世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

「大間原発・建設再開」— ‘The Washington Post’

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            「大間原発」建設現場を見守る Atsuko さん

「フクシマ」から二年:悲劇を風化させる財界・保守「現実派」

                             山上 真

 東日本を襲った大地震と、それに伴う世界史上最悪の「原発事故」発生からちょうど二年目となった今、日本を始めとして世界各地で「反原発」の運動が広がっている。


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 日本では、3月8日から11日に至る数日間に渉って、東京・京都・大阪など全国数十の都市で、安倍政権の「原発再稼働」に反対する集会・デモが展開された。一頃より参加人数は減ったものの、全国的な規模に拡がったことに大きな意味がある。

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               台北での「反原発」デモ

 台湾では、台北など4都市で、野党支持者などを中心に約10万人が、日本の日立・東芝製造の「日の丸原発」建設などに反対してデモが繰り広げられたという。

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 欧州では11日、仏・独・英などで「反核」デモが行われ、特にパリでは2万人の参加者が「人間の鎖」を作って、「アレバ」など原子力企業・関係施設を包囲したという。すでに2020年までに「原発廃棄」を決めているドイツでも、数万人が「即時廃炉」を求めて北部原発などでデモを行い、ベルリンでは、日本政府の「原発再稼働」政策に反対する数百人が日本大使館前で集会を開き、大使館員に抗議文を手渡したという。

 あれだけの大災害を起こし、未だなお多くの人々を苦しめている日本*「原発事故」は、放射性物質を空中や海水を通じて撒き散らし、「世界的な不安」を掻き立て、二度と繰り返すことを許されないものである。日本が特に無二の「地震国」であり、「原子力」施設に「確実な安全性」を付与不可能な国土環境にあることを自覚するならば、「原発再稼働」などということは明らかに「論外」の筈である。

 にも拘らず、安倍政権が「再稼働」を言う背景には、一つには、「円安」に伴う「エネルギー輸入」のコスト高騰と、その結果としての「貿易赤字」拡大を抑える為に、何とか「原子力エネルギー」再興で乗り切ろうとする「経済戦略」と、一つには、財界・経団連の要請を受けて、東芝など原子力産業の国内外進出・拡大を後押しさせたいという「大企業援護」策があるからだろう。

 そこには、国民の「生命・健康」を保障するという、必須とされる最も基本的な政治家としての信条・姿勢が見られない。「新規原子力施設は安全だ」という「企業側の宣伝」を丸呑みにして、これまでの自民党が踏襲してきた「行き当たりばったり」の原子力行政を、「大悲劇」を経てもなお、繰り返そうとしているのは、正気の沙汰ではない。

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 昨日3月11日の米国『ワシントン・ポスト』紙は、「フクシマ核事故から2年後の日本では、新核施設建設が再び始まっている」と題する記事を掲載し、青森・*大間のこの施設近くに住む女性Atsuko さんが、家の前に展開する核施設の建設再開の様子を不安げに見守る写真を紹介している。彼女は、今は亡き母が続けていた「反原発」の運動を受け継ぎたいという強い思いで、この自宅に踏みとどまっているということだ。
Atsuko Ogasawara has watched a nuclear power plant be built from her yard for the past five years. Her choice to remain in her home is driven by her determination to carry on her late mother’s fight against nuclear power.


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      総合進捗率 37.6% (2011年4月20日現在) 電源開発(株)殿提供


  『ポスト』紙の記事<要約>は次の通りである。(原文:参考資料2)

 チェルノブイリ以来最悪の原発事故から未だなお癒えていないこの国の、本州北の果ての半島では、600人の作業員・技術者たちが真新しい核施設を建設している。巨大な建物とクレーン、送電線が既に設けられているが、この国では、未だ将来的な「核エネルギー」の役割については意見が分かれている。

 この建設に携わっている「日本電源」'J Power' は、「原発」に好意的な自民党政権復帰という好条件に恵まれながらも、日本人の多くは長期的な「原発依存」を脱しようとしている中で、いずれ日本は再び原子力に頼らざるを得ないだろうという期待の下での、一種の「賭け」に出ているのだ。

 確かに専門家の中には、地方財政の「原発依存」体質や、核エネルギー放棄の場合の輸入化石燃料依存に依るコスト高と貿易赤字を懸念する故の、「原発依存の根強さ」を指摘する人々がいる。

 日本の首相は「フクシマ」以来、三度替わったが、「原発」については、「反対」から段々と「肯定」に様変わりしている。「原発」反対運動も、統一が取れておらず、このところ、やや「落ち着いた」感じだ。

 大間の町は、財政の15%を「原発」受容故の国からの補助金に頼っており、雇用や図書館・プールなど公共施設も「電源開発」の援助で出来ている。

 「電源開発」としては、ここまで投資してきて「原発撤退」など考えられず、前政権さえ事実上の「建設継続」サインを出している以上、自民党政権がNoを言う筈がないと踏んでいる訳だ。
                               (2013.03.12)

                  <追記>
1. 本日3月12日付の『読売新聞』に依ると、大間原発を建設中の「電源開発」は、11日、大間原発の「活断層」問題について追加の地質調査を月内に始めると発表したという。

電源開発が追加調査 大間原発活断層問題で

 電源開発は11日、建設中の大間原発(大間町)で追加の地質調査を月内に始めると発表した。調査は1年以上かかる見通し。同社はこれまで原発敷地内に活断層はないと主張してきたが、活断層を巡って原子力規制委員会の専門家チームに東北電力が追及されたことなどから、「より詳細な調査が必要だ」(同社関係者)と判断したとみられる。

 電源開発は敷地内で約1500メートルのボーリング調査を行い、地下深部の地質構造を分析するほか、航空機によるレーザー測量で敷地周辺の地形も調べる。

 同社は敷地内で見つかった地層のずれを「地下水で地層が膨らむ『膨潤』によるもの」と説明してきたが、東北電東通原発の活断層を巡っては、敷地内地形の変状を膨潤で説明する東北電に対し、専門家チームは「膨潤による地層のずれは世界的にも実例がない」などと激しく反発した。

 規制委は大間原発の断層に関する現地調査の必要性を検討中だ。調査対象となった場合、これまでに集めた地層のデータだけでは乗り切れない可能性もある。

 また、同原発を巡っては東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)が原子炉から北約200メートルの敷地内に活断層があると指摘するほか、原発南西の下北半島沖や、北東の津軽海峡に二つの海底活断層の存在が取りざたされているが、電源開発は「海底活断層」は追加調査の対象外とした。

 渡辺教授は「しっかり調査をするのは結構なことだが、何を目的にした調査なのかが分からない。海底活断層が原発近くにあるのは明らかなので、対象外とすれば、新たに調査を実施する意味はない」と批判している。
(2013年3月12日 読売新聞)

<写真> The Washington Post, Le Monde, MSN, Libération



             <参考資料>
1. 3月23日付『東京新聞』
【社会】
セシウム17兆ベクレル流出か 原発港湾内濃度から試算
2013年3月23日 18時29分
 東京電力福島第1原発の港湾内で海水の放射性セシウムの濃度が下がりにくい状態が続いていることに関し、汚染水の海への流出が止まったとされる2011年6月からの約1年4カ月間に、計約17兆ベクレルの放射性セシウムを含む汚染水が海に流れ込んだ恐れがあるとの試算を、東京海洋大の神田穣太教授がまとめた。
 東電は、11年4月に1週間で意図的に海に放出した汚染水に含まれる放射性物質の総量を、約1500億ベクレルと推計しているが、その100倍以上に当たる。
 神田教授は「現在も地下水や配管を通じて流出が続いている可能性がある。すぐに調査すべきだ」と指摘している。
(共同)

2. 3月11日付『東京新聞』
【社会】
原発関連死789人 避難長期化、ストレス 福島県内本紙集計

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 東京電力福島第一原発事故に伴う避難やストレスによる体調悪化などで死亡したケースを、本紙が独自に「原発関連死」と定義して、福島県内の市町村に該当者数を取材したところ、少なくとも七百八十九人に上ることが分かった。死者・行方不明者一万八千五百四十九人を出した東日本大震災から十一日で二年。被災三県のうち福島では、宮城、岩手よりも多くの人が今も亡くなり続けている。原発事故は、収束していない。(飯田孝幸、宮畑譲) 
 地震や津波の直接の犠牲者だけでなく、震災や事故後の避難中などに亡くなった人に対し、市町村は「震災関連死」として災害弔慰金(最高五百万円)を給付している。福島では二十二市町村が計千三百三十七人(十日現在)を関連死と認定。二十市町村はこのうちの原発事故に伴う避難者数を把握しており、本紙で「原発関連死」として集計したところ七百八十九人に上った。南相馬市といわき市は把握していない。
 南相馬市の担当者は「事故後、市全域に避難指示を出した。震災関連死と認定した三百九十六人の大半は原発避難者とみられる」と話しており、これを合わせると原発関連の死者は千人を超えるとみられる。
 二百五十四人が原発関連死だった浪江町では、申請用紙の「死亡の状況」欄に「原子力災害による避難中の死亡」という項目がある。町の担当者は「全員がこの項目にチェックしている。自殺した人もいる」と話す。
 震災関連死の認定数は、福島より人口が多い宮城で八百五十六人(八日現在)、岩手が三百六十一人(一月末現在)で、福島が突出している。復興庁は「福島は原発事故に伴う避難による影響が大きい」と分析している。
 認定数の多さだけではなく、影響が長期に及んでいるのも福島の特徴だ。震災後一年間の震災関連死の認定数は福島が七百六十一、宮城六百三十六、岩手百九十三。その後の一年の認定数は福島が五百七十六、宮城が二百二十、岩手が百六十八。今も申請は続き「収束が見えない」(浪江町)という状況だ。

 3月13日付『東京新聞」
【社会】

自殺12人 原発関連死 福島県内

 東京電力福島第一原発事故に関連して、福島県内で少なくとも十二人が自殺した可能性のあることが、原発事故関連訴訟の弁護団や市町村、地元農業団体への取材で分かった。このうち震災関連死と認定されたと確認できたのは二人で、五人は申請していない。遺族が自治体に相談して断念した事例もあった。原発による死は、行政が定める関連死の枠外にも存在する。 
 本紙の集計では、福島県内で震災関連死と認定された千三百三十七人のうち、少なくとも約六割にあたる七百八十九人は原発事故の避難などに伴う「原発関連死」だったことが判明している。本紙で把握した自殺者十二人のうち、少なくとも五人の遺族は関連死の申請をしておらず、この「原発関連死」の人数には含まれていないことになる。
 うち須賀川市の野菜農家の男性(64)は、福島産野菜の一部に国の出荷停止指示が出された翌日の二〇一一年三月二十四日に自殺した。遺族によると、男性は原発事故後「福島の百姓は終わりだ」と話していたという。
 川俣町の女性(58)は夫婦で養鶏場に勤めていたが、原発事故で失職。計画的避難区域にある自宅に一時帰宅中の一一年七月一日、焼身自殺した。
 市町村への取材で、南相馬、浪江、富岡の三市町で自殺を関連死認定したことを確認できたが、人数は明かしていない。須賀川、二本松両市には遺族から、どういう場合に関連死に認定されるのかといった相談があったが、申請には至らなかったという。
 原発事故との因果関係の立証の難しさや、自殺を表沙汰にしたくない心理が申請を躊躇(ちゅうちょ)させる要因と指摘する専門家もいる。
 一方、遺族への取材によると、飯舘村で一一年四月十二日に自殺した百二歳の男性は関連死と認定された。村が全村避難を検討している段階だった。
 厚生労働省が震災後、自治体に例示した関連死認定の基準は、自殺について「発作的なものでなく、震災を契機としたストレスによる精神的疾患に基づくもの」を認定対象にしている。震災関連死に詳しい津久井進弁護士は「福島の場合、インフラや住宅の整備で復興への道筋が見えた過去の震災とは、将来に対する絶望感がまったく違う」と指摘。「医学的な要因だけでなく、社会的背景が原因の場合も認められるべきだ」と指摘する。  (飯田孝幸、大平樹)

3. 3月11日付『ワシントン・ポスト』紙 ー「福島原発事故から2年の日本では、新核施設の建設が始まっている」

The Washington Post
In Japan, two years after Fukushima nuclear accident, work resumes on new plant

By Chico Harlan, Monday, March 11, 8:33 AM
OMA, Japan — At the remote northwestern tip of a snowy peninsula, beyond a small road of fishing shacks and empty one-story homes, 600 construction workers and engineers are building a brand-new nuclear plant for a country still recovering from the most severe atomic accident since Chernobyl.
The main reactor building is already at its full height, though draped in heavy fabric to protect it from the wind and freezing temperatures. A 500-foot crane swivels overhead. A completed power line stretches along a nearby ridge, where it might one day carry electricity down the peninsula and back toward the Japanese mainland — a place still fiercely divided over the long-term role of nuclear power.
In the aftermath of March 2011 meltdowns in Fukushima that contaminated 700 square miles with radiation and forced 150,000 to flee their homes, most never to return, Japan’s utility companies paused nearly all nuclear-related projects. The accident sparked a global debate about nuclear power, but it was especially fierce in Japan, where all 50 operable reactors were taken offline and work was halted on three new plants where building had been underway.
But two of the existing reactors are back in action, and the resumption of construction at the Oma Nuclear Power Plant here — a project that broke ground in 2008 and was halted by the operator, J-Power, after the accident — marks the clearest sign yet that the stalemate is breaking.
The green light for the new plan was, at its root, a bet by the energy company that Japan will come to again support and rely on nuclear power, which provided some one-third of Japan’s electricity before the Fukushima crisis.
Analysts say that predicting the direction of Japan’s atomic future is difficult and that J-Power’s decision is a risky one — even with a ­pro-nuclear party back in power — because a majority here opposes long-term nuclear dependence.
Still, experts see modest evidence of nuclear power’s resiliency. Japan has traditionally built its nuclear plants in far-flung towns that depend on the facilities for the subsidies and tax dollars — as well as the jobs — they bring. Consumers and big businesses fear the long-term economic pain of a nuclear phaseout — increased dependence on imported fossil fuels, annual trade deficits, higher energy bills.
At the national level, Japan has cycled through three prime ministers since Fukushima — the first fiercely anti-nuclear, the next moderately anti-nuclear, the current one cautiously pro-nuclear. The previous ruling party tried last fall to plot a nuclear phaseout by the 2030s, but anti-nuclear advocates say the pledge was watered down to the point of being meaningless. The new prime minister, Shinzo Abe, plans this month to convene the latest in a series of expert panels to help overwrite the phaseout plan, and its makeup suggests that he prefers a role for nuclear power.
Japan’s anti-nuclear movement, which swelled after the Fukushima accident, could still play a role, but it is politically disorganized and has grown quieter in recent months. Individual activists cite the resumption at Oma as controversial but note that the move did not prompt mass-scale protests.
“Right now, the trend is not going in the right direction,” said ­Misao “Redwolf” Shinoto, a leader of the anti-nuclear movement.
Work stoppage
By March 2011, construction at Oma was more than one-third complete, with a 2014 target date for commercial operation. But J-Power voluntarily halted the project after Fukushima. Contractors were sent home or told to find new work. Twenty-three cranes were disassembled and shipped out. Only a skeleton staff stayed behind in Oma. And for the next 18 months, J-Power waited to see whether Japan’s central government would reconsider its long-term commitment to nuclear power.
Gradually the country’s 50 working reactors were shuttered, because of safety concerns or for routine maintenance checks. Two reactors in western Japan restarted in July, but others remain in limbo, requiring major reinforcement against earthquakes, tsunamis and other disasters.
<中略>
Roughly 15 percent of the town’s annual budget comes from government subsidies handed down for its willingness to host the plant. Phasing out nuclear power would be a “sorry thing,” said Oma’s mayor, Mitsuharu Kanazawa.
For its part, J-Power would sustain a “major financial blow” if it could not operate the Oma plant, spokesman Hiroshi Nakatani said in a February interview, though he refused to provide specifics.
With its hydro and thermal stations, J-Power generates 6 to 7 percent of Japan’s power, which it sells to the country’s nine regional utility monopolies. That supply has become even more important post-Fukushima, as those monopolies have less generating capacity of their own.
<中略>
The LDP has said nothing specific about such long-term plans. And even if the party drafts such plans, they could prove irrelevant if the LDP falls from power. But analysts point out that the LDP is Japan’s mainstream party, running the country for most of the past six decades and now reestablished with Abe’s approval rating above 70 percent.
Looking for some clarity, Oma’s mayor, along with the chairman of the chamber of commerce, Kiyotaka Denpo, and representatives from several other towns, traveled in mid-February to Tokyo for a meeting at the Ministry of Economy, Trade and Industry.
They asked the officials to continue to promote nuclear power, Kanazawa and Denpo said. They also asked the government to build a wider and more direct route heading out of town, to enable speedy evacuation in case of emergency.
Finally, Denpo asked about whether the government intended to stick with the plan to phase out nuclear power by the 2030s, as the now-ousted Democratic Party of Japan had called for.
A ministry spokesman declined to say what the group talked about.
The answer Denpo says he heard assures nothing, but it made him feel better about the direction in which Japan was heading.
“I asked them, ‘So, are you going to get rid of nuclear plants by the 2030s?’ ” Denpo said. “And they said no.”
Yuki Oda contributed to this report.

4. 大間町HPより
原子力情報
大間原子力発電所の情報
大間原子力発電所建設計画の概要
大間原子力発電所は、大間町に、電源開発株式会社がウランとプルトニウムの混合酸化物燃料(MOX燃料)を全炉心に装荷可能な138.3万KWの改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を1基建設する計画となっています。

平成11年9月に電源開発株式会社が、国へ原子炉設置許可申請を行い、国の安全審査が開始されました。しかし、用地取得が完了していないことから原子炉の位置を変更し、平成16年3月に原子炉設置許可申請書を提出し、国の安全審査が再開されました。平成20年4月に安全審査が終了し、同月、国から許可を受けました。

現在、電源開発株式会社は、平成26年11月の営業運転開始を目指して建設工事を行っています。

大間原子力発電所では、MOX燃料の使用について、着実かつ段階的に確認しながら進めるため、初装荷はMOX燃料の装荷を炉心の3分の1程度以下から始め、その後、段階的にMOX燃料の割合を増やし、全炉心に装荷していく予定です。
位置敷地等
位置青森県下北郡大間町
敷地面積約130万㎡
電気出力138.3万KW(キロワット)
原子炉型式改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)
燃料の種類ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)および濃縮ウラン

建設工程
着工平成20年5月
運転開始未定

5. 『産経新聞』
原子力規制委、大間原発の活断層調査へ 工事中止の可能性も
2012/11/28 22:57

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は28日の定例会見で、電源開発(Jパワー)が建設工事中の大間原発(青森県)について、敷地周辺の断層を調査することを明らかにした。時期は未定だが、活断層が存在し原発に影響することが判明すれば、工事中止を求める可能性もある。

 規制委は下北半島にある東北電力東通原発(青森県)を含め全国計6カ所の原発での活断層調査を決めている。田中委員長は「(下北)半島全体に断層の議論があり、大間原発も疑念のないようにきっちり調査する」とし、6原発に未完成の大間を新たに加える考えを突如示した。

 大間原発は南西40~50キロの海域に海底活断層があることが、産業技術総合研究所などの調査で判明。確認された長さは約14キロで、原発付近に延長している可能性もあり、同研究所は原発への影響を指摘していた。

 昨年の東日本大震災後に工事を中断していたが、枝野幸男経済産業相が9月に継続を認める考えを表明し、工事が再開された。運転開始は平成28年以降となる見込みだが、田中委員長は「必要があれば追加調査も指示する」と話し、さらに運転計画が遅れる可能性もある。

 電源開発は敷地内に断層は存在せず、敷地外の活断層も問題はないと主張。同社広報室は「規制委から指示があれば対応する」としている。
by shin-yamakami16 | 2013-03-12 10:30