世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

祝名護・稲嶺氏「再選・圧勝」:次は「革新」沖縄知事実現へ

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                    辺野古


「日米安保」廃棄が「アジア・世界平和」への唯一の道

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 先日1月19日に行われた沖縄・名護市長選挙で現職稲嶺氏が約4千票という大差で、自民推薦の候補を破ったことは、日本に於ける革新運動の歴史でも稀に見る「歴史的快挙」と言えるだろう。

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             カチャーシーを踊る稲嶺氏

 美しい海を穢して、そこに戦争即ち人間同士の「殺傷」にしか役立たない軍事基地を新たに造るという行為は、大平洋戦争中日本帝国によって悲惨な犠牲を強いられた沖縄の人々にとって、到底受け入れ難い愚行であることを、その聡明な投票行動によって顕示したのである。

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 やれ振興予算3000億円だの、やれ500億円だのと言う「札束で頬をひっぱたく」様な政府・自民の恥知らずな「甘言」には、如何に貧しい島民でも決して乗せられることは無かった。それらの金が島民の生活を潤すどころか、一部土建業者たちの建設ラッシュによる自然・生活環境破壊にしかならないことをよく知っているからだ。

 安倍政権は沖縄・辺野古に新たな米軍基地を設ける大義名分として、頻りに中国などの動きを想定した日本の「安全保障」の為であることを言い張った。「尖閣」問題などで殊更対立・緊張関係を作り出しつつ、だからこそ「日米同盟」が重要なのだという欺瞞的な論法を用い、米軍の為の新基地建設の合理化を謀っているが、米国との同盟を止め、平和憲法の理念を生かしつつ極東近隣諸国との親善関係を押し進めて行くことの方が,軍事基地も要らず、年間6兆円もの膨大な軍事予算も不要な、遥かに理に合った道であることに「気づかない振り」をしている。国民の血税を使っての日米産軍複合体への「貢献」が、日本保守政権の「至上命令」であるからだ。

 我々はここで,改めて「日米安保条約」がもたらす害悪を見つめ、その根本的見直しを行い、その撤廃に向けた努力を早めなければならない。

 安倍政権は早くも「名護敗北」を無効化するべく辺野古工事の入札公告などを始めているが、民主主義の概念を少しでも知っている者ならば、この21世紀に地元大多数の人々の意思を無視して、そこにとてつもない建造物を造れるなどと思うとしたら、度し難い愚か者ということになるだろう。もし強行でもしようものなら、流血の惨事と共に、政治・社会全般に渉る「大変動」が起こるものと、乱暴者たちは覚悟しておくべきだ。その衝撃は日本国内に止まらず、世界的な波紋を描き、日米両政府への抗議運動が世界中で巻き起こることだろう。
 すでに欧米の幾つかの著名新聞で、「名護・反基地派」勝利などを伝えているので、ここにその記事内容の大要を紹介しておきたい。


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 米国1月19日付『ワシントン・ポスト』紙は、’Japanese mayor opposed to US air base re-elected’ 「米軍基地反対の日本市長が再選」という見出しで、長らく日米政府が計画してきた新基地建設が「あらゆる手段を動員した努力にも拘らず」多くの市民の反対に遭っている状況を淡々と紹介している。

 英国紙では、1月20日付『ガーディアン』紙が見出しで ’Okinawa: plans to move US base suffer setback’ 「米軍基地移設計画は敗北を蒙った」とし、副題では ’Voters in proposed new location re-elect mayor opposed to base dogged by complaints over pollution, crime and fear of accidents’ 「新たな移設地の選挙民は環境汚染・犯罪・事故の恐れで悩みの種の基地に反対する市長を再選」としている。本文では、安倍政権の膨大な援助の約束を受けて、「普天間・島外移設」の主張を取り下げた仲井真知事に対する反対の声が高まる一方であり、基地反対運動の高揚と共に,安倍政権への全国的な支持率も下降することだろうと言う。
 
 英国BBCニュース (1月20日)は、「反政府的」な『ガーディアン』紙の内容を意識した為か、タイトルで ‘Okinawa: US base move 'to proceed despite vote' 「沖縄米軍基地移設は投票にも拘らず進む」として、日本政府は基地反対派が勝っても、辺野古基地建設の方針に変わりないことを強調する内容になっている。

 1月20日付『ニューヨーク・タイムズ』紙は、印刷するとA4・5枚に及ぶ長文記事で、タイトルは ’In a City on Okinawa, Mayor’s Re-election Deals a Blow to Marine Base Relocation Plan’「沖縄の一都市で市長再選は海兵隊基地移設計画に打撃を与えた」として、中国・朝鮮半島と対峙する「右翼」安倍首相の核心的問題である「沖縄基地移設」が財政的大盤振る舞いにも拘らず頓挫する危機を迎えていること、島民が様々な基地問題で苦しんできた実情、名護市長の権限で新基地建設を妨害できることなどを詳述している。

               ・ ・・・・・・・・・・・・・

 一昨日(月曜日)の晩、名護市での「歴史的選挙結果」をどのようにTV各局が伝えるかを知りたく、先ず,NHK 9時台のニュース番組を見守ったところ、冒頭は「北海道厳冬」、次に「ノロウィルス」、そして「ソチ五輪・選手結団式」、これは何と20分間以上,更に「中国餃子事件」、そして漸く9:32 に「名護」と来た。また、そのたった8分の内容たるや、うら若い政治記者の、「名護選挙結果に拘らず、辺野古を進める」という首相官邸声明の代弁が主な内容で,沖縄現地の空気を伝えるというメディアの使命を果たすことから全く程遠い。こんな放送内容で、よく高い視聴料を取れるのかと呆れ返って物が言えない。
 とにかく、今後の日本政治・社会の場で、かなり大きな問題として幾度も出て来る筈の「沖縄・名護」そして基地問題をこんなに軽く扱っていいものか?

 そこで思い当たったのは、NHKトップ人事で、安倍好みの「極右」人物2,3人が経営委員会に入ったという事実である。その為か全般的に番組内容が軽薄化し、特にニュース番組が酷く「首相官邸宣伝係」の気配強く、先日は最近の余りの「右傾化放送内容」故に、代々木NHK本局各入り口で,大勢の人々が抗議のビラ撒きをした程だ。

 つぎに、10時台ANN「ニュース・ステーション」を見守った。最初の話題は「ノロウィルス」。これは日本各地で広がっている、緊急性を帯びた大問題で納得される。

 そして,「名護・稲嶺勝利」と出て、安心した。しかも,その内容たるや、現地で丹念に取材した記者たちが、何故再選された稲嶺氏と自民候補の間に、前回1,600票差が,今回4,000 にまで広がったかという原因を語り、稲嶺支持が公明は固より,自民支持層にまで及んでいることを明らかにした。また、元自民幹部や、幾つもの大ホテルを経営する「かりゆしグループ」平良氏など地域財界の大物が、自民党の基地政策に批判意見を述べていた。
 特に注目されたのは、安倍首相は今回の事態—名護市長再選—を見越して、先手を打つ為に昨年末に仲井真知事に普天間基地・辺野古移設を承認させ、「既成事実化」したというのである。いかにも民主主義を恐れる「暴君」がやりそうな事だ。
 とにかく多方面での取材活動から生まれた情報内容に「感動した」20分間だった。
 ただ一つ惜しまれたのは、朝日新聞論説委員子が「日米同盟の恩恵を受けている我々云々」という蛇足のコメントをしていたことだ。
                                              この日、南相馬市でも「脱原発」の桜井氏が再選されたという。

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 次の都知事選、そして秋の沖縄知事選と、日本の「明るい未来」を切り開く契機を一つ一つ大事にして、変革への道筋を衝けて行きたいものだ。
                                 (2014.01.22)


<写真> The Guardian, BBC News, The New York Times, The Washington Post

               
                    <追記>
1. 今日25日新任記者会見したNHK籾井会長は、「従軍慰安婦」問題について「どこの国でもあったこと」と、旧日本軍の恥ずべき行為を正当化したという。この問題は、国連人権委員会などで「日本の過去の恥部」として度々論難の対象となっており、やはり安倍首相はどんでもない人物を公共放送のトップに据えた様だ。この男はどうもNHKを「アベの放送局」に作り変える気でいるらしい。それならばそれで,我々は「一党一派の主張」の受信料など払う必要は無いことになる。とにかく今後の国会論戦などで「公共放送の中立性」という点から、徹底的に追及することが肝要だ。
(2014.01.25)

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1月25日付『朝日新聞』DIGITALより
NHK籾井新会長「従軍慰安婦、どこの国にもあった」
 NHK新会長の籾井勝人氏は25日の就任会見で、従軍慰安婦について「戦争をしているどこの国にもあった」と述べた上で、日本に補償を求めている韓国を批判した。従軍慰安婦問題を取り上げた過去のNHK番組に関連し、この問題に関する見解を問われ答えた。
 籾井氏は会見で放送法の遵守を語ったが、その放送法がNHKの番組に義務づけている「政治的公平性」を疑われかねない発言だ。
 籾井氏は従軍慰安婦問題について「今のモラルでは悪いんですよ」としつつ、「戦争をしているどこの国にもあった」としてフランス、ドイツの名を挙げた。「なぜオランダに今ごろまだ飾り窓があるんですか」とも述べた。飾り窓はオランダにある売春街を指す。
 さらに、個人的発言と断った上で、韓国についても「日本だけが強制連行したみたいなことを言っているから話がややこしい。お金をよこせ、補償しろと言っている。しかし、すべて日韓条約で解決している。なぜ蒸し返されるんですか。おかしいでしょう」と批判した。その後、会長会見の場であることを指摘されると、発言を取り消した。
 NHKの海外向け国際放送については、尖閣諸島、竹島という領土問題について「明確に日本の立場を主張するのは当然。政府が右ということを左というわけにはいかない」と述べ、政府見解を積極的に伝える考えを強調した。

2. 今日27日朝10時過ぎのBBC World ニュースは、日本NHK 新ボス・籾井「暴言」に対する韓国での抗議デモの様子を伝えていたが、これでNHK・日本放送協会は「悪名高い」メディアとして世界中にその名を馳せることになった。 (2014.01.27)
1月27日付『朝鮮日報』
慰安婦:NHK新会長が妄言「どこの国にもあった」
「竹島は日本領土」と主張
 中立報道によりその権威を認められた日本の公共放送NHKの籾井勝人新会長(70)が旧日本軍の慰安婦問題に関連、「戦争をしているどこの国にもあった」と妄言を発した。
 籾井会長は25日、就任記者会見で「(慰安婦は)ドイツにもフランスにもヨーロッパはどこでもあった。なぜオランダにまだ飾り窓(売春街)があるんですか」と述べた。旧日本軍の慰安婦が一般的な売春婦と同じだという意味だ。さらに同新会長は「韓国は日本だけが(慰安婦を)強制連行したようなことを言っている」とも述べた。 <後略> 東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員

1月27日付『東京新聞』
NHK会長 慰安婦発言 官房長官「問題ない」
菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十七日午前の記者会見で、NHKの籾井勝人(もみいかつと)会長が就任会見に際し、従軍慰安婦問題について「戦争地域ではどこでもあった」と発言したことに関し「籾井会長が個人として発言した。社会的使命を担う公共放送のトップとして、放送法に基づいて職務を果たしていただきたい」と、辞任は必要ないとの考えを示した。
 安倍政権として、籾井氏を擁護する姿勢を明確にした発言。日本政府に対し海外から批判が出るのは必至で、国内でも二十八日から衆参両院で始まる与野党代表質問で野党側は政権を追及する構えだ。<中略>
◆「個人的」ありえぬ
ジャーナリズム論が専門の桂敬一東大元教授の話 NHK会長として失格だ。就任の記者会見は、公人として会長としての所感を披歴する場。記者は趣味の質問をしているのではなく、会長がどのような物の考え方かを聞いているのであって、個人としての発言はありえない。それをわきまえないで、中立・公正を求める放送法に縛られるNHK会長としての役割が果たせるわけがない。また、慰安婦問題などが百歩譲って個人の意見としても、「政府が右というものを左というわけにはいかない」との発言は到底、個人の発言とは思えず、NHKの在り方を語った言葉だ。菅官房長官の擁護発言はおかしい。

1月27日付『朝日新聞』
「BBCは政府批判も堂々と報道」山下・共産党書記局長
■山下芳生・共産党書記局長
 NHKの籾井勝人会長の就任会見での発言のなかに、国際放送について、その見解、立場が述べられている。国際放送は明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない、と。
 公共放送というよりも、政府の代弁者、国営放送的な発想であって、この件でも、NHK会長としての資格が問われる。
 ご存じのように、国際放送というのは、世界各国の放送局がやっているが、たとえば、英国のBBCは、政府の見解と違う立場から、政府の見解や立場を批判的に紹介する報道を堂々とやっている。むしろ、そういう放送をすることが、その公共放送として、ジャーナリズムとしての信頼を高めることになっている。
 政府の代弁者となってしまっては、放送のあるべき姿からも極めて逸脱したものにならざるをえない。NHK自身が戦前の軍国主義に追随した歴史を反省して出発したはず。そういう点からも、今回の籾井氏の発言は大変憂慮すべきものだ。(国会内での記者会見で)
 
3. 1月27日付『ニューヨーク・タイムズ』紙
「日本の会長が公共放送者は政府を批判するべきでないと述べて非難されている」と題する記事では、NHK新会長籾井氏が選ばれた経緯・「暴言内容」即ち、「靖国」では首相の行動をコメントする立場にないこと、従軍慰安婦は単に売春婦に過ぎず,韓国などの賠償要求は解決済みであること、領土問題では政府の言うことに従うべきであることなどを紹介し、右翼・安倍首相が「教科書改編」などを通じてじわじわと右翼的愛国心強化の方向にもって行こうとしている一環として、「公共放送」をも政府支配下に置こうとする意図があることを示唆している。 (2014.01.27)
'The New York Times'
ASIA PACIFIC
Japan Official Under Fire for Saying Public Broadcaster Won’t Criticize Government
By MARTIN FACKLER-JAN. 27, 2014
TOKYO — The head of Japan’s influential public broadcaster drew sharp criticism on Sunday for saying that the broadcaster would refrain from criticizing the right-leaning government on such delicate issues as visits to a controversial shrine honoring war dead. He also said his nation should not be singled out for forcing women into sexual servitude during World War II.
The newly appointed chairman of the public broadcaster, NHK, Katsuto Momii, made the comments during his inaugural news conference on Saturday.
Other members of the news media in Japan quickly complained that NHK, widely seen as the nation’s most influential news broadcaster, appeared to be under political pressure to adhere to the government’s nationalist line on wartime and other issues. Mr. Momii, a former corporate executive, was selected chairman last month by a 12-member board of governors, four of whom were named last year by the government of Prime Minister Shinzo Abe.
While the publicly funded NHK is nominally independent from the government, members of its governing board are named by the government and approved by Parliament.
Many liberals fear that Mr. Abe will try to drive Japan to the right as he tried to do during his first term as prime minister. His government has begun to slowly make some moves in that direction, including a proposal that textbooks be rejected if they do not teach patriotism in a way officials deem proper. Mr. Abe also recently visited a Tokyo shrine that pays homage to the country’s war dead, including war criminals — angering the Chinese and South Koreans who say such visits signal a lack of repentance for Japan’s wartime atrocities.
Mr. Momii also drew criticism from the South Korean news media for his comments about the women forced to work in wartime brothels; many of the women were Korean. Many South Koreans say these so-called comfort women should be compensated as victims of imperial Japan’s brutal early 20th-century colonization of the Korean Peninsula.
Some members of the Abe government say that the women were no more than common prostitutes, a view disputed by many historians.
On Saturday, Mr. Momii said that “all nations” ran military brothels during the war, and questioned South Korean demands that Japan compensate surviving comfort women, most of them now in their 80s and 90s.   <後略>

4. 『東京新聞』社説ー1月28日
NHK会長発言 公共放送の信頼損ねた
そもそも適任だったのだろうか。NHK新会長、籾井勝人(もみいかつと)氏である。経済界からの就任だが、放送の役割を深く理解しているとは言い難い。公共放送の信頼を損ねたのなら、退場願うしかあるまい。
 籾井氏は、NHKが従うべき放送法第一条の「目的」に掲げられた「不偏不党」の意味を取り違えてはいないか。例えば、昨年暮れの臨時国会で与党が強行可決した特定秘密保護法である。
 籾井氏は就任会見で「一応(国会を)通っちゃったんで、言ってもしょうがない。政府が必要だと言うのだから、様子を見るしかない。昔のようになるとは考えにくい」と述べた。
 同法は、防衛・外交など特段の秘匿が必要とされる「特定秘密」を漏らした公務員らを厳罰に処す内容だが、法律の乱用や人権侵害の可能性が懸念されている。
 にもかかわらず「昔の(治安維持法の)ようになるとは考えにくい」と言い張るのは、一方的な見解の押し付けにほかならない。
 秘密保護法を推進した安倍晋三首相側への明らかなすり寄りで、もはや不偏不党とはいえない。
 首相の靖国神社参拝も同様だ。籾井氏は「昔の人は『死んで靖国に帰る』と言って心を慰めた。千鳥ケ淵(戦没者墓苑)ではだめだという人が大勢いる」と述べた。
 賛否が分かれても、時の政権の主張に唯々諾々と従うことを、不偏不党と考えているのだろうか。
 さらに、籾井氏は「従軍慰安婦は今のモラルでは悪いが、現実としてあった。戦争地域ではどこでもあったこと」とも語った。
 女性の人権を著しく蹂躙(じゅうりん)した従軍慰安婦の存在を、戦争中という理由で肯定的にとらえるのは、公共放送のトップとしての見識が疑われても仕方があるまい。「個人の発言」では済まされない。
 心配なのは、籾井氏の会長としての資質に加え、会長や安倍内閣寄りの委員が加わった経営委員会の考えを忖度(そんたく)し、制作現場が萎縮したり迎合したりして、放送内容が政権寄りに改変されることだ。
 NHKは視聴者の受信料と信頼で成り立つ、民主主義国家たる日本の公共放送だ。どこかの専制国家の国営放送のように、権力側の言い分を押し付けるのなら存在意義はない。
 良識あるNHK職員には奮起を促したい。放送法第一条「目的」の三項にはこうある。「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」

                    <参考資料>
1. The Washington Post
Japanese mayor opposed to US air base re-elected
By Associated Press, Published: January 19
TOKYO — A Japanese mayor who opposes moving a U.S. military base to his city in Okinawa won a hard-fought re-election battle Sunday, dealing a potential blow to hopes in Washington and Tokyo that the long-delayed plan would move forward.
Nago city Mayor Susumu Inamine, who has vowed to block construction of the base by denying permits for the project, declared victory before 500 supporters at the city’s civic center.
The U.S. and Japan agreed in 1996 to move the Marines Corps Futenma air station to Nago from a more congested part of Okinawa, but many Okinawans want the base off their island completely.
<後略>

2. The Guardian
Okinawa: plans to move US base suffer setback
Voters in proposed new location re-elect mayor opposed to base dogged by complaints over pollution, crime and fear of accidents
Justin McCurry, Tokyo
theguardian.com, Monday 20 January 2014 08.56 GMT
Attempts to relocate a controversial US marine base on the southern Japanese island of Okinawa received a blow when voters in the base's proposed new location re-elected a mayor who has vowed to block the move.
The victory by Susumu Inamine, who stood on an anti-base platform in the city of Nago, is a serious setback to efforts by the prime minister, Shinzo Abe, to move the Futenma marine corps base from a heavily populated part of the island to a more remote site.
The base's uncertain future has been a thorn in the side of relations between Japan and the US, which appeared to have made a breakthrough last month when Okinawa's governor, Hirokazu Nakaima, ended his opposition to the relocation plan.
But the move is opposed by many Okinawans who want it taken off their island altogether. They complain of noise pollution, crime perpetrated by US servicemen and the risk of aircraft accidents.
Attempts by Abe to garner support with promises of a huge increase in development aid to Okinawa failed to win over voters.
Now, plans to build two new runways on an offshore location in the picturesque Henoko area of Nago will be next to impossible without local consent.
<後略>

3. The New York Times
In a City on Okinawa, Mayor’s Re-election Deals a Blow to Marine Base Relocation Plan
By MARTIN FACKLER AN. 19, 2014
TOKYO — Efforts to relocate a Marine air base that has been a longstanding irritant in ties between Japan and the United States suffered a new setback on Sunday when voters in a small Okinawan city re-elected a leftist mayor who promised to block construction of a replacement site.
The victory for the mayor of Nago, Susumu Inamine, dealt an embarrassing blow to Prime Minister Shinzo Abe, who has invested his political capital in efforts to restart the long-stalled relocation deal, and who seemed to achieve a breakthrough last month by gaining the support of Okinawa’s governor.
Mr. Abe, a conservative, has vowed to build closer ties with the United States at a time when both nations face growing challenges from a militarily resurgent China and a nuclear-armed North Korea.
<後略>
by shin-yamakami16 | 2014-01-22 08:46