世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

英国便り(12) 凋落する労働党政権


    凋落するブラウン政権と英国既存秩序

                                山上 真

 今年初めの当地の天候は、如何にも「英国的な冬」として、改めて心に刻ませるものとなりました。筆者の住む英国南部は緯度が札幌より一〇度近く高いにも拘わらず、気温が零下に下がることもなく、雪を見ることも稀なのですが、多くの場合、低く黒い雲が垂れ込めて、雨が断続的に降ります。その上、傘が役立たない程、風が強く、通勤する人々は、未だ暗い中を風雨に晒された儘、駅へ急ぐのです。一週間に二日ほど晴れ間が見られますが、連続することは稀です。先日、『降れば必ず土砂降り』(It never rains but it pours.)という、懐かしい諺がタブロイド紙の第一面の大見出しになっていました。中部地方では洪水被害も懸念されました。この時期、スコットランドやカンブリアなど北部地方は雪に閉ざされており、この国の南北経済格差の一因にもなっているのです。
 この天候の陰鬱さは、英国経済の現状を象徴しているかに見えます。発足から半年を経たブラウン政権の前に依然として立ちはだかっているのは、債務超過が暴露されて英国各地で取り付け騒ぎを起こした銀行『ノーザン・ロック』問題です。ニューカースルに拠点を置くこの銀行は、英国で五番目の住宅融資高を誇る中堅銀行ですが、米国の「サブプライム・ローン」問題の余波を受けて資金不足に陥り、英国銀行が例外的に二百五十億ポンドの緊急貸し付けを行う事態となりました。負債額が余りに膨大な為、民間資金に頼った自立再建は不可能となり、残った策としては、労働党政権の押し進めてきた「民営化」政策に背反する「国有化」の道を選ぶか、それとも、唯一買収を申し出ている『ヴァージン』グループに安値で買い叩かれるかの選択肢しか残されていなかったのです。事が六千四百人の雇用を守ることと、百五十万人に及ぶ預金者・株主の利益を確保することを両立させなければならないのですから、決して容易なことではありません。
  二月十七日になってブラウン政権は漸く、国有化の方針を明らかにしました。この方向を主張してきた自民党は歓迎する一方、保守党は一九七〇年代の政策に逆戻りするものとして強く反対しており、一連の経済政策の失敗の責任を取って、ダーリング蔵相が辞任することを求めています。
 去年末のクリスマス商戦は各百貨店の売り上げが前年比で二%程落ち、期待はずれの結果となりましたが、ここに来て、国民一般の購買力低下が、この十年で最も明白な形で表われています。ガソリン価格が一リットル一ポンドを超えて久しく、電気、ガス代が一五%以上、食料品が一〇%と、軒並みの値上がりとなっております。住宅価格も、ひと頃より上昇率は鈍ったものの、平均的年収の四倍と高止まりしたままで、容易に手が届かないものになりました。
 他方、一部の民間企業を除いて、賃金上昇は二%と、物価上昇率に到底追い付きません。これには、インフレを極度に恐れるブラウン政権の賃金抑制政策が強く働いています。何とか生活を守ろうとする労働者側は、これまで労働党政権を守るべく手控えてきたストライキに訴えるしか、道が残されていないのです。この為、交通部門、公務員関係などのストが頻発しております。先日も、ロンドン市内で、二万余の警察官が全国から結集して、二・五%の賃上げを求めてデモ行進を展開しました。しかし、政府側は、一度譲歩すれば全般に及ぶ恐れがある故に、頑に拒否しています。
 二月七日昼のBBCテレビ番組『デイリー・ポリテイックス』では、同日の『ウオール・ストリート・ジャーナル』の報道として、久しくニューヨークと並んで世界経済のHUB(中枢)としての役割を担っていたロンドンが、嘗ては英国のGDPに匹敵する二・四兆ドルものマネーをロンドンに集めていた世界中の投資家たちが最近の英国での金融不祥事と個人負債の増大に嫌気を差して、他に資金を移している為に、その地位を失いつつあることを伝えていました。この番組の司会者アンドルー・ニールは、人一倍愛国心を重んじている人物だけに、如何にも深刻そうに、「ゴードン・ブラウンはどう考えているんだろうか」と懸念を露わにしておりました。図らずも、このような事態には、首相が責任を負わねばならないことを明かした形です。
 一方、先に公定歩合〇・二五%引き下げを発表したばかりのキング英国銀行総裁は、二月十三日、今年中に英国経済が米国と同様、リセションに陥る恐れがあることを警告しました。
 こうした中、普段は娯楽番組が多いITVが家屋差押え、借金苦の深刻さを一時間にわたってルポし、貸す側の銀行の問題も指摘しておりました。英国では千百万人が何らかの負債問題を抱えており、今後一年間で四万五千戸が差押えに遭う恐れがあるということです。
 これと対照的に、石油販売で『シェル』が年間百三十九億ポンド(約二兆八千億円)、ガスで『ブリテイシュ・ガス』が五億七千百万ポンド(約千百四十二億円)という莫大な利益を揚げており、大幅な料金引き上げの直後のことだけに、社会的批判を浴びています。

 米軍増派後の「治安改善」の最中にイラクでは、二月一日、七十人死亡のテロが起こりました。この事件について、BBCの報道姿勢に、従来とは異なる変化が見られます。「治安安定の中,起きる散発テロ」という報道の仕方には疑問が残ってしまいます。十四万人に達する米軍大量派遣にも拘わらず、やはり起きてしまうテロ、という点を無視しているのです。
 四年前に激しい戦闘のあった「ファルージャ」の取材でも、BBCは、数日前の『インデイペンデント』紙の本格的なルポとはまるで異なる描写を『ニューズ・ナイト』でやっていました。
 『インデイペンデント』―│確かに治安回復の途上にあるように見えるが、ファルージャの町は幾重もの米軍警戒網によって封鎖されており、出入り出来るのは身分証明を持った者に限られている。現地の医師の話では、水、電力、医薬など、極めて不足。民衆の不満は募り、何時また戦闘が始まるか、という状態だ。
 『ニューズ・ナイト』――短時間の映像の中に、ファルージャ郊外でオンボロ車のオートレースを楽しんでいる数十人の姿、街角で何やらお祭りを賑やかにやっている場面を紹介。若い記者は、この通り、治安は良くなり、アルカイダの姿は皆無だとする。
 要するに、BBCはイラク戦争の不法性はどこへやら、現状を肯定し、イラク占領政策が軌道に乗っているということを強調する報道姿勢に転換している様子なのです。
 現実に戻ると、二月二十四日には、バグダッド南部カルバラで、シーア派宗教行事を狙った爆弾テロが起こり、四十人以上死亡、六十人以上が負傷しました。二月二十六日には、イラクの抵抗勢力によって拘束されている英国人五人の内一人が、英国政府に解放の手立てを講ずるよう呼びかけているヴィデオが現地の『アル・アラビヤTV』によって放映されています。彼らはシーア過激派「マハデイー軍」によって拘束されていると見られています。
 イラク戦争のコストがどの程度のものか、ということは幾度か試算されてきましたが、二月二十五日の『ニューズ・ナイト』は、ハーバード大学ノーベル賞受賞者ステイーグリッツ教授らによる新著を紹介し、この戦争の公的、私的コストを将来に及ぶ影響を含めて算定すると、三兆ドルに及ぶことを明らかにしました。この数字が、米英両国のみならず、日本を含む各国の今後の経済状況に極めて重くのしかかることは言う迄もありません。
 アフガニスタンは一層深刻な状態で、’Fail’という言葉が頻繁に使われています。二月六日突然訪英したライス米国務長官は、ミリバンド外相と、アフガニスタンのNATO軍兵力増強計画について会談しました。これは、カンダハル、ヘルマンドなど南部地域での治安悪化に対応する必要に迫られていた為です。両国の要請で、フランス軍一千人の派遣が同意されたと伝えられていますが、ドイツは拒否した模様です。英国軍を始めとするNATO軍の戦死者は急増する一方、カルザイ政権は国土の僅か三〇%しか手が及んでおらず、麻薬原料のケシ栽培も全くと言える程抑えられていないようです。
 そうした中、二月二十八日に突然、ハリー王子がアフガニスタン南部で去年十二月以来、戦闘任務に就いていることを英国メデイアが一斉に伝えました。この報道を、「安全上の理由」とする国防省の要請で自主規制していたものの、米国、オーストラリアなどの海外メデイアがすっぱ抜いてしまったので、慌てて報道に踏み切ったようですが、「マヴェリック(一匹狼)」議員ジョージ・ギャロウェーがBBC討論番組で厳しく指摘したように、政府の戦争政策に対して距離を置くべきメデイアの「報道の自由」という点で、大きな問題を孕んでいると考えられます。

 このところ、次期米大統領選挙関係の報道が目立っていますが、オバマ候補という「異色の」人物が白人候補者たちと互角の闘いをしていることが、伝統主義を尊ぶイギリス人を大いに刺激していることは間違いありません。国内に四百万人以上の非白人人口を抱える一方、固定した「白人元首」を戴くこの国としては、海の向うの「兄弟国」米国の元首が「黒人」ともなれば、極めて衝撃的な事件となることは避けられません。
 新聞、テレビなどのマス・メデイアは総じて、少なくとも表面上客観的な報道姿勢を取っておりますが、本音のところは、「クリントン女史辺り」で落ち着いてくれれば、と願っている節が見え見えです。『インデイペンデント』紙など一部メデイアを除いて、ブッシュ・ブレアのイラク戦争を事実上支持した立場の英国メデイアとしては、オバマ氏の、当初からの厳しい「反イラク戦」姿勢は痛し痒しなのです。「イラク」に賛成投票をしたという同じ古傷を持つクリントン候補に、同情的になるのは無理からぬものがあります。二月三日昼のBBC『ポリテイカル・ショー』では、ニューヨークから特派員が有権者の関心事を紹介した後、黒人解放運動家ジェシー・ジャクソン師、キリスト教会連合指導者、そして政治評論家の三者の予想を尋ねておりました。ジャクソン師は、イラク問題が最大の選択肢を与えるだろうとして、人種問題を乗り越えて、オバマが有利とした一方、後者の二人(白人)は、宗教的要素、「イラク安定」を国民は重視して、ヒラリーとマケインの戦いになるだろうとしておりました。
 大統領選挙の大勢が決まるとされる二月五日の「スーパーチューズデー」の取材には、BBCを始めとするニュース・キャスターなどが大挙してニューヨークなどに乗り込み、現地取材をしておりましたが、その多くが、イラク戦争に疲れ、経済不況に見舞われつつある米国選挙民の間に漲る「変化」を求める雰囲気を一様に伝えておりました。共和党でマケイン候補が有力となったことは織り込み済みの事としても、民主党ヒラリー候補との間に「一キロあった距離を数歩にまで迫った」オバマ候補の健闘ぶりには、右寄り『デイリー・テレグラフ』紙さえ讃辞を惜しみませんでした。
 二月十三日に首都圏四州を全てオバマ候補が手中に収め、代議員数でも有利に立つと、ヒラリー候補側がどうやったらオバマ側の攻勢を食い止められるか、という論調に変わって行きました。
 オバマ候補の優勢が伝えられるにつれて、二月中旬の『タイムズ』紙は、二度に渉って、「右派はオバマをシカゴ出身のうさん臭い左翼政治家だと批難する」、「米国はこの危険な左翼を受け入れる用意があるのか?」などの論評記事を掲載しましたが、これは明らかに、英国保守層がオバマ候補のホワイトハウスへの接近を異常な警戒心をもって見守っていることの証左です。

 ウィリアムズ・カンタベリー大司教がイスラムの「シャリア法」を英国で認めざるを得ない、とBBC『ラジオ4』で語ったことが、大きな波紋を呼び、氏の辞任論まで飛び出しています。「シャリア法」はコーランに基礎を置く、財産相続、婚姻・離婚などの家族法を定めた法体系ですが、英国での適用を認めることになると、英国法との二重の法律が併存することになり、社会の混乱を招くとの反対論が殆ど全てのマス・メデイアによって捲き起こされています。一国に於いては一つの法が支配するべきだ、という単純な論理です。しかしこの国に於いては、異文化を持つイスラム教徒が百六十万人暮らしており、現実に「シャリア法廷」が離婚問題などで彼らの生活を律しているという現実をどうするか、ということが大司教の問題提起なのです。 二月十二日の『デイリー・テレグラフ』紙は、エリザベス女王が大司教発言を非常に懸念している、と伝えました。やはり、英国の「一体性」を損ないかねないという思いからの発言でしょう。

 「ダイアナ事件」の裁判が大詰めを迎えています。この裁判は英国随一を誇る百貨店『ハロッズ』の経営者アル・ファイド氏が、ダイアナ元妃と共に息子ドーデイがパリで交通事故死した事件は、実は英国情報機関MI6が仕組んだ謀略だったとして、真相を白日の下に晒そうとする企てなのです。MI6が王室関係者と結託して、二人の結婚を阻止しようとした、という主張です。これまでに、事件関係者、周辺の人々など約二百四十人が証言し、その度毎に大きく報道されてきました。事件前後の新しい映像や、今まで明かされていなかった新事実も出てきて、かなり意味のある裁判となっているのです。ところが、いよいよ、MI6の当時の関係者、原告のアル・ファイド氏が登場する段になって、不思議な報道が始まっています。「この裁判にどれだけの費用がかかっているのか知っている?」、「六百万ポンドだぜ、これを納税者が払うのか、それともアル・ファイドが払うのか?」といった調子でBBCやITVなどが一斉に放送しているのは異常としか思われません。誰かが事件の山場に差し掛かったところで、別件を持ち出すことで焦点を逸らせようと企んでいるように思えてしまいます。
 アル・ファイド氏の証言は、大方の予想を遥かに超えて、英国の既存秩序を殆ど全て否定した手厳しいものでした。「ダイアナ事件」は、トニー・ブレア、フィリップ殿下(エリザベス女王の婿エジンバラ公)、当時のフランス大使、MI5・6、スコットランド・ヤードが周到に仕組んだものと断じたのです。中心人物とされたエジンバラ公は「ナチスの手先であり、ドイツに帰すべきだ」とまで言って退けました。この証言には、これまで公正さを装っていたBBC記者も、「何ともエラテイック(風変わり)な証言」という表現を使って衝撃の波及を抑え込もうと必死な様子でした。丁度この前後に、既に証言を終えていたバレル氏(ダイアナ妃の元執事)が、『サン』紙のインタヴューで、「証言で真実を述べた訳ではない」と法廷証言を翻す発言があった上に、この日のアル・ファイド氏の証言が、ダイアナ妃との直接的な人間関係を含む、細部に渉っていた為、大きな反響を呼んだことは確かです。結局、問題は、物的証拠が得られない儘、どのような法的判断が可能かということになります。

 今年五月に予定されているロンドン市長選挙には、労働党現職ケン・リヴィングストン、保守党から下院議員ボリス・ジョンソン、その他自民党、緑の党から立候補しておりますが、事実上、ケン、ボリスの一騎討ちとなることは動かぬところでしょう。ケンは相変わらず米ブッシュ政権のイラク・環境政策を叩き、「イスラム過激派」とされる人物に公然と会ったりしておりますが、既に二期を務め、側近の「汚職」めいた醜聞を騒がれるなど、必ずしも良き評判ばかりではなく、ボリスは「ローマ帝政」の研究など物する一方、放言癖でいつも周囲をハラハラさせている人物ですが、有権者にとって魅力的な面もあり、今回の選挙はほぼ互角の戦いになると予想する向きが多い様です。ごく最近の世論調査では、ボリスが一〇%程リードしているということですが、これも英国「体制」側の希望的観測を表しているのかも知れません。

 フィデル・カストロの引退が二月十九日発表されましたが、英国に於ける「キューバ・スポークスマン」を自認しているジョージ・ギャロウェーは早速、自ら司会者を務めている民放番組『トーク・スポーツ』で、米国が支えていたバチスタ政権の腐敗ぶりと革命政権の誕生、米国マイケル・ムアー監督が『シッコ』で描いた医療・教育の充実ぶりを得々と説明しておりました。この「カストロ辞任」に伴って、現代キューバをどう見るか、ということが多くのメデイアの関心の対象になったのは当然ですが、キューバの「経済的行き詰り」状況を、米国政権による経済封鎖という要素抜きに批判することが一般的な中で、ロンドン市長ケン・リヴィングストンが、「幾つかの失敗もあったが、福祉面の先進的施策は中南米の模範になっている」と強調したり、労働党副党首のハリエット・ハーマン女史が、インタヴューで「カストロはあなたにとって権力的な独裁者か、それとも、左翼の英雄か」との問いに対して、「後者です」と答えている場面もあり、カストロを「邪悪な独裁者」として断罪しようとする、例えば『タイムズ』紙のような試みは成功していません。

 去年の秋、ブラウン首相が下院議会解散・総選挙の絶好の時期を逃して以来、何処か政治熱が一般に冷めてしまった雰囲気が漂っています。在るのは、労働・保守両党の金銭をめぐる疑惑ばかりです。二〇〇五年総選挙の時期に、政治献金を受けたにも拘わらず、届け出ずに資金を使ってしまった労働党議員数人の名が挙げられたのですが、結局、ピーター・ヘイン労働・年金相一人が辞任に追い込まれました。最近では、下院議長マイケル・マーチン氏(労働党出身)が公費を、セカンド・ハウスの購入費の一部など、私的に使っていたことが『デイリー・メール』紙上で暴露されています。保守党では、大物議員コーンウェー氏が、ドラ息子に「研究員」名目で四万五千ポンドを支給したという汚職が明るみになり、議員辞職を余儀なくされました。
国際面では、英国でも一時期、派手な「親ブッシュ姿勢」故に、「ブレアの再来か」と騒がれたサルコジ仏大統領は、公約の「購買力拡大」政策が成果を挙げられず、再婚をめぐる個人的「醜聞」と相俟って、早くも支持率失墜(三〇%台)ということで、英国メデイアは静観の態度に変わりました。
 対露関係では、元諜報員リトビネンコ氏の、「ロシア側スパイ・ルゴボイによる謀殺事件」後、英国側の、「犯人身柄」移送要求が拒否される一方、モスクワ以外の「ブリテイシュ・カウンシル」(文化交流機関)が課税問題をめぐってロシア側に閉鎖を求められるなど、「冷戦」という言葉が頻繁に用いられ、冷え切っています。スコットラン北部沖合数十マイル迄ロシア空軍爆撃機が接近し、英軍戦闘機がスクランブルをかけたという様なニュースを耳にすると、否応もなく人々は緊張感を植え付けられることになりそうです。
           [追記]
(一)「ロイヤル・メール」が全国二千五百の郵便局を「赤字」理由で閉鎖する方針をめぐって、民営化方針を打ち出した労働党政府の七議員が反対し、例えば法相ジャック・ストローが自分の選挙区「ブラックバーン」の郵便局閉鎖に反対してデモに加わっていることが明らかになり、その「偽善性」が笑われています。
(二)軍需巨大企業BAEがサウジアラビア政府高官に莫大な賄賂を渡していた問題の裁判が始まりました。ブレア元首相がサウジの「テロリスト取り締り」の協力を得る為に、不法行為を黙認したことが明らかになっています。
(三)社会主義政党「リスペクト」が分裂の危機に陥っています。ジョージ・ギャロウェーの周りに集まった左翼集団と、「社会主義労働者党」が、「イラク反戦」で大同団結して成立した党ですが、地方選挙の取り組み方をめぐって各派の利害対立が表面化しています。
(四)英国南東部の町イプスウィッチで去年五人の娼婦が連続的に殺された事件の犯人に、「生涯獄中」の判決が下されました。この事件を契機に、死刑制度復活論議が起こる一方、犯人逮捕の決め手となったDNA鑑定を全国民に適用できるように、このデータベースを整備するべきだ、との提案が警察などから出されましたが、「プライバシー擁護」の点から反対論が優勢です。                    
                              (2008年3月6日)
by shin-yamakami16 | 2008-05-08 20:59 | Comments(0)