 因に、2011年度定期大会(幕張メッセ)にオブザーバーとして傍聴した前民主党松戸市議会議員・長谷川満氏は、そのブログで次のように語っている。

 大会は代議員、オブザーバーを含めて2200人が集まりましたが、具体的な政策議論は行われず、質問しようとした代議員に対し、議長は大会での質疑は行わないことが慣例となっていると発言して採択を強行し、1時間ほどで終わりました。
 何のための党大会なのか疑問の残る時を過ごしました。
 大会は、江田大会実行委員長のあいさつに続き、亀井静香国民新党代表、福島みずほ社会民主党党首、米倉弘昌日本経団連会長、古賀伸明連合会長、熊谷俊人千葉市長が来賓としてあいさつをしたあと菅直人民主党代表があいさつしました。
 菅直人代表のあいさつでは「改革」のための強力な布陣を作ることだけで、日本経済の建て直しや国民生活、社会保障の問題や今抱えている政策についての具体的な方向性は示されませんでした。
 今話題になっている内閣改造だけで民主党の支持率を浮上させ、春の統一地方選挙をたたかいきれると考えているのか、そんなに国民の目は甘いものではないような気がします。

 このような「民主」党の実態を見ていると、「自民政治」に替わって、嘗て国民多数が期待していた「革新性」の微塵も,この党には見当たらないことが分かる。
 巷間では、嘗て「ドジョウ」と呼ばれた首相の渾名は,今や「ノブタ」が主流のようだ。恐らく、国民世論が全く納得していない、手前味噌の「一体改革」を、無理を承知で強引に押し通そうとする「無謀さ」が「野豚」の様を想起させるからだろう。あるブログでは、「原発輸出」などの悪行を為す「人間の皮を被ったブタ」という表現を与えられているのだが。 (2012.01.18)

<追記>
『朝日新聞』の世論調査(1月13,14実施)の結果は次の通りである。これで、国民世論の消費増税「反対」が決定的に明白になった。特に、最近では、国民全体の6割以上に上る「無党派層」の意思表示には不気味なものがある。「民主」政権は、この動向に「泣く」ことになるに違いない。

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by shin-yamakami16 | 2012-01-18 21:50