世界中で起きている重要な事件、事象についての忌憚なき批判、批評の場とします。


by shin-yamakami16

AKIHABARA惨劇

                               山上 真
 小生、あの日曜日、偶々千葉市川の知合いの所に行く前に、少し時間の余裕がありそうなので、秋葉原に寄って、最近の電気街の様子でも見ようと目論んでいた。自宅を出て、JR大森駅近くのそば屋で昼食をとっていると、テレビが臨時ニュースで、秋葉原での「連続刺殺傷事件」を報道し始めたのである。十数人が刺され、2人が心肺停止状態という。居合わせた客たち、店の人々もTV画面に釘付けになった。「これから行こうとしているのに、困ったな」と店の人に言うと、「犯人が捕まっていなけりゃ危ないよ」と言う。しかし、確認は出来なかったが、店を出る頃には、容疑者が捕まった様子なので、予定通り行ってみることにした。
 秋葉原駅に着いて、北口の広場に出たが、そこでは特に慌ただしい様子は無かった。しかし、少し離れた通りの方に目を遣ると、赤い警戒灯を点けた夥しい車両が通りの両側にずらりと並んでいる。近づいて見ると、これまた夥しい数の消防士、警官がせわしく現場検証らしい作業を続けている最中だった。群衆は、警戒線のテープぎりぎりの所迄並び、目を凝らして見守っていた。左手の方に行くと、白っぽい運搬車を3、4人の捜査員が検証している。更に通りの先には、路上の真ん中近くに、タクシーが非常灯を点滅したまま停車していて、これも捜査員が点検している。カメラを抱え、脚立を持った捜査員が現れて、撮ろうとしているのは、路傍1メートル四方の血痕であった。ああ、ここが現場の一つだったのだと、初めて分ったのである。周囲のあちこちで、人だかりが出来ているのは、報道関係者による目撃証言の取材の為であった。しかし、その時も、七人もの人々が命を奪われていることを、知る由もなかった。それを知ったのは、和食店で知人と会食し、8時近くに市川駅に戻ってきた時で、Y紙の号外が配られていたからだ。「七人死亡」の大きな活字が躍っていた。これには、大いにショックを受けた。
 既に1日半を過ぎ、事件の全容、容疑者のこと、不幸な被害者たちと親族、知合いの話など、語られている。海外メディアも、殆どトップで報道している。「犯罪率が他国と較べて低い中で起きる大惨事」という共通項に加えて、未だ一部ではあるが、事件の背景を深く探る内容のものも出てきている。例えば、BBCニュースは、「何がこの男を雑踏するショッピング街での凶行に駆り立てたのだろうか?唯精神錯乱した人物の、誰も予期し得ない行動として片付けられるのか?それとも、プレッシャーやストレスが非常に強いので、苦しむ人々が、悲劇的な結果を伴う悲劇的な行動へと駆り立てられる日本社会に於ける、何かより心配な兆候なのだろうか?」と結んでいる。
 容疑者の会社同僚の話、本人のメールなどを見ると、派遣社員としての不安定な雇用状態、生活困窮の様子が看て取れる。問題は、このような事情は、この容疑者に限ったことではないことだ。恐らく、数十万の同世代の若者が、呻吟の生活状態に陥っていることだろう。同じ悲劇を繰り返さない為には、行政が本腰を挙げて手を差し伸べなければならない。身近な社会の安全、安寧こそ、先ず行政が保証するべきことである。外国からの「ミサイル脅威」よりも。              (2008.06.10)
 
 

 
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by shin-yamakami16 | 2008-06-10 00:28 | Comments(0)